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草宗の書斎

「ウルトラ戦姫物語~七大将軍編~」サンプル③ | main | オメガスレイヤーズ 第0話「破妖の天使」⑦
オメガスレイヤーズ 第0話「破妖の天使」⑧

 11、リロード
 
 
 あの時オメガヴィーナスが流した、大量の鮮血。それによって、フレアミニのスカートやケープが染められたのか?
 そんな妄想が縛姫の脳裏から離れなかった。世に二つとないほどの、麗しき美貌と抜群のプロポーション。オメガヴィーナスの完璧な姿が、再び女妖化屍の前に現れている。
 
 今度は女神ではなく、天使=オメガエンジェルとして。
 
 正体は、妹の四乃宮郁美。だが解せぬ。郁美もまた、半年前にその心臓を止めたはずではないか。
 オメガヴィーナスは死の直前、己が保持する光属性のオメガ粒子を郁美に託そうとした。しかしその最期の願いも、六道妖は叶うことを許さなかった。粒子が宿った黄金のロザリオに、〝オーヴ〟の光線をたっぷりと照射したのだ。光属性のオメガ粒子は永遠に消滅したと、縛姫自身が目の前で見ている。
 

「バカ・・・なッ!! 郁美ッ・・・お前は死んだ! 死んだんだよッ!! ・・・なぜ生きてッ・・・!?」

「不死身なんだよ。郁美も、光属性のオメガ粒子も」

 その名のごとく天使が降臨したかのようなオメガエンジェルに代わり、口を開いたのは聖司具馬だった。
 ほのかに発光する白銀の光天使と、入り口付近の暗闇に佇む黒スーツの男。対照的な両者だが、互いをパートナーとしているのは間違いない。姉のオメガヴィーナスに続き、妹のサポーターも引き受けた、というところか。
 司具馬が半年もの間音信不通であったのは、新たな光属性の最強戦士、オメガエンジェルを誕生させるためであったようだ。
 
「どれだけ足掻こうが、貴様ら妖化屍に光のオメガスレイヤーを滅ぼすことなど不可能、ということだ」

「そんなわけがないッ!! 確かに私は、オメガヴィーナスが死ぬのを見たんだッ!! 光のオメガ粒子もあの時、完全に消滅したはずッ・・・!!」

「貴様らの思惑の範疇を、オメガスレイヤーは大きく超えているんだよ。〝オーヴ〟などにオメガ粒子を消滅させる力はない。せいぜいが・・・」

「ウソはダメだよ、シグマ」

 縛姫の動揺を誘う言葉の数々を否定したのは、誰あろうオメガエンジェル自身であった。
 
「お姉ちゃんは・・・天音は確かに六道妖に殺された。オメガストーンに保存されていた粒子も、あの時完全に消滅したの。私も・・・いったん心臓が止まったのは事実よ」

「脅すだけ脅しておけばいいのに。相変わらず困ったほどに正直なヤツだな、郁美は」

 溜め息混じりに司具馬が苦笑する。
 その様子では、オメガエンジェルの「困ったほどに正直な」性格に、何度か苦労させられた経験がありそうだ。
 
「じゃあなんでお前が生きているんだいッ、四乃宮郁美ィッ!!?」

「あなたたちが嬲ったからよ」

 アーモンド型の瞳を凛と輝かせ、白銀の光天使は縛姫を真っ直ぐ見つめた。
 
「覚えてる? あの日のこと。あなたたち六道妖は、オメガヴィーナスのコスチュームを私に着せて天音に見せつけた。私たち姉妹を同時に苦しめるために。でも、思わなかった? 正体が菌類の一種であるオメガ粒子が、『Ω』の紋章やコスチュームに付着してないわけないじゃない」

 クレーターのごとく潰れた顔が、縛姫も無意識のうちにさらに歪む。
 
 迂闊。なんたる迂闊。
 半年前に戻れるのであれば、オメガヴィーナスの紋章やケープを郁美に装着したバカを断罪したかった。ほんの遊び心からの愚行。あの時戯れに光女神の衣装を小娘に着せなければ、光属性のオメガスレイヤーは二度と生まれることはなかったのに・・・。
 
 郁美と天音は双子と間違うくらいに瓜二つだ。宿主を選ぶというオメガ粒子が、郁美を新たな光属性の破妖師と認めるのはむしろ当然かもしれなかった。
 ならば、郁美が生きていてもなんら不思議ではない。オメガ粒子を得た者は、超人的な筋力と生命力を授けられるのだから。
 
「わずかしか残っていなかったオメガ粒子を、増殖するのに時間はかかったがな。オレたちが半年もの間姿を見せなかった、答えのひとつだ」

 司具馬が補足する。黒ずくめの身体は、変わらず入り口付近で動かずにいる。
 その背後にかくまわれた少年・相沢健人は、頬を真っ赤に上気させ、潤んだ目でオメガエンジェルを見ていた。美の結晶ともいうべき姿を目の当たりにすれば、思春期の男子で惚けない者などいないだろう。魂を抜かれたかのように、その場に立ち尽くしている。
 健人を守るために、司具馬はそこを動けないようであった。
 妖化屍サイドからすれば、むろんそれは歓迎すべき事態といえる。
 
「実際には私の肉体がオメガエンジェルとして完全に復活するまで、2カ月くらいだったけどね。あとはリロードするのに手間取っちゃった。その間、亜梨沙や他のみんなには負担をかけてしまって・・・」

「? ・・・リロード?」

「知らないの? オメガスレイヤーが様々な技を操るには手順が必要なのよ。私も光ならなんでも自由に扱えるってわけじゃないわ。そのためにはリロードが必要で・・・」

「郁美。それくらいにしておこう」

 今度はハッキリと溜め息をついた後で、司具馬が言った。
 
「敵にわざわざ情報をくれてやらなくてもいい。縛姫はお前が葬るべき妖化屍だ」

「あー、ゴメーン。つい喋りすぎちゃった」

 苦笑いを浮かべながら、オメガエンジェルは舌を小さくペロリと出した。
 神々しいまでに美しく、一切の隙もなかったオメガヴィーナスなら、絶対に見せることのない表情であった。そっくり同じ美貌の持ち主なのに、この妹は随分くだけている。悪くいえば、軽い。
 逆にいえば・・・嫉妬で狂おしくなるほど、可憐でチャーミング。
 
「ッ・・・!! 随分ッ・・・明るいじゃないか。お前は姉の、オメガヴィーナスの敵討ちに来たんじゃないのかいッ!?」

「そうだよ。私はあなたたち六道妖が、憎くて憎くてたまらないわ」

「その割にはヘラヘラとッ・・・」

「涙はとっくに枯れただけだよ」

 カツカツと、白銀のブーツを鳴らしながらオメガエンジェルは歩を進める。顔の窪んだ女妖化屍に向かって。
 
「お父さんもお母さんも、そして天音も。みんな私の目の前でお前たち六道妖に殺された。私はもう、ひとりよ。どれだけ泣いても家族は戻ってこない」

 歩みを止めない光天使は、先程までの可憐さがウソのような厳しい表情で言った。

「明るくしなきゃ、やってられない」

「ィ”ッ・・・!! このッ・・・小娘ェッ!!」

 素早く縛姫は視線を捕囚のオメガスレイヤーに向ける。バレーネットに緊縛した風と空の戦士は、限界を迎えたのか、ぐったりと脱力して動かない。
 距離としては縛姫の方が圧倒的に近かった。
 オメガエンジェルの実力がどの程度か。わかるわけもないが、あのオメガヴィーナスですら破妖師になりたての頃は未熟であった。利用できる人質がまだふたりもこちらの掌にある以上、有利に闘うことは十分できるはずだ。
 
 オメガペガサスの膣穴には、〝オーヴ〟の鉱石が埋まっている。
 妖化屍にとっても触れるのは危険な物質。しかし縛姫は恐れなかった。多少のリスクはものとせず、オメガスレイヤーの弱点を手に入れるため、ペガサスに向かって走り寄る。
 
「〝威吹(いぶき)ッ〟!!」

 白銀と深紅のコスチュームに身を包んだ光天使は、両手を腰に添えると唇を尖らせた。
 息を吹く。ただ、それだけの行為。しかし光属性のオメガスレイヤーがやれば、妖魔を滅する必殺技に変わることを縛姫は知っている。
 
「うおおッ!? ・・・ぐッ、ぬううゥッ――ッ!!」

 体育館に、突風が起きた。
 身体ごと吹き飛ばされそうな強風。懸命に踏ん張りながら、縛姫は自身の髪を一気に伸ばす。オメガエンジェルが吹いた吐息は、単に勢いがあるだけではない。アンデッドを滅ぼす聖なる力が含まれているのだ。
 
 ブチブチと音をたてて、呆気なくバレーのネットが千切れていく。
 〝妄執〟の縛姫が作ったネットは、緊縛力では最強を誇るものだ。それが容易く切れていく。黒縄のようなネットはボロボロと崩れ、ふたりの虜囚ヒロインがごとりと床に落ちる。
 
「このッ・・・威力はッ!? オ、オメガヴィーナスと・・・ほとんど同じッ!?」

 ウェーブのかかったオレンジの髪を、縛姫が最大限まで伸ばしたのは攻撃のためではなかった。防御のためだ。
 ぐるぐると、自身の身体に巻き付ける。蚕や蓑虫のように、我が身を守るため包みこむ。
 
 ビュゴオオオオッ!! ・・・バシュッ!! バシュッ!! バシュウッ!!
 
 オメガエンジェルが生む猛烈な突風に、次々と縛姫をガードするオレンジ髪の繭が削れていく。負けじと女妖化屍は、内部で髪を伸ばし続ける。
 〝威吹〟vs髪の防御。こうなれば、どこまで続くかの勝負だった。
 しかし、息を吹き続ける、しかも勢いよく、というのは決して長時間できる行為ではない。トレーニング次第である程度長くできるだろうが、オメガエンジェルはその点に関して、常人の域を越えないようだった。
 
 縛姫の本体に届く前に、聖なる突風は止んでいた。
 嵐が収まった後は、腰に両手を添えたままのオメガエンジェルが、ひとり仁王立ちしている。
 
「ゼハアッ!! ハァッ!! ハァッ!! ・・・こ、小娘ぇッ!! 最初からそいつらを取り戻すためにッ・・・!?」

 長く伸ばした髪のほとんどを風で削られた縛姫は、気がつけば体育館の壁際まで吹き飛ばされていた。
 肉体を包む髪のガードでダメージは避けたが、遠く運ばれることまで阻止はできない。
 結果的に、死の直前まで嬲り責めたふたりの少女は、オメガエンジェルに奪い返されていた。力なく横たわるカルラとペガサスが、白銀の光天使の足元に転がっている。
 
「違うよ。縛姫、お前を殺すために・・・私は〝威吹〟を放った」

 輝くような美しき乙女は、躊躇いなく「殺す」という単語を口にしていた。
 
「半年前はあなた、そんな防御技使ってなかったよね? 残念だな、成長したのは私だけじゃないってことか」

 燃えたぎる怒りのなかで、縛姫は忌々しい小娘の言葉を認めざるを得なかった。
 その通りだ。オメガヴィーナスを処刑する一方で、その強さに縛姫は震えた。いざという時のため、自身も実力を高めねば、とてもオメガスレイヤーとの殺し合いに生き残れぬと自戒した。
 
 その「いざ」が、こんなに早く訪れるとは。
 以前の縛姫ならば、今の〝威吹〟で絶命していてもおかしくなかった。
 オメガヴィーナスの妹・郁美は・・・天性のセンスがあるのかもしれなかった。姉の天音は初めての闘いの時、ここまで容赦ない攻撃が出来ただろうか? 攻撃と同時に仲間を救出するという、ベストな技を選択できただろうか?
 
 オメガヴィーナスと比べたら、ずっと〝軽い〟印象のある妹だが・・・もしかしたら、この小娘を確実に殺さなかったのは痛恨すぎるミスだったのかもしれない。
 
「あなたの切り札・・・〝オーヴ〟の塊はこの中にあるんでしょう? 渡さないから。悪いけど、容赦なく私はあなたたち六道妖を滅ぼすから」

 床に転がるオメガペガサスの股間を指差しながら、白銀の光天使は言った。凛とした視線は、真っ直ぐ壁際の縛姫を射抜いている。反オメガ粒子さえなければ、あなたなんて怖くない、と言わんばかりに。
 
 女妖化屍は安堵した。
 底知れぬものはあるにせよ、やはり所詮は二十歳そこそこの小娘。
 初めての実戦=殺し合いの場では、あまりに隙が大きかった。
 
 ドシュウゥッ!!
 
「・・・え?」

 突如背中を襲った衝撃に、オメガエンジェルは声を漏らした。
 ゆっくりと振り返る。アーモンド型の瞳に飛び込んできたのは、上半身裸の、相撲取りのような巨体だった。
 
「グハッ・・・グハハハァッ!! 油断しすぎなんじゃねえかッ、オメガエンジェルとやら!? まさかオレもいたことを忘れてたんじゃないだろうなッ!!」

 〝跳弾〟の剛武が大口を開けて笑う。
 その右手に握っているのは、先端が砕けた紫水晶のバトン。ペガサスの陰毛を剃るカミソリを作るため、縛姫がバレーの支柱に叩きつけたものだった。先が割れて鋭利になった棒状の紫水晶を、剛武は素早く拾い上げたのだ。
 
 その、ギザギザと尖ったバトンの先端が、オメガエンジェルの背中に埋まっていた。
 深紅のケープにじっとりと濃い沁みが広がっていく。光天使の流血。火箸を押し付けられたような熱さが、背中に疼くのをオメガエンジェルは感じた。
 
「・・・忘れてた・・・な・・・ッ・・・そうか、六道妖だけじゃなかったんだっけ」

「うああッ・・・!! さ、刺されたッ!! あの新しく現れた女のひと、刺されちゃいましたよッ!?」

 思い出したように叫んだのは、出入り口付近で固まったままの相沢健人、オメガスレイヤーと妖化屍の闘いに巻き込まれた高校生だった。背後に佇む黒スーツの男、聖司具馬に向かって震えた声をあげる。
 白銀の光天使の、あまりの麗しさに見惚れていたのが、突如恐ろしい現実に呼び戻された、のだろう。
 
「心配ない、少年」

 落ち着いたトーンで司具馬は応えた。不安に駆られる健人を、落ち着かせるかのように。
 
「郁美に・・・オメガエンジェルひとりに任せて問題ないと判断したから、オレたちはここに来た。あの程度では白銀の光天使には通用しない」

「・・・簡単に言わないでよ、シグマ。尖った凶器で刺されたら、痛いに決まってるじゃない」

 振り向きざま、オメガエンジェルは背後の剛武に右腕を振る。手の甲を叩きつけよう、というバックブローの攻撃。
 轟音と旋風伴う一撃を、〝跳弾〟は避けていた。一気に後方へと跳ぶ。
 そのままゴム毬のような肉体の性質を生かし、剛武は縦横無尽に飛び回った。壁に、床に、天井に、ぶつかるたびに角度を変え、凄まじい速度で移動する。
 〝跳弾〟という異名がなぜつけられているのか、その答えはこの動きにあるのだろう。
 
「こ、これじゃあッ・・・どこから攻撃されるのか、わからないッ・・・!?」

 健人が驚愕の叫びをあげるのも無理はなかった。
 その台詞を裏付けるように、オメガエンジェルは前後左右、さらには上下にすらも顔を動かし、飛び回る巨体を視線で追っている。決して狭いわけがない体育館であっても、剛武の移動スピードにかかれば、壁から壁へは一瞬のうちだ。
 
 ドガアアアアッッ!!!
 
 真正面から飛び込んできた剛武の巨体を、オメガエンジェルは両手で受け止めていた。
 
「大丈夫だよ。ゼンブ、ちゃんと見えているから」

 平然と呟く美乙女に、焦りの色はまるで見当たらなかった。
 剛武が突き出した右腕、その手首付近を、左右の掌で捉えている。元力士の分厚い手には、紫水晶のバトンが握られていた。尖った先端は、胸の『Ω』マークから10cmほど離れた場所で食い止められている。
 
 〝跳弾〟が飛ぶ軌跡だけではなく、どんな攻撃を仕掛けてくるか、さえ白銀の光天使には見えていたのか。
 美しい外見だけではない。その強さも、オメガエンジェルは飛び抜けているのかもしれない。
 そう相沢健人が安堵しかけた、その時だった。
 
「バカが。やっぱりお前は油断してるようだなッ!!」

 剛武の右手、その手首から先がギュウンッ、と伸びる。
 全身の至るところがゴムのごとく伸縮する妖化屍、それが〝跳弾〟の剛武。
 鋭く尖った紫の結晶が、豊かに膨らんだ胸の中央、黄金の『Ω』の紋章に突き刺さる。
 
 ザグウゥッ!! ・・・ググッ・・・!!
 
「んぐぅッ!? ・・・ッ!! ・・・ァ”ッ・・・!!」

「オ、オメガエンジェルッ・・・さんッ!?」

 ビクンッ、と大きく震えた光天使が硬直する。
 悲鳴にも似た叫びを健人が漏らしてしまったのも、無理はなかった。紫水晶の一撃は明らかに効いていた。
 白銀のスーツと深紅のケープを纏った美麗の乙女が、スーパーヒロインと呼ぶのに相応しい超人であることは間違いない。そのスピードやパワーは、確かに健人の度肝を抜く凄まじいものだ。とはいえ、ナイフのように鋭利な結晶で胸を刺されて平気でいられるわけがない。
 
「殺せぇッ!! 殺してしまうんだよッ、剛武! 遊ばなくてもいい、そいつはとっとと殺してしまうんだッ!!」

 壁際の女妖化屍が叫んだ。かつて光属性のオメガスレイヤーを処刑した縛姫には、そのしぶとさと脅威が骨の髄まで身に染みている。
 恐らく・・・いや、確実にオメガエンジェル=四乃宮郁美にとって、この闘いは初めての実戦のはずだった。能力は姉のオメガヴィーナスと同等だとしても、経験値の浅い今は脆い。闘いに慣れる前に、なんとしても始末しておくべきだ。
 
 紫水晶は、妖化屍であろうとオメガスレイヤーであろうと、それらの強靭な肌を傷つける。白銀の光天使もまた、胸を抉られた激痛に苛まれているだろう。しかし、その程度で息絶えるほど、オメガ粒子の持ち主は脆弱ではない。
 
「カルラ同様、お前のバストも潰してやろうッ!!」

 ゴムの性質を利用し、剛武は右腕をバネのように螺旋に捻じり、左腕はドリルのごとくギュルギュルと旋回させた。
 それぞれ異なる形で限界まで捻じるや、左右の掌をオメガエンジェルの乳房にピタリと当てる。満員電車のなかで、変身前のカルラを事実上敗北に追いやった、同じ技。
 
 ズドドドォッ!! ドドオォッ!! ドドドドドォッ!!
 ギュリギュリギャリッ!! ドギャギャッ!! ギュリリリィッ!!
 
 スプリングの効いた右手が、伸縮を繰り返して連続でオメガエンジェルの左胸を撃ち潰す。
 同時にドリルと化した左手は、Dカップはある膨らみを捻じれが入るほど深く抉り回した。
 
「きゃああ”ッ!? があぁ”ッ、アア”ッ!! ・・・んはぁああ”あ”ッ―――ッ!!」

 左の乳房に連打を撃ち込まれ、右胸は貫かれるかと思うほどに拳が食い込んでくる。
 恥も外聞もかなぐり捨てた悲鳴を、オメガエンジェルは叫んでいた。苦悶に歪む表情は、わずかに頬が赤らんでいる。痛みだけではない感覚が、乳首を頂点として沸き起こっているのがわかる。
 
「グハハハッ!! やはり性への攻撃には弱いか、オメガスレイヤーッ!! お前の『純潔』も散らせばさらに・・・」

「うああ”ッ、さ、さわらッ・・・ないでぇ”ッ――ッ!!」

 オメガエンジェルのその反応は、反撃というより条件反射に近かったかもしれない。
 胸に触れられる、その嫌悪感と怒りとで、光天使は右手をフルスイングしていた。
 渾身の平手打ち。俗にいうところの、ビンタ。
 
 バヂイィィッ!! と乾いた音が剛武の左頬で炸裂する。
 
 オメガエンジェルの打撃の威力で、元相撲取りの巨体は首から腰まで幾重にも螺旋を描いて旋回した。
 
「おぶぅ”ッ・・・!! ぶおオオオ”ッ・・・!!」

 ギュオオオオオオッ!!!
 
 〝跳弾〟が大きく吹っ飛ぶ。捻じれの入った上半身が、プロペラのように回転しながら元に戻っていく。
 奥の壁に叩きつけられ、力なく床に落下した時、ようやく剛武の捻じれは解消された。
 
「はぁっ、はぁっ・・・もうッ!!」

 バストを隠すように両腕で自らを抱き締めたのは、胸の痛みゆえか、乳房を弄ばれた気恥ずかしさゆえか。
 いずれにせよオメガエンジェルが、性的な攻撃を受ける嫌悪感で、責め苦から脱出したのは間違いないようだった。
 
「郁美、リロードした技を使え。もう様子見は必要ない」

「・・・そうだね。確かに油断するのはよくないって、勉強になったし、ね」

 リロード。
 先程も聞いた、馴染みのない単語を縛姫は再び耳にする。リロード。それは一体、なんのことだろうか? 四乃宮郁美がオメガエンジェルとして復活するまでに、そのリロードに手間取ったと言っていたが・・・
 
「教えてあげるわ、縛姫。どうせあなたも、すぐ倒すしね」

 血に濡れた両手を真っ直ぐ突き出しながら、オメガエンジェルは言った。
 その視線の先は、あくまで剛武に向けられている。ゆっくり立ち上がる巨漢を見つめながら、光天使は壁際の人妖に語っていた。
 
「いくら私が光属性のオメガ粒子を得たからって、なんでも自在に光を操れるわけじゃないわ。〝威吹〟のような技は、あらかじめ決められている」

「・・・決められている、だって?」

「そう、オメガ粒子にね。私や天音が〝威吹〟を使えるのは、元々光属性のオメガ粒子に『登録』されていたからよ。呪文を唱えると魔法が発動されるように・・・ある一定の動作や精神の推移をすることで、『登録』された技は使うことができるの」

 オメガヴィーナスとこの妹が、同じ〝威吹〟を放つのは・・・宿るオメガ粒子が同じだからか。
 なぜオメガスレイヤーは、奇跡ともいうべき数々の異能力を操れるのか? その秘密を初めて縛姫は知った。光や風、空の属性といっても、出来ることと出来ないことがあるのは、そのためだったのだ。
 
「『登録』された技の引き出し方は、内なるオメガ粒子の声に耳を傾けるしかない。幾千、幾万回と試行錯誤を繰り返して・・・私たちはようやく技の発動法を覚えるの。それがリロード。オメガ粒子への親和と努力の積み重ねだけが、新たな技のリロードを可能にする」

 鮮血を撒き散らしながら立ち上がる剛武に、オメガエンジェルは両手の照準を定めた。
 乙女のしなやかな指は、ハートの形を作っている。両手が作ったハートの奥に、咆哮する力士体型が見えている。
 
「オメガッ・・・エンジェルゥッ~~ッ!! ふざけてんのかァッ、てめえッ・・・!! なんだァッ、そのハートはよォッ!! なんの冗談だァッ!?」

「天音には出来なかった・・・だけど、私はリロードできたのが、この技よ。名付けて〝ディドィット〟。剛武、私はこれであなたを倒すよ」

「ゴムの身体を持つオレにッ!! てめえらオメガスレイヤーの技なんて通用しねえッ!! カルラもペガサスも、結局オレには勝てなかったぜッ!?」

 突き出した両手の照準があっていることを示すように、剛武の胸中央にピンクのハートが描かれている。
 途端、〝跳弾〟は再び飛び始めた。高く跳躍し、猛スピードで天井から壁へと移動する。素早く動くことで、ハートの照準を外す。
 
「グハハハッ!! のうのうと光線を撃ち込まれるのを待っているとでも思ったのかッ!? この速度についてこられるかァッ、光の天使さまよォッ!? 先程のように突っ込んでくるのを受け止めるのとは、ワケが違うぞッ!!」

 動き回る的を射るのは難しい。オメガエンジェルも神速の世界の住人とはいえ、飛び回る〝跳弾〟を仕留めるのは簡単ではないと、縛姫も思った。
 先程のリロードの話に嘘がなければ、オメガスレイヤーは時間が経つほど技を習得する可能性が高くなる。やはり今、すぐにでも白銀の光天使を消すべきだと、改めて人妖・縛姫は決意を固めた。
 
「―――・・・え?」

 呆気にとられて声を漏らしたのは、縛姫や剛武だけではなく、見守る健人も同じだった。
 オメガエンジェルがくるりと180度反転し、すたすたと縛姫に向かって歩き始める。
 まるで飛び回る剛武を無視していた。もはや用はない、と言わんばかりに。いつ背後を襲われてもおかしくはない、無防備。
 
「さあ、次はあなたの番だよ、縛姫」

「てッ・・・めえッ~~ッ!! どういうつもりだァッ――ッ、オメガエンジェルゥッ~~ッ!? 今更怖気づきやがったかァッ!?」

「これが私の必殺技〝didit〟。『I did it.』・・・敢えて訳せば〝やっちゃった〟、てところかな」

 可憐ですらあるオメガエンジェルの言い方に、飛びながら激昂する剛武。
 だが、そんな怒りは一瞬のうちに消えることになる。
 剛武自身の、命とともに。
 
 ボオゥゥンンッッ!!!
 
「ッ!!?」

 天井付近まで飛び上がった〝跳弾〟の巨体が、突如火を噴く。
 胸が灼熱の光に包まれ、噴火口のなかのマグマのように溶解していた。グツグツと、沸騰している。広がる炎の中心は、先程オメガエンジェルが向けたピンク色のハートの照準。
 
 眼に見える、ということは、反射した光が瞳の網膜に飛び込んでくることである。
 つまり、本当に光の速さで撃ち込んだ光線は、眼に見えたときには『もう終わっている』。見えた時には、すでにその光線は届いた後なのだ。
 
「〝アイ ディドィット〟・・・すでに私の光線は『撃ち終わっている』わ。剛武、あなたがピンクのハートを見た時には・・・必殺光線はあなたを射抜いた後だった」

 速度を失った〝跳弾〟の巨体が、天井高くから力なく降ってくる。
 ボボボンッ、と肉と脂肪が爆ぜ、燃えながら消し飛んでいく。すでに胸部が焼け崩れ空洞になった巨体は、黒煙のなかでバラバラと分解していった。
 
 オメガエンジェルの背中で、深紅のケープが強くたなびいた時、とっくに絶命していた〝跳弾〟の剛武は床に激突して粉々に砕けた。
 
「ィ”ッ・・・!! お、おまッ・・・お前はッ・・・!!」

「なによ、縛姫。とっくに自己紹介は済ませたよね? それとも一度は殺した私のこと、まさか忘れたとか言わせないから」

 軽妙な口調とは裏腹に、白銀の光天使の表情は凍えるほどに冷徹で、ゾッとするほど美しかった。
 
「私がオメガエンジェル。かつての光の女神、オメガヴィーナスの妹、四乃宮郁美。もう一度言うよ。あなたたち妖化屍を滅ぼし、仇を討つため・・・私は戻ってきたわ。この地獄に、ね」



 12、アナザー・ワン
 
 
 激闘が終わった体育館のなか。聖司具馬は、ふぅ、とわずかに安堵の吐息をついた。
 
 間もなく『水辺の者』の救護班が、駆け付けるだろう。カルラとペガサス、ふたりへの救命措置とともに、学校側への根回しもしてくれるはずだった。体育館の修繕費用は数百万単位にのぼるだろうが、古くより退魔稼業を営んできた『水辺の者』の金庫が相当に潤っていることを司具馬は知っている。
 
 黄色と紫、ふたりのオメガスレイヤーへの応急処置はとりあえず済ませた。水城菜緒も含め酷い状態ではあるが、生命の危機は脱したといっていい。床に直接寝かせた3人の少女たちを、相沢健人が介抱している。
 薄暗い体育館のなか、立っているのは司具馬と、白銀と深紅のコスチュームを纏ったオメガエンジェルだけであった。妖化屍どもの姿は、全ては悪夢であったかのように消え去っている。
 
「本当に、大丈夫なのか?」

 手当する、という司具馬の申し出を頑なに断り、自分自身の手で胸の傷を治療した光天使は無言でコクリとうなずいた。
 金色の『Ω』の紋章が、こびりついた血で汚れている。胸の中央と背中には、紫水晶で刺された際の穴が開いていた。出血はすでに止まっているようだが、二十歳そこそこの乙女が傷を受けたと思うとやはり痛々しい。
 
「完勝、と呼ぶには抵抗がある・・・それなりに手痛いダメージを受けたはずなんだがな」
 
「平気。オメガ粒子で回復力もあがってるからね。ちょっと刺されたくらいじゃ、別に・・・」

 台詞の途中で、プラチナブロンドの美乙女はガクンと膝から崩れ落ちる。
 意地っ張りめ、やっぱりそうか――危惧した通りの展開に、司具馬の脚は素早く反応していた。
 床に昏倒しかけたオメガエンジェルの肢体を、黒スーツの男はがっしりと胸で抱き止めた。
 
「・・・ご、ごめん。・・・ありがと」
 
「ったく、困ったコだな。全然平気じゃないようだが」

「へ、平気だってば。ちょっとクラっときただけっていうか・・・貧血? そう、貧血みたいなものよ」

「バカがつくほど正直なくせに、こういう時だけはウソをつく。包帯を巻くのだって、自分ではやりにくかっただろうに」

「だってシグマにやってもらうわけにはいかないでしょ? ・・・その・・・む、胸がほら・・・み、見えちゃうじゃない!」

 ハグをするかのように。真正面から抱き合った姿勢で、オメガエンジェルと司具馬は話し続ける。
 傍目から見れば、それだけでもただならぬ関係に映るというのに、光天使の透き通るような頬には赤みまで挿してきた。
 
「あ、あの~・・・おふたりは付き合っているんですか?」

 健人が思わず口を挟んでしまったのも無理はない。
 
「え? あはは。イヤだな、そんなわけ、ないじゃない」

 柔らかな微笑を浮かべたオメガエンジェルが、パッと司具馬の胸から離れる。
 つい十数分前に妖化屍に見せていた凛々しさとは、打って変わった表情だった。あの時はゾッとするほど美しかったが、今はキュートとか可憐とか、もっと身近なカワイらしさに満ちている。
 ただその笑い声がやけに乾いて聞こえたために、健人はわずかな違和感を覚えた。
 
「そんなわけ、ないでしょ。シグマにはとっくに、永遠の愛を誓った相手がいるから」

「少年、健人くんといったな。ひとつ、頼みがあるのだが」

 オメガエンジェルとは対照的に顔色ひとつ変えない司具馬が、今思い出した、とでもいった様子を口調に含めて言う。
 
「ペガサスの股間に埋まった緑色の鉱石を、抜き取ってくれないか。その石のせいで、彼女の回復が覚束なくなっている」

「え、ええ~ッ!? こ、このなかのッ・・・をですかぁッ!? 男のボクがッ?」

「仕方ないだろう。極力、郁美に〝オーヴ〟を触れさせたくはないのでね。大丈夫だ、萌音くんも意識を失っている。秘所に指を入れられたところで、気付きなどしないさ」

 それなら自分がやればいいのに・・・
 口を突きそうになる不満を、健人はなんとか飲み込んだ。格別身体が大きい、というわけでもないのに、葬儀屋のような格好をした男からは、言いしれぬ圧力が感じられる。
 
 ドキドキと申し訳なさとが混ざった異様な緊張のなか、健人は横たわるオメガペガサスの股間に右手を伸ばす。
 脳が茹で上がってしまいそうだった。作業を開始する健人の耳には、近くにいるはずの光天使と司具馬の会話が、ほとんど素通りして出ていく。
 
「・・・一気に天音の仇を取れるかと思ったんだけどな。結局六道妖のヤツらは倒せなかったね。残念」

「いや、初陣としては上出来だった。天音も初めてオメガヴィーナスになった時には、慣れぬ戦闘で苦戦を強いられたものだ。妖化屍のひとりを葬り、カルラとペガサスを救出できたのは十分以上の成果だろう」

 オリジナルの必殺技〝didit〟で剛武を消滅させた後、オメガエンジェルはガクガクと震える人妖・縛姫に歩み寄っていった。
 狙われた瞬間、『撃ち終わっている』。そんな〝didit〟の威力に、縛姫は恐れを為したに違いなかった。もうひとりの六道妖、餓鬼妖・呪露もいまだバラバラに分散したままで、とても光天使を襲えそうにない。実力の差を目の当たりにし、〝妄執〟の女妖化屍も死を覚悟したことだろう。
 
「ま、〝didit〟は発射の段階に入ったら無敵だけど・・・一発撃つのに時間がかかっちゃうのよね。確かにあのとき縛姫を倒すのは、ホントは簡単なことじゃなかったんだけど」

「なにしろ君は戦闘に関してはズブの素人だ。リロードできたのは〝didit〟と〝威吹〟、それに〝ホーリー・ビジョン〟だけで、あとはただパワーとスピードに任せて暴れるだけだからな。まともにやりあえば、恐らく危険は免れなかった」

 最強である光属性のオメガ粒子を、確かに四乃宮郁美は受け継いだ。
 しかしオメガエンジェルとしては覚醒したばかりで、決してその闘い方は安心して見られるものではない。単純にいえば、怪力と超スピードと鋼鉄の肉体を持っているだけで、郁美はほとんど普通の女子大生と変わらないのだ。
 だから司具馬は、まずは妖化屍の連中を驚愕させることに主眼を置いて、今回の戦闘プランを郁美に与えていた。脆さが露呈する前に、測り知れない強さがあると印象づけるために。
 
 結果的に、司具馬の策は見事に嵌り、注意すべき初めての戦闘をオメガエンジェルは乗り切ることができたのだ。
 
「時間があれば、君はもっと闘いに慣れ、リロードする能力も増える。オメガエンジェルが本当に強くなるのはこれからだ」

「・・・翠蓮さん・・・ううん、〝輔星〟の翠蓮が現れたのも、私たちにとってはラッキーだったってことになるのかな」

 縛姫に近づくオメガエンジェルの前に、体育館の上窓を破って飛び込んできたのは、かつて『水辺の者』に所属していた裏切者であった。
 ハーフアップにした髪も大きく丸い瞳も花弁のような唇も・・・全ての色素が白色人種のように薄い。にも関わらず、そのスレンダーな肢体を包むのは、淡いすみれ色の和服だった。
 
 幽玄の美が漂う女妖化屍は、体育館の床に着地すると同時に、分厚い空気の壁をオメガエンジェルとの間に作り上げていた。空気を自在に固めるのが、〝輔星〟の翠蓮の特技なのだ。
 壁の存在を瞬時に察したオメガエンジェルは、歩みを止めて、かつての仲間と見つめあった。
 
『お久しゅう御座います、郁美さま。まさかいまだ息災であったとは・・・翠蓮も嬉しく存じます』

 才色兼備を地でいく女妖魔は、緩やかに微笑んだ。
 本心からの言葉か、ある種の宣戦布告であるのかは、駆け引きが得意とはいえない光天使にはわからなかった。
 
『骸頭さまが憂慮されておられたので、様子を伺いに参ったのですが・・・よいものを拝見できました。よもや天音さまの妹君が、光のオメガスレイヤーを後継されるとは。虎狼さまに無理をいって、足を延ばした甲斐が御座いました』

『・・・邪魔する気なの? 〝輔星〟の翠蓮』

 和服美女に向けるオメガエンジェルの視線が、鋭くなる。
 まだ人間であったころの翠蓮とは、郁美も面識がないわけではない。『水辺の者』を構成する『征門二十七家』のなかでも名門の出身で、京大卒業の紛れもない才媛。それでいてひとをたらしこむような柔らかい雰囲気に、エリートとはかけ離れた親近感を感じたものだった。
 
 油断ならないひとだ、とは思ったものの、嫌悪感は不思議となかった。
 そんな相手と敵として闘わねば・・・厳密にいえば、命の奪い合いをしなければならなくなることは、21歳になるまで普通に暮らしてきた郁美にとって決して容易な決断ではない。
 
『この場は引かせて頂きます。風と空、ふたりのオメガスレイヤーを始末寸前で見逃すのは少々惜しくは御座いますが・・・縛姫さまや呪露さまの御命には代えられませぬ』

『翠蓮ッ!! てめえッ、虎狼の性処理袋がでしゃばるんじゃあないよッ!!』

 ハーフと見紛う美女に罵声を飛ばしたのは、助けられた側の女妖化屍だった。
 
『縛姫さま、ここは退散するのが上策で御座います。光のオメガスレイヤーは最強の破妖師であるのが常・・・人妖ともあろう御方が、危うい橋を渡る必要は御座いません』

『てめえごときにッ・・・借りを作りたくないって言ってんだよォッ、この女狐めッ!!』

『それにオメガカルラはともかく・・・紫雲の空天使オメガペガサスのような未熟者は、いつでも容易く抹殺できましょう。我が妹である事実が恥ずかしくなる欠陥品ですから』

 縛姫の怒号を柳のように受け流し、翠蓮は青みがかった瞳で床に転がるオメガペガサスを見下ろした。
 
『あなたのごとき未熟な弱者が、おいそれと顔を出すべき闘いではありませんわ、モネ』

 眼を閉じたままの空天使に、実姉の声が聞こえたかどうかは定かではない。
 だが、その声に含まれた冷たさと、一切の感情が見えぬ凍えた視線に、やりとりを見つめる郁美の方が思わず戦慄した。
 
 闇に飲まれてゆくふたりの女妖化屍を、オメガエンジェルは追わなかった。
 気が付けば、周囲に浮遊していた汚泥の飛沫も、跡形なく消え去っている。〝流塵〟の呪露もまた、退散を選択したのだろう。
 翠蓮の登場が救ったのは、六道妖であったか、オメガスレイヤーであったかはわからないが、こうして白銀の光天使の初めての闘いは、終わりを告げたのであった。
 
「・・・少なくとも、〝無双〟の虎狼がともに現れなかったのは僥倖だろうな。今の郁美があの怪物とやりあうのは危険が過ぎる」

「そういや、天音はアイツといきなり闘うハメになってたっけ」

 5年前の記憶を思い返し、オメガエンジェルは姉の雄姿を脳裏に浮かべた。
 眩い白銀のスーツに、醒めるような紺青のケープとミニスカート。色は青から深紅へと変わったものの・・・あの神々しいまでのヒロインと同じコスチュームを、郁美は今、その身に纏っている。
 
「あの・・・ね。どうかな? 似合ってる・・・かな?」

 自覚できるほど頬を桃色に染めて、ミニスカートの裾をオメガエンジェルは左右の指でつまみ上げた。
 ひらり、と真っ赤な生地が揺れる。なかのアンダースコートが見えそうなギリギリまで、美乙女の白い太ももが露わになった。
 
「このスカート・・・やっぱり短すぎるよね。ボディスーツも身体のラインが浮いちゃってるし・・・闘う衣装としては、ちょっとアレだよね?」

 プラチナブロンドのセミロングを揺らし、光天使は俯く。元々陶磁器のように白い美貌が、桜が色づくように紅潮した。
 
「似合ってるよ。とても」

 普段は感情に乏しい司具馬の声が、やけに優しく郁美には聞こえた。
 
「似合わないわけ、ないだろう。君は天音の、妹なんだから」

 きっと司具馬は、郁美を、オメガエンジェルを、褒めるためにその台詞を吐いたに違いなかった。あるいは、勇気づけるような意味合いもあったかもしれない。
 その優しさが痛いほど伝わるから、オメガヴィーナスの遺志を継いだ妹の笑顔はぎこちなくなった。
 
「・・・そうだよね。私、天音の妹だもんね」

 〝代わり〟扱いをされて、プライドが傷つくのは人間も妖化屍も変わらない。
 そしてもちろん、オメガスレイヤーにおいても、誰かの〝代わり〟とされるのは虚しいことに違いなかった。
 
「そうか。似合ってるんだ。じゃあいいや」

 可憐と美麗を併せ持った美貌の持ち主は、爽やかに微笑んだ。虚しさなど、欠片も見せずに。
 オメガエンジェルであり続ける限り、きっと郁美は偉大な姉の後継者と呼ばれることだろう。それで構わなかった。父と母、そして天音の仇を討つためならば、21歳の乙女は己の全てを差し出すつもりだった。
 
 かつての姉の恋人が、いつまでも姉の影を自分に見ようと、郁美は受け入れる覚悟があった。
 
「私はオメガエンジェルとして・・・六道妖を必ず滅ぼすわ。この命と引き換えにしても、必ず、ね」

 白銀の光天使と六道妖。究極破妖師と妖魔の潰しあいは、これからが本格的な始まりであった――。
 
 
 
 キャバクラ『シーサイド』。蒼碧の水天使オメガセイレーンこと藤村絵里奈が、『我が家』に帰ってきたのは深更のことであった。
 本来の自宅は別の場所にあるが、絵里奈にとってはこの店こそがもっとも心休まる居場所であった。約半年ぶりに戻る場所として、真っ先に足を向けたのも当然といえる。
 
 ブルーの常夜灯に照らし出された店内は、六道妖に襲撃を受けた時とほとんど変わっていなかった。壁や天井の一部が崩落し、割れたボトルの残骸が散らばったままだ。
 あの日。痛恨の敗北を喫し、生死の境を彷徨うハメに陥った闘い以来、店に足を踏み入れた者は誰もいなかったのだろう。界隈一の繁盛店であった『シーサイド』も、休業状態を余儀なくされた。
 
「ふぅ。まずはみんなを、呼び戻さなくっちゃね」

 腰まで伸びた長い茶髪をかきあげて、店のオーナーでありナンバーワンでもあるキャバ嬢は薄く微笑んだ。
 
 病院のベッドで意識を取り戻したとき、絵里奈が真っ先に口にしたのは、同じオメガスレイヤーたちの安否確認であった。
 そこまではよかった。問題なかった。まずかったのは、次に気に掛けた内容だった。
 
『お店の女のコたちは・・・無事かしら?』

 続けて絵里奈は、『シーサイド』に勤務する全スタッフ・キャストに向けて、店をしばらく休む旨とその間の給金について連絡するよう、『水辺の者』のメンバーに依頼をした。
 この行為が、普段から絵里奈を毛嫌いしている上層部、特に五大老の何人かを怒らせてしまった。
 
『我らにとって深刻な危機が迫る事態だというのに、娼婦風情の女どもを優先して気遣うとは何事か』と。

 病床にも関わらず、面罵された絵里奈の心は、むろん波立った。細かいところでいえば、キャバ嬢と売春婦とを混同した言い方をも訂正させたかった。
 しかし全てを飲み込んで、死の淵からようやく生還したばかりだった絵里奈は薄く微笑んだ。『申し訳ありませんでした』と頭を垂れて詫びた。合計三度、謝罪を繰り返した。
 
 そこまでしてプライドをかなぐり捨ててでも、絵里奈は自らが立ち上げた店を守りたかった。キャバクラなど風俗関連の職に就くことは、長い『水辺の者』の歴史のなかで絵里奈だけが許された特例なのだ。五大老が本気でその気になれば、我慢を重ねて得た特権も、あっという間に剥奪されてしまう。
 
 絵里奈にとっては、オメガスレイヤーであることと変わらぬほど、キャバクラの仕事は大切であった。かけがえのないもの、と言ってもいい。
 
 幼いときに父親が蒸発し、女手ひとつで育てられた絵里奈は、高校にも満足に通うことができなかった。家計を支えるために夜の商売を始めた母親は、男運がよほど悪いようで、何度も騙されて借金を抱えるようになったのだ。高2の夏、絵里奈がキャバクラでバイトを始めたのも、そうした家庭環境では致し方なかった。
 荒れた生活のなかで、お金も、友人も、趣味も、恋人も、希望ですらも、絵里奈には何もなかった。それまでの人生、笑った経験も、泣いた経験すらも、ほとんど記憶にない。ただ生きるために、高校2年生までの絵里奈は生きていたのだ。
 
 運命とは皮肉なものだ。
 そんな絵里奈が、キャバクラで働き始めてから、生きる喜びを知った。それまでクラスの隅にひっそり隠れ、ただ背が高いだけの根暗と陰口を叩かれていた少女は、キャバ嬢として天性の資質に恵まれていたのだ。
 
 彼女は自分が、美貌と抜群のスタイルの持ち主だと知った。
 さんざん苦労をした賜物か、お客に対しても同僚に対しても、親身になって相談に乗ることができた。常連たちの多くが、癒しを求めて絵里奈を指名してくる。
 ちょっとした性的なサービスも厭わない一方で、貞操は頑なに守るのも人気の秘密だったかもしれない。すでに妖艶な雰囲気を纏っていた少女が、多くの男たちを虜にするのは無理もないことだった。
 
 他人から求められる喜び。そして、自らの才能を知った喜びが、藤村絵里奈を劇的に変えた。ナンバーワンキャバ嬢の座に駆け上がるまで、時間はほとんど必要なかった。
 秘密のバイトが学校にバレて、中退する原因になったが、正しい己の居場所を見つけた絵里奈にはまるで問題ではなかった。母親が作った借金もほどなく完済し、明るい未来への道がハッキリとその眼には映っていたのだ。
 
 自分と母を捨てて失踪した父親が、『征門二十七家』の出身であることがわかったのは、絵里奈が独立してすぐのことだった。
 オメガセイレーンに選ばれた時には、『シーサイド』はすでに地元に愛される人気店となっていた。キャバ嬢を辞める選択肢は絵里奈には有り得ず、かといって水属性のオメガ粒子に愛された彼女を、五大老は切り捨てることもできなかった。
 
 賛否両論渦巻くなか、結果的に、上流階級が多く名前を連ねる『水辺の者』のなかで異例のオメガスレイヤーが誕生したのだ。
 
「とりあえず営業再開しないと・・・あのコたちにとっても、ここが我が家のようなものだしね」

 オメガスレイヤーが有史以来の危機を迎えていることは、絵里奈もよく理解している。その一因が六道妖に不覚をとった自分にもあるのだから、責任を痛感しているのは事実だ。
 だが、破妖師の仲間たちと同じくらい、店に勤務する後輩たちの今後が気がかりであった。
 
 『シーサイド』のキャストは、ほとんどが絵里奈を慕って店についてきた者ばかりだ。
 彼女たちにとっても、ここは大切な居場所なのだ。絵里奈自身のためにも、後輩キャバ嬢たちのためにも、『シーサイド』という城を守らねばならない。
 長く休んでしまった店を、一刻も早く再開する必要があった。しかしながらその一方で、自身は当分働けないことを、絵里奈は覚悟していた。
 
「・・・お店はしばらく、あやなちゃんにお願いしようかな。私がいつ、戻ってこられるか、わからないけどね」

 六道妖の攻勢が苛烈化するなか、藤村絵里奈はオメガセイレーンとして、死闘に駆り出されるはずであった。
 同時刻、とある学校の体育館で、オメガカルラとペガサスが窮地に陥っているのをこの時の絵里奈は知らない。むろん、四乃宮郁美がオメガエンジェルとして復活することも予想しているわけがない。
 しかし、戦列に復帰した限りは、最前線で闘わざるを得ないことはとっくに覚悟を決めていた。というよりも、セイレーンを早く闘わせようと、半ば強引に復帰「させられた」と表現するのが正しい。
 
『いつまで惰眠を貪っているのだ、貴様は。のんびり休んでいるなら、セイレーンのオメガストーンをとっと返上しろ、売女(ばいた)がッ!!』

 いまだ万全ではない絵里奈の病室に怒鳴り込み、声を荒げたのはいつかと同じ五大老のひとりだった。
 禿げ上がった頭をアブラで光らせ、でっぷりと太った腹部を揺らして喚くのは、多賀という男だ。年は70代、くらいか。
 よほど絵里奈を嫌っているようで、罵声か叱責か侮蔑か、突き刺さってくる言葉しかもらったことがなかった。真実は定かでないが、自身の一族の娘が絵里奈のせいでセイレーンに選ばれなかったのを恨んでいる、という噂もあるほどだ。
 
『だからオレは反対だったんだ! フーゾク嬢にオメガスレイヤーが務まるわけがないッ! せめてヴィーナスの代わりに、貴様が犠牲となればよかったものを・・・最強である光のオメガスレイヤーが呆気なく殺されおって! 妖化屍どもがつけあがるのも無理はないわッ! どいつもこいつも役立たずどもめがッ!!』

『・・・天音ちゃんは、最期まで立派に闘ったと聞いています』

 自分のことはともかく、我慢は慣れている絵里奈も、さすがに血が昇るのを抑えきれなかった。
 
『あぁ? なんだ、その眼は? 貴様ッ、五大老であるオレに逆らうつもりかッ!?』

『・・・いえ。なんでもありませんわ』

 握った拳を多賀から見えぬように隠し、絵里奈は薄く笑ってみせた。
 辛いとき。哀しいとき。苛立ったとき。困ったことがあると、いつも絵里奈はそうやって笑顔を貼り付けた。いつの間にか、そんな術が身についていた。
 
『すぐに六道妖退治に向かいます』

 浴びせられる多賀の罵声から逃れるように、絵里奈は病院を出たのであった。
 
「・・・私が死んでも、あのコたちのためにこの『城』だけは守らないとね・・・」

 いまや六道妖を筆頭に、妖化屍との闘いは死を賭したものとなっていた。反オメガ粒子である〝オーヴ〟と、オメガスレイヤーの肉体をも傷つける紫水晶。ふたつの弱点が発見された今、絵里奈もいつ落命しようと不思議ではない。
 店の最古参で、もっとも信頼できる後輩キャバ嬢あやなに、自分が留守の間の『シーサイド』を頼むつもりであった。せめて六道妖との決着がつくまでは、この店にもあまり近づかない方がいいだろう。
 
 身元がバレている以上、『シーサイド』には、いつ妖化屍が襲撃してきてもおかしくないのだから。
 
「いやー。バカだね、色っぽいお姉さん。ノコノコこんなところに来たら、襲われると思わなかったの?」

 ソファーの影から現れた、おかっぱ頭の少年の声に、絵里奈はまたも薄い笑いを浮かべてみせた。
 いまだ体調は万全とは言えないとはいえ、それまで気配を気付かせなかった少年の力量と、気付けなかった己の不甲斐なさが嫌になってくる。
 
「思っていたわ。でもね、坊や。オトナには、危険とわかっていても踏み込まなきゃいけない瞬間があるものなのよ」

「あははは! はっきり子供扱いされると、なんかムカつくなー。じゃあ水属性のお姉さんには、オトナの強さってのを教えてもらおうかなー。無理だと思うけど」

 青い照明のもと、少年は全身を露わにしていた。両目が糸のように細く、半ズボン姿がいかにも小学生、といった趣だ。
 直接会うのは初めてでも、絵里奈は少年の正体を知っている。『水辺の者』が掻き集めた情報のなかで、その名はもっとも警戒すべき者として教えられていた。
 
 六道妖のひとり、天妖。通称は〝覇王〟絶斗。
 
「ふぅ。困った坊やね。このお店は18歳未満は入店禁止よ」
 
 絵里奈が造り上げた『城』に現れることは、当然六道妖にも予想されていると、覚悟はしていた。しかし自由気ままに動くという印象の強い絶斗が送られるとは、絵里奈からすれば最悪のはずれクジを引いたと言ってもいいだろう。
 
「じゃあ力づくで追い出してみる? ボクさ、けっこうエロいお姉さん、好きなんだよね。骸頭のオジサンからは、なにやってもいいって言われてるしね」

「・・・ふふ。すごい自信なのね。噂通りだわ」

「とりあえずさ、早く変身しなよ? オメガ粒子を抑えたままだったら、ボク、簡単に殺しちゃうよ?」

 沈黙したまま絵里奈は、胸元の涙滴型のストーンに右手を伸ばす。黄金の光が内部から放たれ、秘められた水属性のオメガ粒子が全身を駆け巡った。
 一瞬のうちに、藤村絵里奈はオメガセイレーンへと姿を変えていた。
 
 腰まで届くストレートの茶髪に、ボディスーツもフレアミニもケープも、全てが青色で統一されたコスチューム。佇むだけで、匂うようなエロスが蒼碧の水天使からは漂っていた。全体的にスーツで覆われているのに、胸元や腹部は素肌を晒しているためだろう。さらには濃紺のニーハイソックスが膝上まであるため、太ももの絶対領域がやけに艶めかしい。
 
 やや垂れがちな漆黒の瞳に、高い鼻梁。そして厚めの潤った唇。彫りの深いパーツが瓜実の輪郭にバランスよく収まった美貌は、日本人離れしている感もあった。ギリシャ彫刻や西洋画のなかに、このタイプの美女は多そうだ。
 
 全体にスレンダーで、バストサイズも目立って大きくはないが、長身なだけにスタイルの良さは際立っている。
 絶斗でなくとも、好色な視線を向けずにいられない身体つきであった。ふりまく色香が、より劣情を膨らませる。
 
「いい女だなー。たまんないね」

 小学生高学年ほど、と見える外見からは、ギョッとするような台詞が絶斗の口から紡がれる。
 よく見れば、少年妖魔の頬はわずかに膨らんでいた。口の中で、何かを飴玉のようにコロコロと舐め回しているのだ。
 それがかつて六道妖に処刑されたオメガヴィーナス・・・四乃宮天音の眼球であることを、オメガセイレーンは伝え聞いている。
 
「君は天妖、〝覇王〟絶斗ね。悪いけど、子供であろうと私の『城』に入ってくる者は、容赦しないわ」

「言うね。水のお姉さんは、ここで骸頭のオジサンとか縛姫ごときに負けたって聞いてるけど?」

「〝オーヴ〟なんて切り札があると知っていたら・・・あんな不覚を取ることはなかったでしょうね」

 厚めの唇をセイレーンはわずかに綻ばせる。
 この微笑の意味は、先程までとは違っていた。正しい意味での、使い方。
 絶斗が危険な存在だと聞いてはいても。復帰したばかりの身体にブランクを感じていても。油断さえしなければ、己が造り上げた『城』のなかでは負けることはないとセイレーンは自負していた。
 
 だから、おかっぱ頭の少年が一瞬で懐に飛び込んできた事実に、対応が遅れた。
 
「え・・・?」

「遅いなー。だから言ってるじゃん。ボーッとしてたらすぐ死ぬよ、って」

 今頃になって、絶斗が突っ込んできた際に纏った風が、セイレーンの頬を撫でた。
 少年妖魔のボディブローが、妖艶な美女に突き刺さる。青いコスチュームから覗く剥き出しの腹筋に、小さな右拳が手首まで埋まった。
 
 ドボオオオォォッ!! ・・・メチッ、ブチブヂィッ!!
 
「あぐう”う”ぅ”ッ!? ・・・ぁ”はあ”ッ・・・!! ア”ッ・・・!!」

 お腹に穴が開いたかと、セイレーンは錯覚した。
 事実、音から判断するに、腹筋の繊維がいくつか断裂したのは間違いなかった。息も詰まるほどの、激痛。たったの一撃で蒼碧の水天使は『く』の字に折れ曲がり、唾液を垂らして悶絶する。
 
「やっぱり思った通りだ。お姉さんさー、エロイけど鍛え方足らなくね? スピードも遅いし、身体もゼンゼン脆いよね。オメガヴィーナスはもっとずっと頑張ったよ?」

 拳を引き抜いた絶斗が、追撃を放つ。上半身を屈めるセイレーンに、左右の連打をめちゃくちゃに振るう。
 ただ闇雲に拳を撃ち込む、子供らしい稚拙な攻撃だった。だが、その速さと威力は尋常ではない。
 暴風のような連打が、脚を止めたセイレーンを包み込んだ。
 
「うああ”ッ、ああッ!! ・・・きゃああああッ―――ッ!!!」

 ドガアッ!! ガガガアアッ!! ドガガガガアアアッ!!!

 最初の1、2発はかろうじて手で弾く水天使。しかしそこまでが限界だった。
 止まない絶斗の打撃が、次々にスレンダーな肢体を穿つ。青色のコスチュームに、少年の拳がドボドボと抉り埋まる。
 
 盛り上がった左右の乳房を、正面からサイドから、幾度も拳が撃ち抜いた。繰り出す打撃の半数が、バストに集中していた。
 腹部にも暴虐は襲い掛かった。鳩尾を抉り、脇腹を殴る。うっすらと4つに割れた腹筋がイビツに歪んでいく。
 西洋風の美貌にも、しなやかな四肢にも容赦なく拳は突き刺さった。あまりの殴打の烈しさと速さに、水天使の肢体が20cmほど浮き上がる。
 
 それら100発は下らぬパンチが、ほとんど同時に思える一瞬でセイレーンに叩き込まれていた。
 
「あはぁ”ッ!! ・・・かふッ!!」

 青いケープを翻して、弾丸のように吹き飛ぶ水天使。
 ボトルキープした酒瓶が並ぶ壁に、激しく背中から激突する。衝撃でそのほとんどが落ちて、床で砕けた。流れ出したアルコールがフロアを濡らしていく。
 長い両脚を投げ出して座り込んだセイレーンは、半ば壁に埋まったままピクリとも動かない。
 
 絶斗に喰らった打撃の痕から、黒い煙がシュウシュウと昇っている。全身から昇る黒煙のせいで、まるでセイレーンはバーナーででも火炙りにされたかのようだ。
 実際には〝覇王〟が持つ暗黒のエネルギーと、殴打の摩擦が作り出した熱で、このような現象が起こっているのだろう。
 
「残念だったね。〝オーヴ〟とかなくてもさ、ボク、お前程度なら楽勝なんだよね」

 コロコロと口の中の『物体』を絶斗は転がす。
 ようやくピクンと、セイレーンの指がわずかに反応した。
 
「・・・天妖・・・〝覇王〟・・・絶斗ッ・・・まさかこれほどの強さだったとは、ね・・・」
 
 背中を壁に預けながら、ずりずりとセイレーンが立ち上がった。
 苛む苦痛を示すかのように、いまだ拳を撃ち込まれた箇所からは煙がうっすら昇っている。
 口元から『Ω』の紋章がある胸へとかけて、真っ赤に汚れていた。無数の殴打を受けて大量の血をセイレーンは吐いていたのだ。
 
「ふ、うふふ・・・〝オーヴ〟も紫水晶も使わずに圧倒されるなんて・・・本当に、嫌になっちゃうわね・・・」

「今更謝っても遅いよ? あ、でもボクの奴隷になるって約束するんならさー、生かしてあげてもいいぜ? お姉さんほどの美人と毎日ヤレるなら悪くないなー。もっともボク、大体のオモチャは3日で飽きて殺しちゃうんだけどね」

「・・・やっぱりここに来て・・・私の『城』に来て、正解だったわ。ここでなければ、君に勝つのはかなり難しかったかもしれないわね~」

 吐血で濡れた唇を、オメガセイレーンは吊り上げた。
 同時に右手の人差し指を、ピンと天に向かって突き上げる。
 床を濡らしたアルコール類が、弩流の束となって〝覇王〟絶斗に射出される。
 
「〝雨の橋立(あまのはしだて)〟ッ!!」

 合計24本。床から生み出された水柱は、レーザーのような速度で一直線に絶斗に殺到した。むろんその威力も、50㎝の岩盤を切断するほどのものがある。
 オメガセイレーンがリロードした得意技のひとつ、それが〝雨の橋立〟。大地に水が存在するなら、セイレーンは水流の槍を造り出すことができるのだ。
 
 24条のレーザーに集中砲火され、さすがの〝覇王〟も回避しきれまい。数多くの水に囲まれた『我が家』に、絶斗が乗り込んできた幸運をセイレーンは感謝する――。
 
 パパパパンンンッ!!!
 
「うッ!?」

 微笑をたたえていた美女の面貌が、驚愕に引き攣った。
 
「ふーん。面白いことやるね。でもさ、お姉さん、ボクの強さがわかってないね」

 殺到する24本の水流のレーザーを、絶斗は全てふたつの手で弾き飛ばしていた。
 
「悪くない攻撃だけどさ、そのボトル? そいつに入ってるお酒の量って少ないよね。ボクに勝とうっていうならさー、もっとたくさん水がいるんじゃない?」

「・・・そう。じゃあ望み通り、たっぷり水をかぶらせてあげるわね」

 いつまでもショックを引きずるほど蒼碧の水天使は甘くなかった。現役のオメガスレイヤーたちのなかでは、場数を踏んでいる自負がある。
 〝雨の橋立〟によって放った水流は、元はボトルキープされていたお酒だ。総量はどうしても少なくなる。弾き飛ばされたら『次』がない。
 ならば、弾かれても弾かれても、次々に水の弾丸を浴びせたらどうか?
 
 地を蹴って高く舞い上がったセイレーンは、天井に取り付けられた丸い突起を拳で叩いた。その正体は消防用のスプリンクラー。
 フロアに設置されたスプリンクラーが、連動して一斉に作動する。部屋中を埋め尽くす大量の水飛沫が、天井から降り注いだ。
 
「洗礼を浴びなさい、坊や。降りしきる雨を銃弾と化す・・・これがオメガセイレーンの〝五月雨撃ち(さみだれうち)〟よッ!!」

 ダダダダダダァァッ!!!
 
 セイレーンが言う通り、スプリンクラーから噴き出す飛沫は、全て鋼の硬さに変質した。銃弾のシャワーを天井から降らせるのと同じ。
 これならば、いくら天妖・絶斗でも逃げ切ることはできないだろう。両手で弾こうにも、スプリンクラーの雨はしばらく降り続ける。
 
 鋼鉄と化した水滴が、少年妖化屍を覆い尽くした。
 着弾の音色が無数に響く。十や二十では済まない、三桁に届くシャワーの銃弾が、確実に〝覇王〟絶斗にヒットした。
 
 決まった――。
 
 オメガセイレーンが、勝利を確信しかけたのも無理はない。
 
「――だから言ってるだろ? お前、ボクの強さをわかってないでしょ」

 立ち込める、水飛沫のカーテンの奥から。
 おかっぱ頭の少年が、平然とスプリンクラーのシャワーを浴びて現れた。
 
「なッ・・・!? そん・・・なッ!!」

 絶斗の全身はズブ濡れになっている。セイレーンの〝五月雨撃ち〟が間違いなく当たっている証拠。回避も防御もしていない、天妖の少年はまともに水天使の必殺技を喰らっているのだ。
 
 そのうえで、通用していない。
 オメガセイレーンの攻撃は、〝覇王〟の前では無力だった。
 よく見れば、150㎝ほどの小さな体躯の全身を、黒いモヤのようなものが覆っている。セイレーンが水を駆使するように、絶斗は闇属性の超常能力を操ると聞いてはいたが・・・その暗黒のエネルギーでガードを固めているのだろう。
 
「うぅ”ッ・・・!! くぅ・・・ッ!!」

 迫る絶斗に対し、妖艶な水天使は硬直したように動けなかった。
 
 強い。強すぎる。
 まともに闘って、実力で圧倒されている事実を、セイレーンは認めずにはいられなかった。成す術がない。格闘戦で手も足も出ず、水の攻撃すら跳ね返された今、攻略法が思いつかない。
 
「オメガヴィーナスも、ホントはボクひとりで殺すつもりだったんだ。それなのに・・・ッ!! お前なんかにボクの悔しさ、わかんないだろ。アイツはボクが独り占めする予定だったんだ! ムカついたからさー、ボク、あれからもっと強くなったんだよね」

 飴玉のごとく口内で頬張っていた『物体』を、絶斗は歯の間に挟んで見せた。
 オメガヴィーナスの眼球「だった」モノが、じっと虚ろな視線をセイレーンに向けた。やや濁った瞳孔に、蒼白となったセイレーンの美貌が映り込んでいる。
 
(・・・逃げるしか、ないわ・・・〝覇王〟絶斗は、あの天音ちゃんですら勝てなかった相手・・・今の私に勝ち目は・・・)

 じり、と青のブーツをわずかにセイレーンはにじらせた。『シーサイド』の、外へと通じる扉の方向へ。
 絶斗のスピードを思えば、ここから脱出することすら決して簡単ではないだろう。だが、真正面から闘うのはあまりに無謀だった。もしも、もしもの話だが、絶斗が〝オーヴ〟や紫水晶の武器を隠し持っていたら、勝機は皆無といっていい。
 
「・・・ちぇ。なんだよ。なんでアンタがここに来るの?」

 今しも床を蹴って後方に飛ぼうとした瞬間、少年妖化屍の苛立った声が、セイレーンの脚を止めた。
 絶斗が話しかけたのは、蒼碧の水天使に対してではない。その背後。まさしくセイレーンが、脱出するため駆け寄ろうとしていた、店の出入り口。
 腰までの茶髪のストレートを揺らして、反射的にオメガセイレーンも背後を振り向いた。
 
「ッ!! ・・・あ”ッ・・・!! ぅうう”ッ!!」

「オメガスレイヤーはこのオレの獲物だ、小僧」

 2mを越える巨躯が、『シーサイド』の扉の前に立ち塞がっていた。
 立っているだけで、豪風が吹き付けるかのようだった。威容。剛の者だけが放てる、眼に見えない圧力。並の人間ならば、この男の前に立つだけで失神するか精神に異常をきたすだろう。
 
 弁髪に、獣の生皮で作った衣服。鎧のごとき厚みの筋肉と、猛獣を思わせる鋭い眼光。
 右手に握った長柄の武具は、穂先の刃が十字状に組み合わされている。槍に似ているが、これは戟だ。
 その垂直に交差した刃先が、妖しく緑色に発光している。
 
「ッ・・・修羅妖・・・〝無双〟の虎狼・・・ッ!!」

 呆然としたつぶやきが己の口から洩れるのを、セイレーンは意識の遥か彼方で聞いていた。
 前方には〝覇王〟絶斗。そして後方には〝無双〟の虎狼。
 恐らくは六道妖のなかでも最強格の両者に挟まれ、蒼碧の水天使はただキョロキョロと、せわしなく前後に視線を送る。
 
「ま、いいや。コイツ今、逃げようとしてたからさー。ちょうどいいや。追いかけっこ、ボク嫌いなんだ。アンタとふたりで嬲り殺しにするのは、それなりに面白そうだし」

 ふたりの妖化屍が一歩、また一歩と距離を詰めるのに従い、セイレーンの胸の奥に、暗く、重い塊が膨らんでいく。
 彫りの深い、西洋モデル風の美貌は冷たい汗で濡れ光っていた。困った時には貼り付ける薄い笑いですら、セイレーンは浮かべることができなかった。
 
「どうしたの、オメガセイレーン。随分余裕がなくなってきたね? それとも、ボクの強さとかようやくいろいろわかってきた?」

 かろうじてファイティングポーズを取る蒼碧の水天使に、糸のような眼をさらに細めて絶斗は笑いかけた。
 
「そうだよ、運のないお姉さん。これが絶望っていうんだよ」


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| オメガスレイヤーズ | 00:10 | トラックバック:0コメント:10
コメント
ようやく真の主人公を登場させることができ(^^ゞ、佳境に入ってきました、オメガスレイヤーズの0話です。
予定では次回か、次々回で0話は終わらせ、DL販売の作品として1話から展開していきます。無料公開は終わってしまいますが、ご容赦いただければ幸いです。

まずは0話を完成させるため、今回は流れの都合上、ほとんどエッチなシーンやリョナシーンが少なくなってしまいました…なんとかしたかったんですが、話をまとめるのに精一杯で難しかったです(-_-;)

オメガの無料公開終了後は、なんらかの形で皆さんにお見せできるものがあればいいな、と思っていますので、そちらはいましばらく考えさせていただきますね(^^ゞ
2017.03.14 Tue 00:11 | URL | 草宗
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このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017.03.15 Wed 00:00 | |
>コメントくださった方
コメントありがとうございます(≧▽≦) ファントムガールのころから、とはまた有り難いお話で・・・コメントは一言いただけるだけでもすごく嬉しいんですが、細かいところまで読み込んでいただいていて、本当に有り難い限りです(o´∀`o) 今回の絵理奈のシーンがツボだったというのも嬉しいです。

基本リョナシーンは1回の更新で必ず入れるように心がけているんですが(エロはないときもありますけどw)、今回はどうしても本格的なものが入れられず・・・苦肉の策という感じで、ピンチに至るまでのドキドキに力を入れることにしました。
自分自身はこういうの、けっこう好きなんですけど(^^ゞ、読まれる方には物足りないかなーと思っていたんですが・・・楽しんでいただけたようで本当に嬉しいです(*´▽`*)

ご指摘のとおり、「自信満々だったお姉さんキャラがどんどんと追い詰められていく」といったドキドキ(ワクワク?w)をテーマにしたんですが、細かな描写まで読み込んでいただき作者冥利に尽きます。いやあー、本当にありがたいです。今回はサービスシーンがないので、文章表現でなんとかしたいと思っていましたので(^^ゞ

さらにいろいろなフラグに気付いていただいてるのも有難く・・・驚きましたw まだまだ0話で先は長いですが、今後の展開を愉しみにしていただければと思います(^^ゞ

おかげさまで大きな励みになりましたので、今後も頑張ります(*´▽`*)

2017.03.15 Wed 10:12 | URL | 草宗
>拍手コメントくださった方
エンジェルの必殺技は実はずっと前からあたためていたもので、自分では名前も含めてかなり気に入っています(^^ゞ 姉のヴィーナスとの違いを出すために、エンジェルはよりキュートらしさを前面に出してます。

セイレーンさん、思った以上に人気あるようで嬉しいです(o´∀`o) コメントなどで好きと言ってもらえたことはあまり印象になく、こうしたお姉さんキャラはてっきり不人気だとばかり思っていました(^^ゞ
以前の敗北回はおかげさまで評価が高かったものですから、楽しんではもらえてるんだろうなぁ、ぐらいに思ってましたが・・・予想よりも人気があったようですねw

DL化前の作品、ということでいろいろな面でDL用作品とは違う部分がありますが・・・ネタバレに繋がってしまうので、どう違うかは完成したものを確認いただければと思います(^^ゞ

春先は毎年心身ともに疲れがでますが、ウルトラ戦姫もありますし、なんとか頑張りますw

2017.03.16 Thu 22:18 | URL | 草宗
更新お疲れ様でした。

最大の疑問だった郁美と光属性のオメガ粒子
の復活の謎、見事な謎解きでしたね。
思いっきり納得しちゃいましたよ。
郁美を堕とすために行っただろう行為が、
逆に郁美だけじゃなくオメガ粒子までも救う事になっていたなんて、
六道妖たちも悔しくてしょうがないでしょうね。

オメガエンジェルの最後の
「・・・この地獄に、ね」
のセリフは、まさにヒロインという感じで、カッコ良かった!!
でも、やっぱりまだ本調子には程遠い状況みたいで、
それに気づかれずに助かりましたね。
「リロード」も、面白い仕掛けですね。
ただ、こういう仕掛けで技を繰り出しているという事は、
技の数にも限りが有りそうですね。

一方セイレーンはすべての策が通じずに、
大ピンチですね。
もうすぐ0話が終わりというこの時期に、
こんな出来事が起こるなんて、
本当に気が抜けませんよw

現状では、オメガエンジェルがすぐに助けに行ける状況では
無さそうですし、オメガエンジェルがどうなってしまうのか
次回更新のお楽しみですね。
郁美がオメガエンジェルの状況を知ったら、
無理をしても助けに行きそうですけど、
まったく先が読めませんよ。

暖かくなる一方で花粉も舞いまくったり、いろいろと大変だとは思いますが、
今後の更新も頑張って下さい♪
2017.03.20 Mon 22:35 | URL | さとや
>さとやさま
毎度コメントありがとうございます(*´▽`*)
本当の主人公である郁美=オメガエンジェルをなんとしてもDL販売前にはきちんと復活させたかったので・・・0話を書いて説明したかったんですが、納得いただけてすごく嬉しいです(^O^) 
自分的にはこのカラクリ、けっこう気に入っていたので、見事な謎解きとまで言っていただき感無量です(^^ゞ

今回はサービスシーンをねじこめなかったのでw、エンジェルのカッコよさのようなものを表現したいと思っていました。
ご指摘の台詞やら必殺技やら、ちょくちょくお褒めの言葉を頂き、これまた有難く思っていますw

仰る通り、リロードの仕組みがあるので技の数には限りがある、という設定になっています。
そうしないと光や水を自由自在に扱えて、相当オメガ陣営は強くなっちゃいますからね(^^ゞ
あとボクは「努力で技を会得する」というのが好きで・・・そのためにもリロードの設定が必要でした。オメガ粒子さえあれば誰でも強くなる、というのではやっぱり味気ないですからねw

エンジェルが圧倒している分、ピンチはセイレーンさんに担当してもらうことになりましたw
エンジェルや司具馬、むろんカルラやペガサスも救出に来られませんからね~。絶体絶命のセイレーンさんがどうなるか、楽しみにしていただければ幸いですw

おかげさまで花粉症、今年は症状がでていないので、体調も万全です。
DL用のウルトラ戦姫も、ゴールが近づいてきているのでなんとか頑張りたいと思います。
2017.03.21 Tue 00:03 | URL | 草宗
オメガセイレーンがピンチに陥っていく展開が、直接的なシーンが無くてもすごくよかったです
逃げようとしたところを阻まれるのはたまんないですね
凛香ちゃんの下水道での話を思い出しました(笑)
次の話の展開も楽しみにしてます

近々DL化とのことで、是非このまま続けて読ませていただきたいのですが、現状Androidの環境しか手元にありません……
スマホ環境でもダウンロードして読めるようになんとかなりませんか…?

身勝手なお願いなのですが、どうかご検討いただけると幸いです

よろしくお願いします
2017.03.23 Thu 14:03 | URL |
>コメントくださった方
ありがとうございます(o´∀`o)
話の流れから、どうしても直接的なサービスシーンが書けなかったので、話の展開でなんとか盛り上げたいと思っていたんですが・・・おかげさまで好評いただいているようで有り難い限りです(^^ゞ

さてオメガのDL版についてですが、実はスマホでも読めないか、というのはボク自身もずっと考えていたことでして・・・(^^ゞ
今やスマホユーザーの数は相当多いですからね~。手軽に小説を持ち運びたい、という方も多いでしょうし、なんとかできないかと以前から考えていたんです。

PDFを利用すればスマホでも視聴可能なようなので、まずは近々DL販売する予定のウルトラ戦姫で試してみようと思っています。
そちらで問題なくできれば、オメガもスマホでも視聴できるようにしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
2017.03.24 Fri 00:17 | URL | 草宗
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017.04.03 Mon 18:12 | |
>コメントくださった方
コメントありがとうございますw
確かにセイレーンのようなお姉さんキャラは、JK好きのボクにしては珍しいと思います(^^ゞ そこも彼女のウリのひとつですね。
ウルトラ戦姫のDL版が、ようやくゴール見えてきましたので、今はそちらに集中していまして・・・オメガは少し更新が先になってしまうかと思います(;´Д`) ご了承いただければ・・・

桜の季節はひとりで花見するのが好きなんですが、今年は上のような状況なので、ゆっくり見られるか微妙ですねえ~(^^ゞ なんとか仕上げて、キレイな桜を堪能できるよう、頑張りますw
2017.04.04 Tue 21:00 | URL | 草宗
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