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巨大変身ヒロインのオリジナル小説を書いている草宗の独り言をつぶやくブログです。

草宗の書斎

年末のご挨拶 | main | 「鋼血の姫甲士 ~花の章~」第1話「誕生! ドールピンク」4章
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ウルトラ戦姫物語 博士の愛した戦姫編② シャインの章
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 1


「スペリオル光線ッ!」

 修復を始めかけていたインペライザーに、ピンクの熱線が真っ直ぐ注がれる。
 黒鉄色のロボット怪獣は、中破した機体を直す間もなく、粉々に砕け散った。自己修復能力を誇るといえど、立て続けにウルトラ戦姫の必殺光線を浴びては、耐え切れるわけもない。

 爆発の炎のなかへ消えていく鋼鉄のマシンを見ながら、オレンジ色の髪をサイドポニーに纏めた戦姫――ウルトラレディ・シャインは、大きく肩で息を吐く。

「はあッ……はあッ……恐ろしい、敵だったわ……」

 呼吸するたび、胸にふたつのメロンをくっつけたようなボリュームある乳房が、ぶるんと揺れた。
 ウルトラ戦姫の外見は、地球の妙齢の女性とほとんど変わらないが、ビキニタイプの水着にも似た深紅の強化スーツと、銀色のプロテクターを装着しているのが特徴的だった。露出する部分が多いため、艶めかしさが漂うのは否定できない。


 特にシャインは、グラマーな肢体の持ち主が多いウルトラ戦姫の中でも、肉付きの良さが際立っていた。
 地球人のカップサイズでいえば、GやFはあるのではないか。ややぽっちゃり、と言えなくもないが、引き締まった筋肉に適度に女性らしい脂肪が乗っているのがわかるので、太っている印象はほぼない。むしろ抱き心地の良さが見るだけでも想像できて、ウルトラ戦姫を特集した雑誌では、表紙になれば売り上げが3割上がると言われている。

 しなやかな指が、額に浮かんだ汗をぬぐう。ボディは成熟し切っているのに、愛らしい顔にはどこかあどけなさも残っていた。
 キュートな顔立ちと豊満ボディ。男性受けするこれだけの要素を兼ね備えながら、さらにシャインは「強さ」の象徴でもある。
 ウルトラ戦姫の精鋭部隊=「ウルトラシスターズ」の次女であり、現時点のエースとされているのが、シャインの持つ肩書きであった。

「2体も同時にインペライザーが出現するなんて……普通じゃないよね……」

 シャインの背後では、目の前のものとは別にもうひとつ、黒鉄色の残骸が炎に包まれ燃えている。
 郊外の巨大遊園地にロボット怪獣が出現した、との一報を受けたシャインは、深夜にも関わらずすかさず現地に直行した。シャインの人間態である柚本紗希は、地球防衛軍LADYに所属しているため、誰よりも早く怪獣や宇宙人襲来の危機を知ることができるのだ。
 体長約35mの巨大な姿に変身を遂げ、ライトアップされた無人の遊園地にひとりで降り立ったシャインを待っていたのは、2体のインペライザーであった。

「危険ランクA+のインペライザーを2体も駆使するなんて、並の侵略宇宙人には出来ないわ……。そろそろ現れたらどうッ?」

 姿を見せない黒幕に向かって、シャインは鋭く声を飛ばす。
 その胸の中央、ハート型のカラータイマーは、すでに赤色に点滅している。無数の銃火器とロボットならではのパワー、そして自己修復能力を持つインペライザーは、本来なら1体でも苦戦は免れない強敵なのだ。2体を相手どって勝利しただけでも、シャインが「歴戦の戦姫」と称賛される証明としては十分過ぎるほどであった。

 だが、ロボット怪獣にはそれを使役する操縦主が必ずいる。
 わざわざ深夜の遊園地に呼び出してきた真の敵を、シャインは放置する気はなかった。激闘の直後で、疲弊は隠し切れなくとも、だ。

「ほほ、ほ。さすがはエースと呼ばれる戦姫、シャイン。私の意図を悟っても、逃げようとはしませんか」

 一瞬、遊園地のアトラクションのひとつが、動き始めたのかとシャインは錯覚した。
 そうではなかった。無機物の塊として映っていたものが、実は意志を持つ敵だったのだ。外見は合金で出来た構造物のため、黒幕はすっかり遊具に溶け込んでいた。
 そう、インペライザーを操った敵の正体は、機械の肉体を持ったサイボーグ。
 動き出してみれば、シャインもよく知る者だった。

「あなたは……エロフェッサー!」

「ほう、私のことを知っていましたか。いや、あなたの大事なお仲間をふたりも倒したとなれば、知っていて当然ですかな」

 円筒形の細長い頭部に、巨大なレンズを嵌めた右眼。
 細く見える四肢にも、強大なパワーを搭載した機械人間のことを、シャインが知らないはずもない。天才的な機械工学の知識によって、自らをサイボーグ化してしまったマッドサイエンティスト。
 己の興味ある題材しか研究しない、というこの天才科学者は、偏執ぶりでも宇宙一のレベルであった。気になったものは、とことん調べ尽くさないと気が済まない。一日に瞬きする回数から、排泄物の内容まで調べると言われている。

 そして今、エロフェッサーが研究対象に定めているのが、宇宙の平和と秩序を守り、尚且つその美しさでも名を轟かせているウルトラ戦姫なのであった。

「あなたがジェニスやアルファにした酷い所業……私は決して許さないわッ!」

 すでにウルトラシスターズの五女にあたるアルファと、四女のジェニスが、エロフェッサーの毒牙にかかっていた。
 敗北したふたりは隅々まで肉体を調べられ、分析データをエロフェッサーに奪われている。特にシャインの幼馴染であり、〝三女神〟として戦姫のトップと位置付けられているジェニスは、地球上で公開実験される恥辱を受けた。
 直接顔を合わせるのは初めてでも、シャインが怒りを燃やす理由は山ほどあるのだ。

「今度は私がターゲット、というわけね!?」

「ジェニスとアルファのおかげで、ウルトラ戦姫の弱点はほぼ解明できました。今ならば、エースと呼ばれるあなたと闘っても、不覚を取る可能性はゼロです」

 唇が吊り上がったエロフェッサーの顔は、元々がそういう形なのだろう。金属の部品で出来ているため、表情に変化はない。
 だがシャインには、エロフェッサーがやけにニヤニヤと笑っているように見えて仕方がなかった。

「まずは奇跡的な勝利を幾度も起こしたというあなたを、倒すことにしますぞ。ウルトラレディ・シャインという希望の光が消えれば、残る戦姫の捕獲は造作もないですからな」

 エースであるシャインが敗れれば、他の戦姫たちはエロフェッサーに恐怖を抱く。抵抗する気力を、奪われてしまう。
 すべては、自分を誘い出すための罠であったことをシャインは悟った。

「すでにこの遊園地を囲うように、強力なバリアを張らせてもらいました。ここから逃げることも、助けを呼ぶことも不可能ですぞ。私を倒さない限りはね」

「……むしろ好都合よ! あなたと決着をつけたいのは、私の方なんだからッ!」

「ほほ、ほ。言いますな。それでこそ、歴戦の戦姫ウルトラレディ・シャインです」

 シャインの背後で、新たな影が動き出す。
 アトラクションの乗り物のように見えた敵は、もう一体、隠れていた。エロフェッサーの助手であり、パートナーであり、最高傑作とも言える二足歩行のロボットが。

「ドエロイドッ!」

 全体的なフォルムはエロフェッサーと似ているが、6本のアームを持つドロイドは、シャインの退路を塞ぐように立ちはだかった。
 対ジェニス戦でも、1対1でほとんど圧倒していた鋼鉄のマシン。
 隔絶された遊園地を舞台に、すでに2体のインペライザーと闘ったシャインは、恐るべきマッドサイエンティストとその傑作ロボットに挟まれた格好となった。

「……来なさいッ! このウルトラレディ・シャインは……どんな逆境でも、決して負けないわッ!」

 己を鼓舞する戦姫の雄叫びが、深夜の遊園地に響き渡った。


 2


 ウルトラ戦姫は太陽光などの光を浴びることで、膨大なエネルギーを生み出すことができる。
 その光エネルギーの貯蔵庫となっているカラータイマーは、すでに赤々と点滅していた。いわばシャインの動力源が、残り少なくなっていることを示している。
 カラータイマーが破壊されたり、光エネルギーがゼロになっても、ウルトラ戦姫は死に直結する……というわけではない。電池切れのようなものだ。生きてはいるが、満足に動けなくなってしまう。

「くッ……準備は万端だった、ってことね……」

 今更ながらシャインは、自分を倒すための罠が、周到に張られていたことに気付いていた。
 光の補充ができない深夜。消耗を余儀なくされた2体のインペライザー。そして、救援の期待できない、隔絶された決戦の地。

「シャイン・スラッシュ!」

 矢尻状の光弾を前後の敵に連射するも、その全てがエロフェッサーにもドエロイドにも跳ね返されていく。

「ほほ、ほ。この程度の攻撃が、私たちに通用すると思っているのですかな」

『この程度』とはいうものの、シャイン・スラッシュも並の怪獣ならば十分倒せる殺傷力はあるのに。
 サイボーグ科学者と助手ロボットのコンビが、恐るべき強敵であることを、シャインは認めずにはいられなかった。ジェニスやアルファを倒したのは、決して偶然などではない。

「でもまさか……こんな罠を仕掛けてくるなんて」

 迫る2体に挟まれながらも、懸命にシャインは、パンチとキックを乱れ撃つ。
 打撃がヒットするたび、硬い感触が拳や脚に伝わってきた。効いていない。残念だが、すぐにわかる。どれだけ殴っても、蹴っても、エロフェッサーにもドエロイドにも大したダメージは与えられていない。

「ほほ、ほ。安易に私の策に嵌ったのが、悔しいのですかな」

「あなたは……もっと正々堂々としていると、買い被っていたわ! 少なくともジェニスを襲った時は、人質も利用せずに真っ向から闘っていた!」

 数ヶ月前の、ジェニスとの一戦。
 ジェニスやアルファに施した仕打ちは、到底許せない非道なものであったが、エロフェッサーの闘い方自体はクリーンであった。だからこそ、完全に実力で負けたジェニスはショックを引きずったのだ。
 しかし今回は、明らかに闘う前から、シャインは不利な状況に追い込まれている。なりふり構わず、勝ちに来ていると断言していい。

「ジェニスとの違いが気になりますかな? なぜ私が用意周到にあなたを誘い出したか、わかりませんか?」

「……ッ」

「どうしても、あなたを倒したいからですよ、ウルトラレディ・シャイン。油断など、一切しませんぞ。奇跡を起こす戦姫を、この場で調べ尽くしてやるのです!」

 ドオォォンンッ!

 やや距離を空けた位置から、ドエロイドが一気に懐に飛び込んでくる。
 加速のブースターを使ったのだろう。金属製のボディに見合わぬ素早さ。格闘能力に定評のあるシャインも、さすがに対応しきれない。
 6本のアームから次々と繰り出されるパンチが、肉付きのいい乙女の肢体に、ドボドボと突き刺さった。
「ぐッ! ぐううッ! うああッ!」

 インペライザーを上回るパワーと、触れるだけで皮膚が切れそうな硬い拳。
 重く、鋭い打撃に、キュートな顔が歪む。ガードを固めて致命的な一撃だけは避けようとするシャイン。
 だが、敵は背後からも迫っている。巨大な注射器にも似た右腕から、エロフェッサーが緑の粘液を噴射した。

 ブジュウッ! シュウウウッ、シュウウ~~!

「うああッ!? せ、背中がッ……焼けるゥッ―!」

「ほ、ほほ。我が特製の酸の味はいかがですかな」

 ほとんど剥き出しになっているシャインの背中が、黒い煙を昇らせて焦げていく。
 皮膚の焼けただれていく激痛に、たまらず仰け反るサイドポニーの戦姫。そのムッチリとした瑞々しい豊満ボディが、わずかな間、棒立ちとなってしまう。

 正面に立ったドエロイドは、その隙を一気に襲った。
 6本のアームのうち、2本がシャインの首を絞める。メロンのごとき丸々と実った乳房を片方ずつ掴み、下半身へと伸びたアームは、深紅のショーツに包まれた股間を鷲掴みにした。

「んぐうッ!? うあああッ! ああッ――ッ!」

 細首と、ふたつの乳房と、クロッチ。
その全てをマシンの怪力で一斉に握り潰され、くぐもった悲鳴がシャインの口から溢れ出る。

「ほ、ほほ。さて、ドエロイドの腕はもう一本ありますぞ。どこを潰されるのが、一番辛いか……」

 窒息と、急所を搾られる苦痛。そしてほのかに湧き上がる甘い痺れに、シャインの四肢がバタバタと暴れる。
 どれだけ悶えても、ドエロイドのアームはビクともしなかった。残る一本のアームが鼻先に突き付けられ、苦しむシャインの顔が蒼白になっていく。

「やッ……めェッ……!」

「やはり、戦姫の弱点といえば……ここですかな!」

 赤く点滅するカラータイマーを、最後のアームがガッチリと握り掴んだ。
 魂ごと捻り潰されるような激痛に、6本のアームに捕獲されたシャインが悲痛な叫びを轟かせる。

「きゃあああッ――ッ! うあああッ――ッ!」

 咽喉を絞められ、乳房をむんずと握り潰され、股間をグシャグシャと揉まれて、カラータイマーを圧迫される。
 幾重にも複合した苦痛と、そこに混ざる快楽。そして確実に急所を破壊されていく実感に、全身を突っ張らせてシャインは絶叫する。ビクビクと全身を震わせる。

「やれ、ドエロイド。対戦姫用、ドエロイドバスターです」

 さんざんシャインを悶絶させ……6本のアームで握り潰しながら、ドエロイドが上空へ飛ぶ。
 ブースターを点火させたロボットは、高々と舞った。シャインを捕獲しながら、ぐるんと上下逆になる。
 遊園地のメリーゴーランドの上。
 ヒクつくシャインの脳天から、ドエロイドは自身の機体の重みを乗せて、真っ逆さまに激突した。

 グシャアアアッ――ッ! ドボボボオオオッ!

 メリーゴーランドが砕け散り、シャインの頭部が丸々地中に突き刺さった。
 墓標のごとく、逆さまになった戦姫の胸部から爪先までが、ピンと一文字に直立する。
 ドエロイドがシャインの肢体を解放し、そのそばから離れても、戦姫のオブジェはピクリとも動かなかった。
 ただ、ドクドクと大地に、鮮血の池が広がっていく。

「ほほ、ほ。ウルトラ戦姫のエースも、呆気ないものですな。しかし、油断はしませんぞ」

 距離を置いた位置から、エロフェッサーが左腕を伸ばす。ドエロイドは6本のアームの先端を、動かぬシャインの墓標に向けた。
 レーザー光線の一斉放射が、深紅のビキニを着たようなグラマラスボディに、次々と撃ち込まれていく。

 ドガアッ! ドガガッ! ズガガガガアッ!

 爆発が起こる。赤黒い火傷の痕が、逆さまになったシャインの、モチのような素肌に無数に刻まれていく。

 ピコンッ! ……ピコッ! ……ピッ……ピッ……

 緩やかになっていくカラータイマーの点滅だけが、シャインがまだ生きていることを教える全てだった。

「よろしい。これ以上傷つけては、大事な研究用素体が使えなくなってしまいますな」

 ようやく蹂躙を終えて、エロフェッサーは黒く焦げ汚れた、シャインの肢体に近づいていった。
 地中から、シャインの頭部を引き抜こうとする。エロフェッサーにとって、ウルトラ戦姫を抹殺することが本来の目的ではない。その美しく、神秘的な肉体を調べ、ウルトラ戦姫の生態を解明することが望みなのだ。
 シャインのくびれた腰を掴み、まだ黒煙を昇らせる肢体を引き上げようとする。
 その、瞬間であった。

「……まだ……私は……ッ……負けていないわッ!」

 もはや戦闘不能、と思われたシャインの肢体に、力強さが蘇る。
 失神していた、だけだったのか――。気付いた時には、遅かった。
 エロフェッサーの機械で出来た身体は、シャインの太ももに首を挟まれ、大きく宙に投げ飛ばされていた。

「がはアッ! はあッ! はあッ! くッ、ううぅ! 私たちウルトラ戦姫は……簡単に諦めなど、しないッ!」

 額から血を流し、吐血を噴きながらシャインは叫ぶ。
 だが咆哮しつつも、歴戦の戦姫は気付いていた。強すぎる、と。

 しなやかさとタフネスを併せ持つシャインの肉体だからこそ、なんとか耐えられたが、他の戦姫ならば恐らく先のドエロイドバスターで勝負は決していただろう。同じ〝三女神〟のジェニスが完敗しているだけあって、この2体の刺客はあまりに強い。
 闘う前から疲弊したシャインが勝つには、わずかな隙を突くしかなかった。

「い、今ッ……! 勝負を賭けるしか、ないッ!」

 視界の先で、エロフェッサーがゆっくり立ち上がるのが見えた。円筒形の頭部を振っているその姿は、脳に混乱が生じていることを教えている。
 そう、エロフェッサーが造った機械部分は無敵でも……サイボーグの脳は、元のままなのだ。
 いかに天才科学者の創造物であろうと、弱点はある。エロフェッサーを倒すのは、不可能ではない。

「スペリオルッ、光線‼」

 両腕をL字に組んだシャインは、必殺光線の照準を彼方のエロフェッサーへと合わせた。
 逆転するには、この一撃に全てを賭けるしかなかった。


 3


「いっけええェッ――ッ‼」

 ピンク色の奔流が、闇を切り裂き、立ち上がりかけたエロフェッサーの胸部分へと直撃した。
 超高熱が鈍色のボディを穿つ、ガガガッ! という衝撃音。
 幾多の怪獣・宇宙人を葬ってきたシャインの必殺技・スペリオル光線。まともに喰らったエロフェッサーは、無事に済むわけがないと思われた。
 だが、ニヤついた表情のまま固定した顔に、一切の焦りは浮かんでいない。

「ほほ、ほ。ムダムダ。無駄ですぞ。私とドエロイドの身体は、スーパーペダニウム合金製であることを学んでいないのですかな?」

 胸部にピンクの光線を受けたまま、エロフェッサーは平然としている。
 むろん、シャインは知っていた。スーパーペダニウム合金……それは、かつてウルトラ戦姫が苦しめられた宇宙ロボット・キングジョーと同じ素材。打撃も光線も跳ね返すその合金に、さんざん戦姫はてこずってきたのだ。
 ジェニスが敗北した日に、エロフェッサーたちのボディが、スーパーペダニウム合金製であることは明らかにされていた。だからシャインも、むろん知っている。

「そうね……光線が通用しないことは、わかっていたわ」

「ほ、ほほ。ならばこんな無意味なことは」

「でもッ! あなたの生身の脳はッ! スペリオル光線の高熱に耐えられるのッ!?」

 スーパーペダニウム合金は破壊できなくても、高熱で温めることはできる。
 灼熱で異常なまでに温度を上昇させれば、機械ではないサイボーグの脳は、耐えることなどできはしない――。

「ゼスペリオルッ、光線ッ‼」

 ピンクの熱線が、一段とその輝きと射出量を増した。極太の弩流となって、エロフェッサーの胸を撃つ。

「ヌウッ! ぬおおッ……! な、なんですとォッ!?」

 巨大な右眼のレンズに、今までにない動揺をエロフェッサーは見せた。
 ゼスペリオル光線。それはシャインの切り札であり、最大最高の威力を誇る超必殺技。
 躊躇いのないシャインの一撃に、エロフェッサーの計算は狂ったようだった。円筒形の頭部を抱えたのは、脳へのダメージ故か、誤算によるショックか。

 鈍色のエロフェッサーのボディが、赤に変わっていく。
 イケる。勝てる!
 膨大な光エネルギーの消耗とともに、脱力を感じながら、シャインは全力を振り搾る。搾り出す。

 ガシャンッ! ガシャ、ガシャンッ!

「あッ!?」

 背後から伸びた6本の金属アームが、シャインの両腕と両脚、そして胴体とを拘束していた。
 強制的に解除される、ゼスペリオル光線。
 あと少しで手に入るかもしれなかった勝利は、ドエロイドの介入によって、シャインの掌からこぼれ落ちた。

「しまッ……た……ッ!」

 決してシャインはドエロイドの存在を忘れたわけではなく、気を抜いたわけでも、もちろんなかった。
 こうする以外に、方法はなかったのだ。
 2体を相手取って勝つチャンスは、もうシャインには残されていなかった。勝機があるとすれば、司令官であるエロフェッサーを、わずかな時間で倒すしかない――。
 つまりこれが、シャインが出来る限界であった。

「お、脅かせて……くれましたな! このまま反撃の間を与えてもらわねば……あ、危ないところでしたぞ!」

「ぐくッ! くううッ、ううッ!」

 大の字に固定された肢体を動かそうとしても、6本のアームに捕獲された四肢は、ビクとも動かなかった。
 赤々と変色していたエロフェッサーの合金ボディが、急速に冷えていくのがわかる。元の鈍色に戻っていく。

 己の全力を賭けた一撃が失敗に終わったことを、シャインは悟っていた。カラータイマーの点滅音が、やけに大きく耳に届いてくる。
 ガクン、とサイドポニーを垂らす戦姫を、ドエロイドは拘束したまま、高々と跳躍した。

「うああッ!? な、なにを……ッ?」

 処刑の瞬間が、待っている。
 覚悟しているからこそ、シャインの声はわずかに震えた。エロフェッサーは倒せなかった。ドエロイドに捕まってしまった。光エネルギーをほとんど使い果たしてしまったシャインに待つのは、敗北の運命だけだ。
 だから、ドエロイドに連れられたのが、ジェットコースターの真上だと知って、予想外の展開に、シャインは素っ頓狂な声をあげてしまった。

「へ? なに……一体……!?」

 大の字に拘束されたままの戦姫は、ジェットコースターのレールを、跨ぐ格好になっている。
 なんの遊びのつもりか――? 怒りにも近い不審をシャインが抱いた時、敵の狙いは判明した。

 ゴオオオオッ! ジャリジャリジャリリィッ!

 レールの上を無人のコースターが高速で通過する。稼働していたのだ。深夜の遊園地で疾走する、乗客のいないアトラクション。
 列車をモチーフにした流線形のビークルは、シャインの股下をくぐり抜け……深紅のショーツに浮かんだ縦筋を、高速で摩擦していた。

「へべえッ!? へベべェッ! へぇあああ――ッ!」

「……どうですかな? そのジェットコースターの機体には、特製の媚薬をたっぷり塗り付けておきました。なかなかにオツな味でしょう、シャイン!」

 ゆっくり近づくエロフェッサーの台詞が終わらぬ間に、2台目のビークルがシャインの股間をすり抜ける。

「ふぎィッ!? へあああ・あッ! な、なぁッ……!」

 流線形のビークルは、確かにヌラヌラと濡れ光っていた。その粘液が股間を摩擦するたび、燃えるような快楽が、シャインの女芯にまで熱を伝える。

「こ、んなぁッ……!? こんなッ……! うはァッ!」

 ゴオオオォッ! ジュビビビビッ!

 3台目のビークルが通過し、嬌声とともに大量の涎が、ビクンと仰け反る戦姫の口から飛び散った。
 よく見れば、レールはシャインの胸にも真横に渡っている。ちょうどコースの上に、左右の乳房の先端が乗っかっている位置で。

 先程股間を通り過ぎた1台目のビークルが、ヌラヌラと光りながら、豊満なメロン乳を右から左へと横切る。
 むろん強化スーツに浮かんだ乳首は、左右ともジェットコースターによって激しく摩擦されることとなった。

 ジャジャジャッ! ギャリギャリギャリリィッ!

「ふぎゃあッ!? へああああッ~~ッ! む、胸がぁッ! こ、股間があぁッ……あひゃああッ~~ッ‼」

 陰裂が摩擦され、乳首が轢かれるたびに、催淫の媚薬が付着していく。股間と胸、3点から広がるトロけるような悦楽に、シャインの頬は桃色に染まった。
 縦横無尽、何台も通過するビークルの愛撫に、大の字に拘束された肢体はヒクヒクと痙攣した。甘い疼きに、腰が砕けかかる。

「ひゃめぇッ、ひゃめええッ~~ッ! こんな、こんなのぉッ……! お、おかひくなぁッ……!」

「ウルトラレディ・シャイン。先に捕獲したあなたの妹アルファは、私に有益な情報を教えてくれました」

 正面に立つエロフェッサーの口調は穏やかだが、その右眼のレンズには、どす黒い怒気が含まれていた。

「自白剤と拷問で、引き出したのですよ! あなた方ウルトラシスターズの様々な情報をね。シャイン、あなたが過去にどんな闘いをし、敗れたのかも……ね」

 己の胸部分に両手をかけると、エロフェッサーは観音開きのように一気に左右に開いた。
 ギラギラと、無数のレンズが内部には輝いていた。まるで昆虫の複眼。やや虹色の色彩を帯びた光は、発射準備を完了させて、充満し切っているのがシャインにもわかった。

「ううぅッ!? そ、それはぁッ!?」

 光の秘密に、直感的にシャインが気付いたのは、本能のなせる業だったかもしれない。あるいは、細胞に深く刻まれた恐怖ゆえか。

「ほほ、ほ。そうです。気付きましたかな、シャイン? この光がただの光ではないことに」

 エロフェッサーの胸部に充満した光エネルギーは、先程シャインが放った、必殺光線のものであった。
 スペリオル光線、あるいはゼスペリオル光線を浴びつつ、エロフェッサーはそのエネルギーを逆に吸収、増幅していたのだ。

 そんな闘い方をする宇宙恐竜を、シャインはよく知っていた。忘れたくても、忘れられなかった。
 その漆黒の宇宙恐竜は、シャインを何度も地獄に堕とし、敗北を刻み込んだ天敵だから――。

「この胸の反射鏡は、ゼットンの能力から開発したものです! シャイン、あなたがもっとも苦手とする闘い方で、仕留めるためにね!」

 ジャッ! と空間を焼く音がして、濃密な虹色の光線が、拘束されたシャインに一直線に飛んだ。
 丸々と実った乳房の間。ハート型のカラータイマーに、スペリオル光線を凝縮した熱線が撃ち込まれる。

「はあうッ!? ふぎゃあああああッ――ッ‼」

 ドロドロに熔解しかけ、灼熱のオレンジに変色した鉄の杭で、心臓を射抜かれたのかと思った。
 マグマを胸に直接注がれたかのような激痛とアツさに、シャインは絶叫した。ドエロイドに大の字に固定された肢体が、ガクガクと暴れ踊る。
 涙が滲み、血の味が口腔に広がった。ジュウジュウと、乳房を包む深紅のスーツが、余波を受けて溶けていく。
 ただの一撃で、強固なはずのカラータイマーには、ピシピシと亀裂が走っていた。

「はぎゅえぇッ! へあァッ! はあッ! やッ、やめェッ~~ッ! む、むねぇッ~……と、溶けて……ッ!」

 悶絶するシャインに構わず、ジェットコースターは変わらず股間と乳首を高速で擦り抜ける。
 ヒクヒクと震え、透明な涎を口の端から垂らすシャイン。それが苦痛のせいか、快楽のせいか、自分でもわからなかった。ただ、壊され、嬲られる実感があるのみ。

「さあ、もう一発ですぞ」

 ジャジャジャッ! バシャアアアッ――ッ!

 再び胸中央に浴びせられる、虹色の焦熱光線。
 生きながら焼かれていく煉獄が、シャインを襲っていた。ハートの形をした結晶体が、グツグツに溶けて蒸発していく。己に残された光が消滅するのを、シャインは苦痛に埋め尽くされた脳内で悟った。

「うぎゃあああアアッ――ッ‼ ア、アアアッ~~ッ‼」 

 ボジュウウゥッンンッ‼

 ついにカラータイマーは、熱線に溶け消えた。
 黒焦げとなったシャインの胸中央には、ぽっかりと漆黒の空洞が開く。

 ガクリとサイドポニーの頭が垂れると、見開かれた丸い瞳から、ボロボロと涙がこぼれ落ちた。苦悶に歪んだ唇からは、大量の唾液と鮮血の糸。
 歴戦の戦姫ウルトラレディ・シャインが、敗北を迎えた瞬間であった。

「ほほ、ほ。さすがのウルトラ戦姫のエースも、ゼットンに殺される恐怖が蘇りましたかな」

 最後はなんらの抵抗も見せることができずに敗退したシャインに、エロフェッサーの嘲笑が浴びせられる。
 タイマーの埋まっていた空洞から黒煙を昇らせ、白目を剥いた肉感的な戦姫に、もはや意識はなかった。

 ジェットコースターは稼働し続ける。媚薬でヌラヌラと光る機体を、何度も、何台も、シャインの股間と乳首とにすりつける。高速で通過し、摩擦する。

 敗北の戦姫は、ただヒクヒクと反応するだけであった。


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| ウルトラ戦姫物語 | 11:29 | トラックバック:0コメント:1
コメント
冬コミ(C93)で頒布予定の作品を、前半部分丸々公開いたします。
自分ではけっこうな大盤振る舞いのつもりなんですが(^^ゞ、なにぶんこちらで発表できるものが限られているのと、エロフェッサー編はpixivでも不定期連載していく予定だったので、ひとつの話として楽しめる分まで公開することにしました(≧▽≦)

ファンティアhttps://fantia.jp/fanclubs/1770 のプレミアム会員さまには、続きも楽しんでいただけますので、そちらもお目通しいただければ(∩´∀`)∩
また一般会員さまも、今回も表紙ともどもイラストをお願いしたらすPさまの挿絵を1枚楽しめますので、またご覧いただければ幸いです。

本来はクリスマスに公開する予定だったのですが、パソコンがどうも不調なので、万一に備えて早めに更新することにしました。
久々のシャインの激闘をお楽しみいただければ嬉しいです(^^ゞ
2017.12.22 Fri 11:30 | URL | 草宗
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