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草宗の書斎

オメガスレイヤーズ 第0話 「破妖の天使」⑩ | main | オメガスレイヤーズ 第0話 「破妖の天使」⑨
ウルトラ戦姫物語 博士の愛した戦姫編① ジェニスの章
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 1、
 
 
「長年の研究が、ようやく実を結ぶ時が来たようですな」

 自らの宇宙船のなかで、ひとり呟いたのは金属の身体を持つ異星人であった。
 全身鈍色で、明らかな機械仕掛け。ロボットとしか思えない姿をしているが、それでも彼は『異星人』であった。正確にいえば『サイボーグ』と呼ぶのが正しいだろう。
 あまりに高い工学知識と技術を持つこの男は、自らの肉体をも実験材料に使い、強化したのだ。
 
 頭部が縦に長く、円筒形になっているのは、通常よりも巨大な脳を収めるのに苦労したからだ。
 右目にだけ、丸いレンズが嵌め込まれているのが特徴的だった。細部を見るためにイチイチ拡大鏡を覗くのが面倒で、いっそ眼球そのものをズーム機能を持つレンズに代えたのだ。
 
 エロフェッサー、という名で彼はほとんどの宇宙にその存在を知られていた。
 あまりに長いことそう呼ばれてきたので、本名はとっくに忘れてしまった。恐らくは、全宇宙にひとつしかない通称だけに、彼はとても気に入っている。

 
 自他ともに認める、宇宙一のマッドサイエンティストであった。
 ひとつの星を消すことも、さらには造ることも容易にできるという天才であるが、興味を持った研究しか絶対に行わない。金銭や情け、他者からの依頼などでは指一本として動かすことはない。
 あくまで自分が気に入った研究対象しか打ち込まないのだ。
 
 科学に裏打ちされた〝軍事力〟を持ち、自由気ままに動くところから、『エロフェッサーはひとつの独立国家』とさえ言われている。
 事実、その認識は間違っていなかった。エロフェッサーはただひとりで巨大な〝力〟の動かし方を全て決め、『やりたいことを好きなようにやり遂げる』のであった。これを阻止することは、誰にもできない。
 彼の科学力に、〝力〟で対抗できる者でなければ。
 
「イエッサー」

 傍らにいた、これは完全なロボットが無機質な声で応える。
 エロフェッサー唯一のパートナーであり、助手役を務めるこの二足歩行型自律機械は、ドエロイドという名がつけられている。むろん、エロフェッサー自身の手で造り上げたものだ。
 少し間が抜けた名称ではあるが、エロフェッサーの助手ならではと、名付けた本人はこれまた気に入っている。科学が天才なぶん、語感のセンスは欠けているようであった。
 
 エロフェッサー同様に、頭部は縦長の円柱形をしているが、その色は緑だ。
 また、6本の細長いアームが胴部分から伸びている。全体のフォルムとしては、若干ドエロイドが大きいくらいで二体はよく似ているが、アームと頭部の色で見分けはつきやすい。
 
「星々の煌めきよりも美しいと噂されるウルトラ戦姫……強大な力を持つゆえ、容易に手を出せずにいましたが……やっと分析が完成しましたぞ」

「イエッサー」

 ドエロイドはひとつの言葉しか話せないよう設計されている。実際にどの程度、会話の内容を理解しているかはあやしいが、マッドサイエンティストは構うことなく話し続けた。
 
「もはやヤツらを恐れることはない。さあ、楽しい研究の開始ですぞ。光り輝く美の宝石たちを、ひとつずつ、じっくり調べるとしましょう……」

 レンズを嵌めた丸い右目が、宇宙船の進行方向に浮かぶ光景を窓越しに見つめた。
 青く、美しい惑星が、自らを機械化した男の前に近づいて来ていた。
 
「正直な話、ウルトラ戦姫とまともにやりあって勝つ確率は86.23%……程度だったのですがね。二の足を踏んでいたのもそのためだったんですが。あなたと偶然遭遇できたおかげで、100%に達することができましたよ。幸運とあなたには感謝しなければ」

 船内の片隅を、エロフェッサーは振り返る。
 常に吊り上がった形の口が、さらに大きく歪んだようだった。
 
「あなたの深い知識と戦術眼……なかなかに傾聴に値するものでしたぞ。安心なさい。情報の御礼に、ちゃんと地球に送り届けてあげます。もうあなたから、引き出す実験結果はありませんからな」

 エロフェッサーが語りかける相手は、ピクリとも反応することはなかった。ただ部屋の隅で仰向けに、大の字になって転がるのみ。
 深紅の強化スーツと銀色のプロテクターが、わずかばかり身体に付着していた。元々はウルトラ戦姫だったとわかる姿。しかしコスチュームの大部分は破られ、あるいは壊されてしまっている。
 青い髪をポニーテールにした、美少女だった。
 全身が汗で濡れ光り、股間からはブシュブシュと、半濁の飛沫を噴いている。何十回、何百回と犯され続けたのだろう。繰り返す潮吹きと、溢れる愛蜜とで、床が水溜まりになっている。
 
 ウルトラシスターズの五女、ウルトラガール・アルファであった。
 
 アルファの全身には、串にも似た細長い針が、30本以上は埋められている。
 乳首やクリトリス、そしてカラータイマーには、それぞれ数本ずつが深々と突き刺さっていた。
 
「さて、まだ話していない秘密はありますかな? 隠していることがあるなら、とっとと吐くことですぞ」

 エロフェッサーが台詞を終えると、アルファに埋まった無数の針が一斉にピンクの光を放った。
 
「ィ”っ……!! ぇ”ぁ”っ……!! ぁ”ぎィ”っ~~……!! ィ”っ~~~っ!!!」

 ビクビクと痙攣するアルファの、穴という穴から体液が噴き出す。
 汗も涙も、涎も、愛蜜も、小水も……ぶじゅるぶじゅると、泡立ちながら……
 
「ほほ、ほ。そうですか、ないですか。ではあなたには、最後にもうひと仕事、してもらいますかな。ウルトラガール・アルファ」

 気が付けば青の惑星は、すでに宇宙船の眼下にまで迫っていた。
 ウルトラ戦姫の肉体を調べる、というエロフェッサー積年の宿願が、まもなく叶おうとしていた。
 
 
 
 2、
 
 
 宇宙船から2体の巨大ドロイドが降り立った瞬間、街は恐慌に包まれた。
 異星人、怪獣の襲撃には慣れてはいるが、今度の場合は特別だった。人々は叫び、悲鳴をあげ、逃げ惑った。ただの悪逆宇宙人の侵略でないことは、一目瞭然なのだ。
 
 機械仕掛けの2体のうち、緑の頭部のモノ。一歩控えているところから察するに、『主従関係の従』にあたると思われるドロイドが、あるものを捕獲している。
 6つのアームが掴んだそれは、ほぼ全裸に剥かれたウルトラガール・アルファだった。
 
 大の字で拘束されたアルファは、首をガクリと垂らし、生きているかどうかも定かではない。胸のカラータイマーには穴があき、光は消えている。
 2体の侵略者が、戦姫のなかでも相当な実力を持つウルトラ姉妹のひとりを倒し、その強さを誇示しているのは明らかだった。
 
「あー、地球人の諸君。お初にお目にかかりますな。私はエロフェッサーと呼ばれている者です。こちらは助手のドエロイド。見ての通り、君たちが守護女神のように慕っているウルトラ戦姫も、我らの手にかかればこのザマです」

 都会の中心部に現れた宇宙からの訪問者は、意外なほど穏やかな口調で語り始めた。
 鈍色の頭部を持ち、眼と口が存在するこちらの方が、『主従関係の主』であろう。
 
「心配は無用ですぞ。星の征服など、このエロフェッサーには毛頭興味ない……あるのは、美しき女体への興味、のみです。強さのみでなく、神秘的なまでのプロポーションを誇るウルトラ戦姫の肢体……是が非でも、私はその秘密を解き明かしたい」

 丸いレンズの右目が、ギラリと陽光を跳ね返した。
 
「さあ、ウルトラシスターズよ。アルファを返してほしくば、早くでてくるんですな。地球人の諸君は邪魔にならぬよう、この場を空けてもらいましょうか」

 エロフェッサーの言葉は、明確なウルトラ戦姫への挑戦状であった。
 高層ビルの立ち並ぶ街に降り立ちながら、戦姫以外への破壊工作を行う気配は、まるでない2体のドロイド。
 この不気味で、不敵な訪問者に、どうウルトラ姉妹は立ち向かうのか――
 人々が固唾を飲んだとき、巨大な光の渦が、街の中心部に立ち昇った。
 
「ふむ。予想以上に、早く現れましたね。ウルトラレディ・ジェニス」

 人類がその勇姿を確認するより先に、エロフェッサーの口から、戦姫の名前が飛び出していた。
 間違って、いなかった。
 腰までに届く長いストレートの青髪に、秀麗な美貌。どこか落ち着きつつも凛とした雰囲気に、薙刀や槍を思わせる長柄の武具。
 確かに侵略ドロイドたちの目の前に出現したのは、撫子戦姫の異名を持つ、ウルトラレディ・ジェニスであった。
 
「ほ、ほう。これはこれは美しい……噂にたがわぬ、いや、それ以上の麗しさですな。さすがは〝三女神〟のひとりに数えられるだけはある」

「……エロフェッサー……とそのパートナーのドエロイド、ですね。私も、貴方たちの悪名は何度か耳にしましたわ」

 清楚な物腰の肢体は、すらりと四肢が長い一方、胸や臀部の肉付きがよく、豊満な色香が漂っている。
 ウルトラ姉妹の四女にあたるジェニスは、〝三女神〟と尊称されるほど、数いる戦姫のなかでも、もっとも中心的な存在として認められている。事実、その功績や実力は確かなものだった。
 特にジェニスは、美形揃いのウルトラ戦姫にあっても、端正な容姿で名高い。美しさに興味を持つというエロフェッサーが、眼の色を変えても無理はなかった。
 
「どうやら今回地球にやってきたのは、この私が目的ということで間違いないようですね?」

「ほほ、ほ。その台詞だけだと、すごい自信に聞こえますな」

「シャインやセレスが他任務についている瞬間を、狙っていたかのようなタイミング。さらにはティアナやレオナは、別のドロイドに襲撃されていると連絡が入りましたわ。私しかこの場に向かえない状況は、作られたとしか思えません」
 
 戦姫の故郷である「光の国」に次ぐ重要地点として、地球には多くの戦姫が配属されている。アルファの無惨な姿を見て、ジェニス以外にも怒りに燃えて現れるのが当然だろう。
 だが、他の仲間たちは、足止めをされている事実を、ジェニスは変身前に確認していた。
 冷静な分析と戦略眼に長けた撫子戦姫は、エロフェッサーのターゲットが己であることを悟った。
 
「予想通り、賢明なお嬢さんですな。いかにも。まずはあなたを、我が研究の対象とさせてもらいますぞ、ウルトラレディ・ジェニス」

「……私に狙いを定めたこと……後悔させてあげますッ!」

 右手に握った長柄の武具=ウルトラランスを、小脇に抱えてジェニスが突っ込む。
 
「ふむ。なぜあなたを最初の獲物に選んだか、理由は気になりませんかな?」

 臨戦態勢に入りつつも、エロフェッサーの口調は穏やかなままだった。
 
「あなたが一番倒しやすい。まずは最も脆いところから、崩させてもらいますぞ」

「ッ!! ……黙りなさいッ!」

 ピクリ、とわずかに柳眉を、ジェニスが寄せたのは一瞬のこと。
 青髪の撫子戦姫は、一直線にエロフェッサーに向かって走っていた。アルファを捕まえているドエロイドには、一瞥もくれることなく。
 普通に考えれば、アルファの救出を優先して、まずはドエロイドに向かっていくのは有り得ぬ選択肢ではない。むしろなによりも仲間を大切にするウルトラ戦姫ならば、そうするのが当たり前と思われた。
 
 だが、ジェニスという戦姫は、エロフェッサーを倒すことが重要だと見抜いている。
 ドエロイドはあくまで駒なのだ。道具なのだ。エロフェッサーの指示がなければ、ただの金属の塊と言ってもいい。一見、冷徹にも見えるジェニスの行動は、実はアルファ救出のためにはもっとも理に適った選択といえた。
 ウルトラシスターズの参謀格、とも言われる撫子戦姫の判断力を、まざまざとエロフェッサーは思い知った。
 
「素晴らしいですな。しかし。私の強さは、見誤っておられるようです」

 白いランスが唸りをあげる。一閃。また一閃。
 袈裟斬りに振られる二条の斬撃を、エロフェッサーは一歩も逃げずにまともに受けた。
 
「なッ!?」

「私のカラダもドエロイドのカラダも、スーパーペダニウム合金製です。ご存知ですかな?」

 傷ひとつつかない鈍色のボディを見てか。あるいは、エロフェッサーが発した単語を聞いてか。
 顔を青くしたジェニスは、飛び下がって距離を取る。博識で鳴らす撫子戦姫は、ペダン星人が開発したスーパーペダニウム合金のことも当然知っているだろう。
 
「あなたたちウルトラ戦姫がさんざん苦しんだあのキングジョーと……私たちのボディは同じ素材というわけですな。むろん、このエロフェッサーの頭脳によって、その強度はより高まっていますがね」

 打撃、斬撃をはじめとして、並のウルトラ戦姫の必殺光線では、スーパーペダニウム合金の前には通じない。
 その特殊合金をエロフェッサーたちは潤沢に使用している……容易には信じがたい現実を、ジェニスは即座に受け入れたに違いなかった。なにしろ今目の前で、己の必殺攻撃があっさりと破られたのだから。
 
「くッ……! スペリオル光線ッ!」

 素早く十字に両腕を組んだジェニスが、ピンクの閃光を発射する。
 エロフェッサーの顔面に直撃した光線は、十数秒に渡って射出され続けた。
 
「ムダですよ、ムダムダ。この程度の熱量では、扇子で風を煽られたがごとき、ですな」

「うぐッ……! じゃ、弱点は、あるはずですわ! 現に私たちウルトラ戦姫は、キングジョーを何度も撃退しているのですから!」

 自身最強の光線であるスペリオル光線を中断したジェニスは、再びウルトラランスを構えていた。
 やけに肩が上下しているのは、疲労のせいだけとは思えない。秀麗な容貌には、思いつめたような翳が心なしか挿している。
 
「しかしあなた自身がキングジョーに勝った経験はありますかな、ウルトラレディ・ジェニス? 私の分析によれば、武器に頼ったあなたは、格闘能力も光線の威力も最低ランク……」

「黙りなさいッ、と言ったはずですッ!!」

 青ざめていた撫子戦姫の美貌が一転、みるみるうちに朱に染まった。
 ここまで全て、エロフェッサーの分析通りであった。
 〝三女神〟として敬愛され、高い知性と回復能力、そして戦姫一とも呼ばれるほどの武具の扱いを誇るウルトラレディ・ジェニス……しかし彼女は、それだけのスキルに恵まれていながら、徒手空拳での戦闘能力にコンプレックスを抱いているフシがあった。恐らくそれは、単純なパワーでは他戦姫より劣る、という事実と無関係ではない。
 密かに隠し持った劣等感を刺激すれば、必ず「ほつれ」が生まれる……エロフェッサーの思惑通りに事は進んでいた。
 
「ドエロイド。アルファを返してやりなさい」

 指示通りに、助手のロボットがポニーテールの戦姫を投げ捨てる。
 ゴロゴロと足元まで転がってくる妹戦姫を見ながら、ジェニスの口と瞳は大きく開いた。
 
「ッ……!? これは……どういう意味ですッ!?」

「もはや用済みですから、返してあげたのですよ。あなたという新しい実験道具が、手に入ったも同然ですのでね。この場に誘い出しさえすれば、我々が最弱クラスのあなたに負けるはずがありませんからな」

「……決着がつく前に愚弄するのは……褒められた行為ではありませんね、エロフェッサー!!」

 キッ、と鋭い視線を向けて、ジェニスがウルトラランスを光の塊に変形させる。
 聖なる武具を収納した……というよりも、元の形に戻した、というのが正解だろう。ウルトラランスは、ジェニスの左手首に装着したウルトラブレスレットが、変化した姿のひとつなのだ。
 光の塊は本来のブレスレットになって、戦姫の左手首に戻った。ランスの形を解除した、ということは、別の攻撃方法をジェニスはとるつもりに違いなかった。
 
 ほほ、ほ。私の術中に……嵌りましたね。ウルトラレディ・ジェニス。
 
 エロフェッサーの心の声が、撫子戦姫に届くはずもなかった。
 
 
 
 3、
 
 
 ざわめく街の人々の声が、ジェニスには不安の表れとして聞こえていた。
 レディ・ヤプールやアルファキラーとの死闘で深いダメージを負い、故郷・光の国で治療にあたっていたウルトラガール・アルファ……地球に戻る途中で、妹戦姫の身になにが起きたかはわからない。ただ、〝大物食い〟の異名をもつアルファを、ここまで酷い状態にする敵が危険な存在であるのは確かだ。人類が脅威を抱くのも肯ける。
 
 そしてさらに、悠然と構えた侵略者=エロフェッサーは、ジェニス最大の光線であるスペリオル光線も、最強の武具であるウルトラランスも、あっさりと跳ね返してみせた。
 地球人がジェニスの勝利を疑い始めても、無理はない。
 挙句の果てに、捕獲していたアルファを、エロフェッサーは惜しむ様子もなく放棄したのだ。人質として利用することすらなく。
 アルファ救出のため、駆け付けたジェニスであったが、単純に喜ぶ気持ちにはなれなかった。なにしろエロフェッサーは「お前が相手なら人質はいらない」と言っているようなものではないか。
 
(くッ……! 確かにスーパーペダニウム合金のボディは手強いわ……しかし、ドロイドならではの弱点が、彼らにも必ずあるはずです……!)

 機械型の敵は、継ぎ目を狙うのが鉄則。
 
 戦姫候補生時代、光の国の訓練校で習った言葉が、ジェニスの脳裏に蘇る。
 ロボットやサイボーグは、構造上どうしても金属の接合部分が弱くなる。事実、かつての闘いでキングジョーなどの強敵を撃破したときも、その接合部分を狙うことで勝機を得てきた。
 
 エロフェッサーやドエロイドにも、キングジョーほどではなくても接合部分は確実にあった。
 むろん、動き回る敵の、ほんのわずかな隙間を的確に突くのは、相当に難易度は高い。ラクな闘いでないのは、覚悟すべきだ。
 
 だが……その難易度の高い攻撃を放つだけの技量を、ジェニスは持っている。
 なにしろ武器の扱いにおいては、全戦姫のなかでも撫子戦姫の右に出る者はいないのだから。
 
「ウルトラスパークッ!!」

 左手首に戻ったブレスレットを、ジェニスは投擲用の武器に変形させた。
 パッと見には、白と赤で塗り分けられた矢じりのようだ。金属製の紙飛行機、にも見える。
 
(ウルトラスパークの斬れ味は、八つ裂き光輪よりもはるか上……セレスラッガーにも劣りませんわッ! そしてなによりッ!)

 投げつけたウルトラスパークを、ジェニスは超能力で自在に遠隔操作できる。
 
「はあッ!」

 佇むエロフェッサーに、紅白の矢じりをジェニスは投げつけた。すぐにそれは、白い光弾へと姿を変える。
 風を切り裂き、細身のサイボーグに殺到するウルトラスパーク。
 
「やはり、そうきましたね。今です、ドエロイド!」

 エロフェッサーのニヤけた表情が、さらに口を吊り上げたようにジェニスには見えた。
 指示が飛ぶと同時に、すぐにドロイドが動く。瞬間移動か、と思うほどの速さだった。恐らく加速装置がついているのだ。光弾と化したウルトラスパークが迫るよりも、ドエロイドの方が先にエロフェッサーの前に立つ。
 
 読んでいた、というの!? 私の策を。
 
 だが慌てることはない。瞬時にジェニスは思い直した。まさかのドエロイドの動きに、標的がズレてしまったのは確かだが、ウルトラスパークは軌道修正できるのだ。初撃は外れても、その後で遠隔操作すれば……
 
 ガキン、と硬質な音色を奏でて、白い光弾はドエロイドのボディに跳ね返された。
 
 弾かれる金属製の紙飛行機を、ジェニスは念力で動かそうとする。狙いは、ドエロイドの首。まずは立ちはだかる邪魔者を、ひとまず先に倒して……
 
 ガシィッ!! と響く想定外の音とともに、衝撃的な光景がジェニスの瞳に飛び込んだ。
 合金のボディに弾き返される、一瞬。そのわずかな時間に速度が緩む隙をついて、6本のアームがウルトラスパークを捕獲していた。
 
「なッ!?」

 ウルトラスパークが弾かれる経験はあっても、掴まれたことなどジェニスにはほとんど記憶がなかった。
 カチャカチャと音をたてながら、ドエロイドのアームが次々に紅白の矢じりを握り掴む。遠目からだと、6つの手がおにぎりでも握っているかのようだ。
 
「くッ……!? なにをッ……なにをする気ですッ!?」

「ほほ、ほ。安心なさい。すぐに返してあげますよ。ご自慢のブレスレットをね」

 エロフェッサーの言葉が終わると同時、助手のドロイドがウルトラスパークを投げ返す。本来の持ち主である、ジェニスに向かって。
 剛速球が、立ちすくんだ青髪の美乙女に唸り飛ぶ。
 秀麗な美貌が引き攣ったのは、刹那の間だった。ジェニスには余裕があった。ウルトラスパークは超能力によって、自在に動かすことが可能なのだ。ジェニス自身を傷つけようとしても、そうはいかない――。
 
 真正面から迫る光弾を、撫子戦姫は元のブレスレットに戻して、装着しようとする。
 たわわに実ったふたつの乳房に触れる寸前、真っ直ぐ飛来した光弾は不意に軌道を変え、急カーブを描いて下降した。
 
 そのまま、ジェニスの下乳から下腹部にかけて。
 斜めに走ったウルトラスパークは、ザックリと、餅のような柔肌を切り裂いた。
 
 ズバアアアァッ……ッ!!
 
「あぐぅ”ッ――ッ!!? ……なぁ”ッ……!?」

「残念でしたな、ウルトラレディ・ジェニス。あなたのブレスレットは、すでに私が乗っ取らせてもらいましたぞ」

 エロフェッサーの言葉を裏付けるように、ジェニスの意志を裏切って、白の光弾は縦横に翔ける。
 胸を、腹部を、背を、太ももを。
 ザクザクと、光刃と化したウルトラスパークは、撫子戦姫の雪肌を切りつける。ジェニスの操作に従わぬ、どころではない。敵味方を間違えているかのように、周囲を飛び回り続けて、何度も刻んで嬲った。
 
「きゃああッ、きゃあああッ~~~ッ!! ぐうぅ、うぅ”ッ……!! ま、まさか、さっきのッ……!!」

 ドエロイドの6本のアームが、かわるがわるウルトラスパークに触れていた光景を思い出す。
 握り揉んでいるかのようにジェニスには見えていたが、あの時、何らかの細工を施していたのではないか? ドエロイドは全身が機械で出来ているのだ。アームの先端が工具になっていてもまるで不思議ではない。
 
「ほ、ほほ。さすがに聡明ですな。しかしもう手遅れですぞ。改造施術はすでに終え、ウルトラブレスレットはもはや、このエロフェッサーの意のままに動く道具です。あなたに勝ち目はありませんぞ」

 もっとも頼りにしていた愛用の武具に、翻弄されるジェニス。血煙をあげる戦姫に、ドエロイドが突進する。
 突風が吹いた、と思った時には、緑の頭部を持つロボットはジェニスの眼前に飛び込んでいた。
 やはり瞬間的に加速できる装置が、備えられているに違いなかった。逃げようにも逃げられない。スピードにおいても劣っていることを、ジェニスは認めざるを得なかった。
 
 しかもエロフェッサーに乗っ取られたウルトラスパークは、いまだ本来の主人の周囲を旋回したままなのだ。
 光弾の斬撃にさらされながら、ジェニスはドエロイドとの近接格闘に臨むしかない。
 己の必殺技をそっくり浴びながら、スピードも頑強さも、恐らくパワーも上回るマシンと肉弾戦をする……それがいかに苛酷な闘いであるか、ウルトラスパークの遣い手であるジェニスが一番よくわかっている。
 
「ぐはああ”ぁ”ッ……!!」

 ドエロイドの振るうボディブローが、早くも3発目にしてジェニスの鳩尾を抉っていた。
 6本のアームから打撃が放たれるのだ。普通に闘っても、戦姫の不利は否めない。
 
「うぐぅ”ッ!! うああ”ッ……はぁぐぅ”ッ――ッ!!」

 今度は右の脇腹に、金属で出来た拳が、深々と突き刺さった。
 6つの打撃が次々に繰り出されてくる。ジェニスが捌くにも、限界はあった。しかもいまや、撫子戦姫はブレスレットを奪われ、ランスで反撃するのも盾で防御するのも不可能なのだ。
 パワーで迫るドエロイドの圧力に、たまらずジェニスは後退した。
 
 ザシュウウッ、と斬撃の音が響いて、ウルトラスパークが戦姫の背中を袈裟斬りに裂いた。
 
「きゃああああ”ッ――ッ!! ……ああ”ッ!! ……ううぅ”ッ……!!」

 焼けるような痛みと、己の武器に傷つけられるショックに、ふらふらと前にのめる美麗戦姫。
 そのピチピチと肉の張ったお腹に、ドエロイドの膝がまともに突き刺さる。
 
 ドボオオオォォゥッ!!!
 
「ふぐぅ”ッ――ッ!! ……かはァ”ッ!!」

 膝蹴りを喰らった姿勢のまま、「へ」の字に曲がったジェニスの肢体が宙に浮いた。
 叫ぶ口から、鮮血の塊がバシャリとこぼれる。
 やはり、と言うべきか。パワーにおいても、ドエロイドはジェニスが敵う相手ではなかった。同じ宇宙ロボであるキングジョーと比べても遜色ない……いや、さらに上回っている。
 ウルトラシスターズのなかでも非力な部類に入るジェニスが、武器もない状態でどうやって勝てばいいというのか。
 
「アルファから聞き出した通りでしたな。ウルトラブレスレットを主武器とする、〝三女神〟のひとりジェニス……ブレスレットの操縦法を開発した私にとって、もっとも御しやすい戦姫だと思っていましたぞ」

 グシャアアアッ!!
 
 前かがみになったジェニスの後頭部に、ドエロイドの金属の拳が、振り下ろされた。
 首がもげたか、と錯覚するほどの衝撃。脳が揺れ、ジェニスの視界はブレた。血を吐きながら青髪戦姫は、朦朧としてヨロめき歩く。
 
「ィ”ぁ”ッ……!! ぅあ”、があぁ”ッ……!! ぁ”、あぁ”ッ……!!」

 すでに意識も定かでない状態で、闘志だけがジェニスには残っていた。
 右腕を突き出す。拳を握っての、ストレートパンチ。
 ドエロイドに向かって、意地と本能で放った最後の逆襲は、容易く6本のアームに絡めとられた。
 
「ドエロイドの標準馬力は、キングジョーの1.2倍です。と言いたいところですが、アームは3倍ありますからな。ざっと計算して腕力は3.6倍ですかな」

 ボギイ”イ”ィ”ッッ!!!
 
 枯れ枝のごとくジェニスの右腕は折られ、肘から先が90度、逆方向に曲がった。
 
「あぎィ”ッ!? ……きゃああああ”あ”ぁ”ッ~~~ッ!!!」

「さて、トドメですぞ」

 エロフェッサーの胸部分、その中央がカパリと観音開きになる。
 トンボの複眼のように、無数のレンズがビッシリと内部には敷き詰められていた。光が充満している。眩い白光の奔流が、一直線となって、絶叫するジェニスに叩き込まれる。
 赤くなっている胸のカラータイマーに、まともに光線は吸い込まれた。
 
「うああああ”あ”あ”ぁ”ッ―――ッ!!! ああ”あ”ァ”ッ~~~ッ!!! ア”、アツいぃ”ッ――ッ!! も、燃えてしまうぅ”ッ~~ッ!!」

 光をエネルギーとするウルトラ戦姫を、高熱の光が焼け溶かしていく。
 ピコピコと点滅する結晶体の表面が、ドロリと溶けた。シュウシュウと黒い煙をあげながら、撫子戦姫は青髪を振り乱して悶絶する。
 
 棒立ちとなったジェニスの股間に、真下から猛然と迫ったのは白い光弾だった。
 
 直撃の寸前、ウルトラブレスレットは形を変えた。矢じり状のウルトラスパークから、細長い円筒へ。短い棍棒にも見えるそれは、ブツブツとイボのような突起が埋め尽くし、先端部分がわずかに膨らんでいる。
 男性器を模したものだ、とジェニスが察した時には、白と赤で塗られたディルドゥは秘唇を割って女の蜜壺に埋まっていた。
 
「へげえ”ぇ”ッ!?」

 ブザマな喘ぎが撫子戦姫から漏れる。美しい肢体が仰け反った時には、ブレスレットが変形した模造ペニスは、激しいバイブレーションを膣穴に注いでいた。
 
「ひぎぃ”ッ!? ひゅぎゅああああ”あ”あ”ぁ”ッ~~~ッ!!!」

 己の愛用の武具で、性器を嬲られるウルトラレディ・ジェニス。
 クチュクチュと、淫靡な音色が股間から漏れ出すと、力尽きたようにカラータイマーが破裂した。
 
 パリィッ……ンンッ……!!
 
 真っ赤に染まったジェニスの美貌が、結晶体の砕ける苦痛に一瞬歪んだ。直後に天を仰ぎ、蕩けた視線を虚空に彷徨わせる。
 エロフェッサーの計算通り、アルファに続き〝三女神〟のひとりジェニスが、成す術なくその実験材料へと堕ちた―ー。
 
 
 
 4、
 
 
 ドガアッ!! ベキィッ!! ドボオォッ!! ……
 
 何十、何百回と、硬い金属の塊が、柔らかな肉に埋まる殴打音が響いていた。
 エロフェッサーとその助手役であるドエロイド。二体の侵略者に惨敗を喫したウルトラレディ・ジェニスは、街の中心部にある高層ビルにその身を拘束されていた。塔のように真っ直ぐ立った直方体に、両腕を頭上に掲げる形で吊り下げられている。
 
 一度割れたカラータイマーは、エロフェッサーの手により復元されていた。とはいえ、赤色が示すようにそのエネルギー残量はわずかで、反撃に至るにはほど遠い。
 
「ダメージとエネルギーの相関関係を知りたいのですよ。どれほど責めれば限界を迎えるのか、あなたのカラダで実験させてもらいますぞ」

 拷問が始まる直前、不快極まりなく、かつ恐ろしい台詞を、さらりとエロフェッサーは発したものだった。
 一直線に伸びる形でビルに磔にされたジェニスの股間には、赤い模様の描かれた白い金属棒が、深々と埋め込まれている。
 
 ジェニス愛用のウルトラブレスレットが変形した、模造の男性器であった。
 実際のペニスよりも硬く、長く、太いそれは、ブルブルと絶え間なく、絶妙な震動をジェニスの膣壺に送り続けている。深紅のショーツをズラされ、露わになった陰部の茂みに金属棒が挿し込まれた光景は、〝三女神〟と称された戦姫が雑に扱われている惨めさを強くしていた。
 
 その、恥辱的な己の姿を、ジェニスは自身の瞳で眺めねばならなかった。街の中心部であるがために、巨大なビルの壁面に設営されたモニターが、テレビやネットの画像を映し出すからだ。
 テレビでは男性アナウンサーが緊迫した口調で危機感を煽りつつ、ジェニスの芸術的なグラマラスボディをアップで映している。メロンのようなバストや、金属ペニスを咥えた股間、痛みと恥ずかしさで歪んだ表情……見られたくない部分ほどやたら映るのは、何らかの意図を感じずにいられない。
 
 一方でネットに配信される無料動画では、視聴者たちのコメントが洪水のように溢れ、流れている。
 当初はジェニスの身を案ずる内容がほとんどだったコメントは、だんだんと趣きが変わり始めていた。
 無駄に街を破壊せず、狙いはただウルトラ戦姫のカラダのみ……そんなエロフェッサーの言葉が、真実であるとわかってきたためだろう。確かに、侵略者と思われた機械生命体たちは、地球やそこに住む人々に、危害を与えるつもりは一切なさそうであった。
 
「ふむ。地球人は思ったよりも賢いようですな。私の真意がハッキリ伝わったことで、どういう立場を取ればいいのか、理解したようです」
 
 囚われの身となり、人々に無惨な姿をさらしたジェニスは、ドエロイドによって数え切れぬパンチを受け続けていた。
 まさしくエロフェッサーの宣言通り、『ダメージとエネルギーの相関関係』を調べられているのだろう。
 6本のアームが乳房を、腹部を、顔面を殴りつけるたび、ピーとかすかな電子音が鳴ってエロフェッサーの右眼のレンズがなんらかの計測をしていく。
 
「うぐぅ”ッ!! ……はぁッ、はぁッ……がはァ”ッ――ッ!! ……ぅああ”ッ、ああ”ッ……!!」

「太陽光を存分に浴びていることもあって、なかなかに頑丈ですな。そこのアルファより、若干タフなようですね。もっとも、病み上がりの小娘と比べたら当然かもしれませんが」

 広い道路に倒れたまま、ピクリとも動かないポニーテールの戦姫を、エロフェッサーが指し示す。
 身体中に鋭い針を刺されたアルファが、二度と立ち上がってこられないのはジェニスの眼にも明白だった。生きてこそいるようだが、「立ち上がる気力」のようなものがまるで感じられない。
 恐らくは、実験と称するエロフェッサーの拷問により、心身をボロボロに破壊されてしまったのだろう。

「エロ……フェッサー……愚かな、ことは……おやめなさい……ッ……! こんな、ことをして……何になると、言うのです……ッ……」

 押し寄せる苦痛の隙間を縫うように、ジェニスが言葉を発したのは、ただ拷問を逃れたいがゆえではない。
 ジェニスやアルファにこのような仕打ちを続ければ、本気でウルトラ戦姫はエロフェッサーを敵として認定せざるを得ない。まして地球人の環視の中なのだ。放っておくわけにはいかなくなる。
 今ならまだ戯れ程度で済ませるかもしれないが、これ以上やれば、地球侵略の意志がなくとも、ウルトラ戦姫は全力でエロフェッサー退治に乗り出すことになる。
 そうなれば、危険な目に遭うのはエロフェッサーたちの方ではないか。
 
「ほほ、ほ。はじめに言ったはずですぞ。あなたたち、ウルトラ戦姫の肉体の神秘を解き明かすのが、私の唯一の関心事です。これ以上に有意義な研究は、全宇宙でも他にありますまい」

「わ、私たちの身体を調べても……喜ぶのは悪逆宇宙人だけですッ……! 貴方は宇宙の平和を乱そうと……」

「あー。平和だ侵略だと、そんな無粋なものには興味ないのですよ。ジェニス、あなたは美しいが、少々五月蠅いのが玉にキズですね。そろそろ黙らせてやる必要がありそうですな」

 ヴヴヴ、とウルトラブレスレット製のディルドゥが、震動の音を激しくする。
 頬を赤らめ、眉根を寄せて、虜囚の戦姫は天を仰いだ。その口から「あ”……!」と弱々しい喘ぎが思わず漏れ出る。
 
「先程までのバイブは、あくまで『一般モード」ですよ。これからは『戦姫モード』……アルファの実験から得た、ウルトラ戦姫がもっとも感じやすい振動数にしました。個体差はあるとはいえ、さっきまでよりずっと感じるでしょう?」

 エロフェッサーが模造の男性器を握り、震えるそれで股間をぐりぐりと掻き回す。
 脳天を衝く快感に、ジェニスは全身を突っ張らせた。下腹部に広がる甘い痺れが、これまでとは段違いに強まっている。
 
「ふぇあ”あ”ッ!? ふあああ”あ”あ”ぁ”ッ~~~ッ!! ああ”・あ”ッ!!」

「やはり効きますな。アルファもこのバイブ責めによって、半月間で328回昇天を記録しましたから」

 エロフェッサーの言葉に嘘がなければ、アルファは光の国を旅立って以来、ほとんどの期間、陵辱を受け続けたことになる。
 妹戦姫に対する酷い蹂躙に、ジェニスの頭に血が昇る……余裕はなかった。エロフェッサーの実験対象は、すでに撫子戦姫自身に変わっているのだ。
 
「さて、アルファの実験データから得た成果を、あなたで試させてもらいましょうか。まずは催淫ガス」

 エロフェッサーの左手が、ジェニスの鼻先に突き付けられる。
 機械の指の先端から、ピンク色の煙が猛烈に噴きつけられた。まともに吸い込む。
 ジンジンとした痺れが、脳に、そして胸や下腹部に急速に広がっていく。心なしか、果実のように豊満に膨らんだ乳房が、さらにムチムチと張っていく気がする。
 
「けほッ! けほけほッ! ……ぅくッ……!! ふぁ”あ”ッ……ああ”ッ!!」

「神経伝達が、とくに快感に対する反応が敏感になるガスです。そしてこちらは、強壮強精の媚薬ですぞ」

 続けて向けられたエロフェッサーの右手は、カチャカチャと変形して注射器の形となった。
 逃げることのできないジェニスの首筋に、ブスリと先端の針が突き刺さる。
 
「くああ”ッ!! あぁ”ッ……!! ふぅああああ”あ”あ”ッ~~~ッ!!!」

「おやおや、予想以上に効果がでていますね。アルファよりも激しい反応を示している。元々の性欲が強いのかもしれませんな」

 薪をくべられたかのように、子宮の奥底がアツくたぎってくる。
 下腹部からの熱が広がり、全身が蕩けていきそうだった。火照る。アツくてたまらない。ガスの効果で、全身の皮膚が性感帯になったところに、さらにこの高揚。
 ぐんぐん高まる内圧と熱を放出するには、艶っぽい喘ぎをジェニスは漏らさずにいられなかった。
 一直線に磔にされた肉感的な肢体を、無意識のうちにモゾモゾと震わせる。己の武器が変形したディルドゥを、内股を擦り合わせてズラそうとする。
 
「ふむ。もはや子宮がグツグツですな。オルガスムスの達成比類率118%……なんと100を越えている。本来ならとっくにイっているところを、ムリヤリ我慢しているというわけですか」
 
 撫子戦姫の懊悩は、エロフェッサーの右眼のスコープにより見透かされているようだった。
 二体の機械生命体が、ジェニスの左右の乳房にそれぞれ近づく。
 強化スーツ越しにもくっきりと浮かび上がった乳首を、エロフェッサーの舌がペロリと舐め、ドエロイドの指がバチンと弾いた。
 
「ひぁ”うぅ”ッ!!」

 あられもない嬌声が、ジェニスの口を割って出た。
 ブジュッ! と霧吹きのような音が股間から漏れ、模造ペニスが愛液に濡れる。ポタポタと半濁の雫が、金属棒の先から滴り落ちた。
 
「ほほ、ほ。呆気なかったですな。我慢しても所詮はムダなようです」

 一度ダムを決壊させたジェニスの蜜壺は、脆かった。
 とめどなく、女の汁が溢れ出る。エロフェッサーの『研究成果』の前に、芸術的なバランスで造られた肢体は官能に染まり切っている。
 膣に埋まった金属棒がバイブをさらに激しくし、エロフェッサーとその助手は丸々と実ったバストを乱暴に揉みしだいた。
 
「ふぅ”ああ”あ”あ”ぁ”ッ~~~ッ!! う”ぇああ”ッ!! はあああ”あ”あ”ぁ”ッ―――んんッ!!」

 悩ましげな悲鳴と、ブシュウウウゥッ!! と潮吹く音色が、無人の街にこだました。
 
 
 
 5、
 
 
『おお、イっちゃったぞ、ジェニスちゃん!!!』

『ジェニス弱ええwww それ以上にエロwww』

『いいぞエロフェッサー、もっとやれ』

 街に人影がなくても、地球人の心の声が磔のジェニスには聞こえてくる。
 ビルの壁に設営された巨大モニター。ネット配信されている生中継の画像に、ユーザーの書き込みが次々と流れてくるからだ。容赦ない『感想』は、否応なく動けぬジェニスの瞳に飛び込む。
 
 エロフェッサーが自分たちに危害を与えないと知った地球人たちは、すでに完全な視聴者としてこのショーを愉しんでいる。
 とても現金で、辛辣な彼らの反応は、ジェニスもこれまでに経験済みのものだった。ある意味で慣れているし、覚悟もしている。
 
 だから、心を抉るナイフの切れ味にはある程度耐えることができた。地球で闘う戦姫にとって、これは宿命。
 しかし、揶揄のコメントが視界に入り、己の痴態がモニターに大写しになるたびに……なぜだろう?
 ドキドキと高鳴るジェニスの心臓はさらに心拍数をあげ、下腹部の奥がキュンと疼く。蕩けそうに火照った肢体が、もっと桃色の熱を帯びていく。
 
「はあッ、はあッ、はあッ……!! ぅああ”ッ……!! い、いやぁ”……ッ!!」

「ん? 130……145……ほほう、これは面白い。イった直後だというのに、オルガスムスの数値が上昇していますな。ジェニス、あなたまさか、絶頂の瞬間を地球人に見られて……?」

「ち、ちがッ!! ちがいッ……ますぅ”ッ!! わ、私ぃ……が……そ、そんな、はしたないッ……!!」

 叫ぶジェニスを黙らせるように、手に持った細長い針をエロフェッサーが突き刺す。
 右の乳房。ぷくりと深紅のスーツに浮かんだ、大きめの乳首に。
 
「あひぃ”ッ!? ひぎゃああああ”あ”あ”ァ”ッ~~~ッ!!!」

 それは、アルファの全身に30本以上突き立てられたものと同じ針だった。
 
「ジェニス、勘違いしないことですぞ。あなたへの実験はこれからが本番です。『色責めによるダメージでどこまでエネルギーを喪失するか』を、まだ調べ切れていませんからな……」

 注射器の形をした右手で、エロフェッサーはジェニスの右胸をまさぐる。
 丹念に撫でるのは、性感のポイントを探しているのだ……と悟った瞬間、乳輪に触れる注射器の感覚にピクンとジェニスは反応してしまった。
 その途端、細長い針が発射され、乳輪の上から深々と埋まる。
 
「へべえ”ぇ”ッ――ッ!! うぎゃあああ”あ”あ”ぁ”ッ―――ッ!!! ア”ア”ア”ッ……!!」

「激痛と快感、両方に襲われる、なかなか斬新な感覚でしょう、ジェニス? よし、ウルトラブレスレットのバイブもMAXまで引き上げますかな」

 ヴィヴィヴィヴィヴィッ……!!
 
 むっちりと張った太ももが揺れるまでに、模造ペニスの震えが強まる。
 ここまでバイブが激しくなると、強引に愛蜜を搾り取られるかのようだ。乱暴に快感が膣穴に注がれ、子宮がビリビリと痺れる。
 催淫ガスと媚薬により、官能の塊となっている撫子戦姫のカラダに、エロフェッサーはより強烈な刺激をさらに上塗りしていく。
 
「へあ”ッ!! ふぇあ”あ”ッ――ッ!! んう”ぅ”ッ~~~ッ!!」

「おっといけません。左の胸にも針を刺すのを、忘れていましたぞ」

「いやあ”ッ!! いやあ”ぁ”ッ――ッ!! も、もうやぁ”ッ……はぁ”う”ッ!! んひゃああ”あ”あ”ッ~~~ッ!!! むねぇ”ッ!! むれぇ”ッ!! みゅれぇ”ッ~~~ッ!!!」

 ピコンピコンピコンピコピコピコッ……!!
 
 赤色のカラータイマーが、激しく点滅する。
 ぶんぶんと首を振り、長い青髪を振り乱して、悶絶するジェニス。
 その絶叫を無視して、エロフェッサーは新たな針をさらに突き刺していく。
 
 左右の太ももに。二の腕に。
 臍の穴に。脇腹、くびれの位置に。
 そして強化スーツ越しに……ぷっくり腫れあがった、クリトリスに。
 
「あぎゃあああ”あ”あ”ぁ”ッ~~~ッ!!! ヒグゥ”ッ!! イクイグヒグゥ”ッ!! イ”ッひゃア”ア”ァ”ッ~~~ッ……!!!」

 ピコピコピコピコッ……!!
 
 枷に拘束された手首が千切れそうな勢いで、ガクガクとジェニスは痙攣した。
 涙と涎を振り撒き、白目を剥く。
 端正な美貌はなお麗しさを損なわず、色で喩えれば紫の色香が喘ぐ表情からたちこめた。
 
「中途半端に昇天されてはデータが正確にとれませんな。永遠にでもイキ続けられるよう、ちょいと細工を施しますぞ」

 合計12本の針を刺されたジェニスに、右目のレンズを光らせたサイボーグが再び右腕を突き付ける。
 注射器の先端が密着したのは、戦姫の下腹部だった。だが、今度は針は発射されない。
 そのまま注射器は、ズブリと子宮に届くまで突き埋められる。
 
「え”ァ”ッ!?」

「女の分泌液が枯れてしまわぬよう、補給して差し上げましょう。これで愛液を垂れ流し放題できますな、ジェニス」

 ドキュドキュと、ジェニスの女性器に滑らかな液体が、注射器から打ち込まれた。
 
 タイミングを計っていたかのように、ドエロイドの6本のアームが磔の肢体に迫る。
 ふたつの乳首。股間の陰唇。その上部の肉豆……ジェニスの敏感なポイントにピタピタと密着する金属の掌。
 アルファをモルモットにして分析結果を得たという『戦姫モード』のバイブが、一斉に6つの箇所から撫子戦姫の肢体を襲う。
 
 ヴヴヴッ!! ヴィ、ヴィ、ヴィ”、ヴィ――ンンン”ッ!!!
 
「ふああ”・あ”ッ!? いはあ”ッ!! ひィ”ぎゃああああ”あ”あ”ぁ”ッ~~~ッ!!! ッめぇ”ッ!! ッんめぇ”ッ~~ッ!! もぉ”お”ッ~~~ッ!!!」

 ブジュッ!! ブジュジュッ!!
 
 ディルドゥを咥えた股間から、激しく飛び散る愛蜜の飛沫。
 だが、本来なら一旦噴射して終わり、のはずの絶頂が、ジェニスの脳と子宮に雪崩となって襲ってくる。エロフェッサーの注射器から送られる液が、膣襞から滲む分泌液を際限なく増やしている。
 
 ブジュウッ――ッ!! ぶしゃしゃッ……!! ブッシャアアアッ――ッ!! ぶじゅじゅッ……!!
 
「お、終わらひゃィ”ッ~~~ッ!!? へぶべぇ”ッ!! ぇ”あああ””ッ!! ……イグッ!! イグヒグゥ”ッ!! で、でるゥ”ッ~~~ッ!! わ、わらしのッ、液がぁ”ッ……どんどんでれしまふぅ”ッ~~ッ!!?」

 ジェニスの足元から、湯気を昇らせた水溜まりが広がっていく。
 戦姫が降らす淫靡なスコールで、街中の道路が浸水していく。
 
「予測通り、急速に光エネルギーを失っていきますな。官能責めによる性的な消耗は、打撃によるダメージと遜色ないほど有効……と。ほほ、ほ。よろしい、満足いくデータが取れましたぞ!」

 ギギ、と音をたてて、元々歪んだエロフェッサーの口がさらに吊り上がった。
 
「では、トドメといきますかな」

 下腹部から右腕を引き抜いたエロフェッサーは、注射器から再びあの針を発射する。
 ピコピコと明滅する、胸中央のカラータイマーに向けて。
 
「へあ”ァ”ッ!!?」

 ガツッ、と結晶体に針が食い込んだ瞬間、痙攣するジェニスの肢体が動きを止めた。
 
「快楽を具現化した光です。あなたたちウルトラ戦姫には、たまらないでしょうな」

 1本増えて13本になった極細の針が、ピンク色の光を一斉に放つ。
 
「あぎィ”ッ!!? ふぎゃあああああ”あ”ア”ア”ァ”ッ~~~ッ……!!!」

 ピコンッ!! …………!!
 
 一瞬、赤々と輝いたカラータイマーは、真っ暗となって沈黙した。
 
 カクン、と青髪を垂らしながら、美しいマスクがうなだれる。高層ビルに拘束された肢体が、ぐったりと弛緩する。
 ぶじゅじゅじゅッ……と、絶え間なく噴射続ける股間の愛蜜だけが、ジェニスの反応の全てだった。
 
 他の、全ての活動を停止したウルトラレディ・ジェニスは、光エネルギーを枯らして絶命していた。
 
「さすがは〝三女神〟のひとりです。この美しき肉体、もっと分析したいところですが……」

 エロフェッサーの右眼が、遥か彼方の空を見上げる。
 チカチカと点滅するレンズは、何者かが近づくのを、感知しているようだった。
 
「あれだけの人数を一度に相手するのは少々リスクが高いですな。一旦引き上げるとしましょう、ドエロイド。なに、心配することはない」

 ボタボタと、いまだ股間から大量の雫をこぼすジェニスを見て、エロフェッサーは呟いた。
 
「何度蘇ろうが、恐れる必要はなさそうですからな。ジェニスで実験するのは、いつでも出来ますぞ」

 淡々とした声だけを残して、二体の機械生命体は宇宙船へと消えていった――。
 
 
 
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| ウルトラ戦姫物語 | 00:05 | トラックバック:0コメント:5
コメント
ちょっと遅くなりましたが…ウルトラ戦姫の新作 http://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ197891.html 発売記念&ご購入いただいた皆様への感謝をこめて、短いですが特別編を作らせていただきました(^^ゞ

以前から構想していたエロフェッサー編です(*´▽`*) とはいえ他のシリーズとは違い、あくまで特別編と同じ扱いでして、余裕ができたときや今回のような御礼の折にふれ、単発的に書いていく予定です。
記念すべき第一弾は、新作のDL作品に登場していなかった戦姫がいいだろう、と思って考えたのですが…やはりこのひとが最適かなと(^^ゞ
もちろん表紙には、原作者らすPさまのイラストを使わせていただきました。この挿絵だけでエロすぎるというw

ちょっといろいろ考えていることもあって、オメガなどの更新は少し遅れていますけど、新たな発表含めしばしお待ちいただければ幸いです。
2017.05.11 Thu 00:06 | URL | 草宗
いつも
いつも楽しくドキドキして拝見させて頂いています。
ところで
キュートの続きは書いて頂けないのでしょうか。
続きを今か今かと楽しみに待っています
よろしくお願いします。
2017.05.12 Fri 02:45 | URL | ファン
>ファンさま
いつも拙作を楽しんでいただき、ありがとうございます。
で、「キュート!」なのですが・・・これは「レッスルエンジェルス」もそうなのですが、「オメガ」や「ウルトラ戦姫」などの連作ものと同時並行で作業しようと挑戦したものの、現実的には時間的に難しく・・・頓挫しているのが正直なところです。
特に「キュート!」に関しては、少し気になる点がでてきましたので、もういっそ、気になる点を改良して、改めて時間確保できてから書き直そうかと考えています。
なにもアナウンスせずに申し訳ありませんでした。

挑戦したものの、思い知ったのはやはりどうしても時間の確保が必要、ということで・・・そのための方法を現在模索し、準備している段階です。
今の仕事をやめ(あるいは減らし)、創作活動できる時間を増やそう、ということですね。以前からずっと、ボクの究極の目標だと言ってきたことですが。

これまではかなり難しい、と感じてきたのですが、最近になって一筋の光明がでてきた気がしますので・・・時間確保が可能になれば、「キュート!」の公開も早くできると思います。
とはいえ、そのためには皆さんからのご支持と支援が必要ですから、今はお願いするばかりです。
できれば今月中にでも、新しい動きについて報告させていただきますので、よろしければご支援とご協力いただければありがたく思います。
2017.05.12 Fri 09:44 | URL | 草宗
>拍手コメントくださった方
ありがとうございます(≧▽≦) 楽しんでいただけたようでなによりでしたw
ジェニスはどうしてもイジメたくなってしまうというか・・・(^^ゞ やられ姿もエロもよく似合いますねw 自分の弱さを気にしているところも含め、まさにピンチになるために生まれたような存在です(∩´∀`)∩

間が空いてしまうと思いますが、今後もエロフェッサーシリーズをよろしくお願いします。
2017.05.12 Fri 23:52 | URL | 草宗
>拍手コメントくださった方
そうですね、確かにこうしてウルトラ戦姫を公開するのは、ちょっとしたサプライズかもしれませんね(^^ゞ
タイミングをみてちょこちょこと発表したいと思いますので、時間はかかるでしょうが他の戦姫もいずれお披露目できるはずですw

小説の場合は読み手の方の想像力をいかに喚起するかも大事になると思いますので、いっそゆだねてしまうのも効果的かなと(^^ゞ
とか言いつつ、いずれアルファ編も書くので、その際に皆さんの想像力に負けてそうで心配になりますが(;^ω^)

新しい試みは、小説の内容よりも創作活動自体についてになります。今月中に発表できればと思っていますが、まずはオメガ0話の最終章ですね(^^ゞ
2017.05.15 Mon 21:48 | URL | 草宗
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