巨大変身ヒロインのオリジナル小説を書いている草宗の独り言をつぶやくブログです。

草宗の書斎

オメガガール4章ー2 | main | オメガガール3章ー5
オメガガール4章ー1
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 松明の炎がチラチラと漆黒の空間を照らし出す。儚げな光のなかに青のボディスーツに深紅のミニスカとケープ、そして金色の髪が揺れ動く。
 犯罪集団『ジャッカル』のアジトのひとつ、通称「ブラックボックス」の最上階。総帥ドクター・ノオと4人の最高幹部に囲まれ、オメガガールの美しい肢体が枷と鎖で拘束されている。
 超人的能力を誇る改造怪人にただ一人対抗し、人々を恐怖から救ってきた希望の戦女神が虜囚に堕ちていようとは・・・信じられぬ光景を眺めるのは、人質となった100人の子供たちだけであった。

「オメガガール、がんばってー!」

「ど、どうしたの? オメガガールは悪には負けないんじゃなかったの・・・?」

「早く逃げてー! そんな鎖、とっとと引き千切ってェー!」

 超少女がその鮮やかな姿を見せた時に浮かべた希望の色。オメガガールなら、正義のスーパーヒロインならこいつらをきっとやっつけてくれる・・・密かに、だがハッキリと抱いていた確信が、彼らの瞳の奥で崩れかけている。テレビなどで見知った究極の女戦士とは明らかに違った姿を、今のオメガガールは露呈していた。

(ち、力が・・・入らない・・・・・・アルファ電磁波・・・オメガ粒子を・・・消滅させる・・・粒子・・・・・・そ、んな・・・バカ・・・な・・・・・・)

 美戦士の視界に入った悪党どもの歪んだ笑顔がぐるぐると回転する。肉体的なものだけではない、深いダメージ。四之宮天音が超戦士として生まれ変わって以来、こんな苦しみを味わったことなどかつて一度もなかった。湧きあがる暗い感情が、光り輝く肢体の内部を黒く塗り潰していく。

(オ、オメガガールは・・・最強の戦士ではなかったの?!・・・・・・オメガ粒子は・・・暗黒の科学などに負けないはずじゃ・・・)

 言葉とは裏腹に、美乙女は文字通り、身をもってアルファ電磁波の効力を知ってしまっていた。電磁波を流されていない今でも、超人的なあのパワーがまるで湧いてこない。ただジュクジュクと溶かされていくような疼痛が全身で騒いでいる。アルファ電磁波によって体内のオメガ粒子が大量に消滅させられたのは間違いなかった。

「どうしたオメガガールよ、威勢のいい言葉が出てこなくなったな」

 ゴールドが丸い指でストレートの金髪を鷲掴む。グイと上げられた美貌は、冷たい汗を流し、血の気を失って青白く染まっている。

「ホッホッホッ、なかなか聡明なようじゃのう! 己の運命を悟ったようじゃわい。見よ、子供たちよ。手も足も出ずに囚われた、無様なスーパーヒロイン様の姿を焼き付けるのじゃ」

「わ、私は・・・オメガガールは悪に負けなどしないわ・・・」

 揺らぐ声で、それでも凛とした姿勢を崩さずにオメガガールは言い切った。
 その瞬間、黄色の電流が全身を包み、再び絶叫が迸った。

「ヒョッヒョッヒョッ! バカめが。もはや脱出は不可能! お前は守るべき子供たちの前で死んでいくのじゃ! じゃがそう簡単にはラクにはさせんぞ。これまでの恨みを晴らさねば」

 拘束女神の傍らにまで寄った怪老が、懐から取り出したのは拳ほどの大きさの水晶であった。
 いや正確には水晶のような透明な鉱石、というべきか。カッティングされた結晶体は、巨大なダイヤにも見える。だがその色は・・・目にも鮮やかな黄色であった。

「ッッ?! ま、まさかッ・・・?!」

「察しがいいのう! アルファ電磁波の元である『アルファ粒子』・・・オメガガール最大にして唯一の弱点を、鉱石に宿らせてみたぞ」

 皺だらけの手が握った黄色の結晶が、盛り上がったオメガマークの頂点、乙女の右胸に押し付けられる。

「あがッ?! あああああアアアアアッッ―――ッッ!!! あ、熱いィィッ!!」

 高熱と錯覚するほどの激痛が美戦士の乳房を刺し貫く。焼きゴテをあてられたような壮絶な痛みと引き換えに生命のエネルギーがまたも奪われていく。苦痛と脱力感のなかで、オメガガールは叫ぶことしかできない。

「ヒヒヒ! これは楽しいわい。お前らもやったらどうじゃ?」

 激痛地獄のなかで、さらにオメガガールを打ちのめす衝撃の光景。
 周りを囲んだ4人の最高幹部が一斉に取り出したものは、見るだけで慄然とする黄色の結晶体だった。

「あがッ! ぐうッ! や、やめッ・・・」

 嘆願を口にしかけた美乙女の頬に、バーバラが最悪の結晶を押し付ける。

「いぎゃあああああああッッ―――ッッッ!!!」

「シルバーよ、こいつの衣装を焼け溶かすぞ。ボロボロに剥いてくれる」

「おーおー、可哀想に。カラダ、ビクビクしちまってるじゃねえか。ほれ、もっと苦しみな♪」

 ジュウ・・・というかすかな音が柔らかな肢体のあちこちから響く。焼かれていく、愛らしい美戦士が。カチャカチャとなる鎖の音が、正義の女神の無力さを子供たちに教える。

(あ、遊んで・・・いる・・・こいつらは・・・私を壊して・・・楽しんで・・・る・・・)

 苦痛を与え、オメガガールが悶える姿を見たいがための責め・・・ジリジリと嬲るように、魔の鉱石を付けては離し、離しては付けを繰り返す怪人たち。愉悦に歪んだ5つの顔が、細胞の焼かれる痛みに引き攣る美貌を見詰めている。
 後ろ手に回されたふたつの拳が固く握り締められる。こんな、こんな奴らに負けるなんて・・・人類の脅威であり、親族の仇である『ジャッカル』。こいつらを倒すために、私はオメガガールになったんじゃなかったの? 絶望的な状況も、敵の新兵器の恐ろしさもイヤというほどわかっている。でも、それでも・・・とうに奪われたと思われたスーパーパワーが、美乙女のどこかでほんのわずか湧きあがる。

 だが、そんな女戦士の内情を察したかのように、悪魔の科学者は掠れた声で言い放った。

「おっと、遊びはそろそろにするかの。究極戦士さまの能力を侮ってはいかんからのう。二度と立ち上がってこれぬよう、徹底的にオメガ粒子を奪ってくれるわ」

 ドクター・ノオの合図とともに、魔結晶をしまった配下どもが新たな機械を暗闇から登場させる。直方体の金属製の箱からは、いくつもの電極とコードが吐き出されている。

「ホッホッ、案ずることはない。これもまたアルファ電磁波の発生装置じゃ。お前の大好きなのう」

 ふたつの電磁波発生装置のレバーを握ったロウガ以外の4人が、それぞれの手に電極を持つ。次に繰り広がる光景を、オメガガールは容易く想像できた。

「カラダのすみからすみまでアルファ電磁波を流してくれよう。万に一つも復活などできぬようにの」

 唇を吊り上がらせた4人の悪魔たちが手に手に電極のシールを持ちながら、首をうなだれた蒼白の女戦士に迫った・・・。
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| オメガガール | 01:07 | トラックバック:0コメント:8
コメント
4章スタートしました。

うーん・・・もうちょっと展開をスピードアップさせようかな?
2006.12.16 Sat 01:11 | URL | 草宗
おおお~!
3章後半からのオメガガールの本格的なピンチ、堪能させていただきました!

ファントムガールでもそうでしたが、ダメージを受けるヒロインの苦痛の描写がまさに絶品ですね!
オメガガールにもファントムガールのように、これから想像を絶する苦しみが待っているのでしょうね。楽しませていただきます!

読んでいる側としては、展開のペースは特に気にならないぐらいですよ。
2006.12.16 Sat 17:02 | URL | R-GRAY
おー、エクセレントっ!
来ました、来ましたねぇ~っ!ピンチシーン。
オメガガールの弱点がSMやSGでも定番となっているものと似てるので想像がしやすい面もありますが、いえいえどうして、そんなこと関係無しに次の展開が待ち遠しくなってます。
今まで、こんな形で自分の身体が壊されるなんて想像もしてなかったでしょうし、このあとオメガ粒子を根こそぎ奪われたオメガガールはどうやってピンチを脱するんでしょうね。
・・・・あ、必ずしもピンチから脱しなくてもいいですけど(悪

黄色い結晶かぁ・・・poserの小道具を探しとこ。
2006.12.16 Sat 20:55 | URL | にゃん
>R-GRAYさま

ピンチシーン、楽しんでもらえてるようでなによりです♪
ここまで引っ張っておいてつまらなかったら、ヤバイですからね(-_-;)
オメガガールはこれからのために生まれてきたようなものですから・・・(鬼畜) なんとかこれからも楽しんでもらえるようがんばります。

展開のペース・・・うーん、こんなものですかね?
ちょっとじっくりいきすぎのような気もしたので・・・

>にゃんさま

SGのピンチといえばやはりコレ、ということでw これをやりたいがために書き始めたといっても過言ではないですからね。
最強の力を得て思い上がる部分もあった天音をどう痛めつけていくか、というのもテーマのひとつなんで、どんどん絶望させていければと思っています(^^ゞ

結晶は定番の緑でもよかったんですけどねw 黄色の結晶・・・いやあ、期待してしまいます♪

ファントムの場合は簡単に死なせられない、というのがありますが、基本短編のオメガガールはそうでもない、というのがいいですねw
2006.12.17 Sun 00:49 | URL | 草宗
じっくりと
草宗さま
わたしもこの展開、ちょうどいいと思います。
短編ということですが、オメガガールが責められる
場面、なるべく長いこと読んでいたい、なんて思って
しまいます。あんなことも、こんなことも、これからも
楽しみにしております。
2006.12.17 Sun 22:27 | URL | 三里

>三里さま

展開はこんなところでしょうかね? まずはひと安心しました。
展開自体がここまでじっくりきてますんで、責めのシーンもやっぱり同じようなペースになるかと思います。責めだけスピードアップ、にしたら怒られるでしょうねえw
せっかくここまできたんで、ボクもできる限りやりたいことをやっていきたいと思っています。
あんなことも、こんなことも悔いのないよう頑張ります~♪
2006.12.18 Mon 23:23 | URL | 草宗
ご無沙汰ですぅ☆
最近コメント書けてなくて申し訳ないです(汗)

オメガガール、いたぶられてますね~☆
ウチのリディアも、ようやくエンジン掛かって来たみたいで、頑張ってやられてますw

そして今更知ったのですが…デリーター実写化!!(本当に今更…)
ヒロコロ3を早急に入手せねばと、画策してるんですが、やっつぱ秋葉原にあの研究所に行くしかないか…w

…それにしても、僕はとてつもなく偉大な方のサイトにリンクしてもらい、あまつさえBBSにまで書き込んでもらっているという事実に身震いしてますです…あわわ
2006.12.25 Mon 02:21 | URL | みすた~あす
>みすた~あすさま

ようやく、といった展開になったのはいいんですが、やはり年の瀬となると気持ちはあっても思うように更新できませんね(-_-;) 
リディア更新分はチェックしましたよ~。詳しい感想はそちらのブログ(掲示板)で書かせてもらいますね。

実写化は本当についているというか、偶然が重なっての結果なんですが、それでも嬉しいです♪
プロの方が脚本から撮影までされてますので、ホントにこんな幸運にはなかなか巡りあえないと思っています。
まあしかし、ボク自身はなんてことない普通の人間ですからw どうぞ遠慮なくお越しくださいw

小説版デリーターの出来に関してはボクからはなんとも言えませんがw、実写版主演の小林千恵さんがかわいいということだけは確実に言えますよ♪ よろしければチェックしてみてください。
2006.12.26 Tue 23:40 | URL | 草宗
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