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草宗の書斎

オメガスレイヤーズの挿絵をお願いしました! | main | オメガスレイヤーズ ~カウント5~ あとがきと今後の予定
ウルトラ戦姫物語 パラレル編 第3章「2対3」
 
 第3章  「2対3」
 
 
 1、
 
 
 波が押し寄せ、引いていく・・・本来は心洗われるリズミカルな潮騒に、ピコンピコンと平穏を打ち破るような警告音が混ざっていた。
 海水浴のシーズンならば人々でにぎわうビーチに仰向けで転がるのは、ターコイズブルーの長い髪を扇のように広げたウルトラレディ・ティオ。
 その額と胸中央で輝く結晶は、本来の青から赤へと変わり点滅している。白目を剥き、口元を自らの吐血で汚した姿は、深刻なダメージを雄弁に物語っていた。
 
 スイカ、とも称される丸々と実ったふたつの乳房は、水玉模様の異星人に踏みつけられている。
 ティオをノックアウトし、勝ち誇るように足蹴にする6本腕の侵略者は、〝猛将”カイザー・ナックル。
 首、背骨、股、腕と、複数の関節を一度に破壊するナックルバスターによって、ティオの意識は暗黒の深淵に呑み込まれたようだった。
 

「ケッ! 『裏地球』とやらのウルトラ戦姫がどれほどのものかと思えば・・・この程度かよッ!? ていうか、所詮ウルトラ戦姫なんざこんなもんかァッ!?」

「ふふ・・・まあ『最強最速』と呼ばれるマインが、このザマですから」

 少し離れた場所で、修道服を着た異星人が、リボンで髪を束ねた別のウルトラ戦姫を蹴りつける。
 〝謀将”シスター・マグマは、緩やかな笑みを浮かべていた。足元の亡骸・・・すでに死んでしまっているウルトラレディ・マインを嬲るのが、心底から愉快で堪らないといった様子だ。
 
「ティオ程度では、貴方の・・・最強のナックル星人の相手としては、物足りないかもしれませんね」

「ケッ! 当たり前だろうがッ!! 元々オレは、てめえなんかの作戦には乗り気じゃなかったんだッ!」

「ですが我々がメフィラス様に認めていただくには、確実に3人の戦姫を葬る必要があります。はじめに『最強』とされるマインを倒し、残る2名を3人がかりでじっくり仕留める・・・我が神に啓示いただいた策は完璧だったはずですわ」

 我が神、のところで、シスター・マグマが陶然と表情を崩すのをナックルは見逃さなかった。
 同じ仲間ではあるが、この女異星人の姉に対する態度には、背筋が寒くなるときがある。神と信じているのが実の姉であり、かつて〝帝国”の四天王としてウルトラシスターズに敗れ去ったレディ・マグマと知ったときには、顔をしかめてしまったほどだ。
 だが、シスター・マグマの冷静な判断力と、容赦ない残酷さは『買えた』。
 好きか嫌いかはともかく、使えるか使えないかでは、文句なく『使える』。ナックル再興のためには、メフィラス星人同様に、この女とも手を結ぶのは決して悪い選択ではない。
 
「こうなると、2対3どころか、1対3だがなッ。それも残る1匹も、ガッツ星人の野郎が始末してくれそうだぜ!」

 動かぬティオをぐりぐりと踏み躙り、カイザー・ナックルは視線だけをもうひとつの闘いに向けた。
 ウルトラレディ・アイナvs〝魔将”ガッツ星人・マモンとの闘い。
 いや、すでにその両者の激突も、闘いと表現するのは的確ではないように思える。一方的な嗜虐、と呼ぶのが相応しいかもしれない。
 分身した二体のガッツ星人の間で、破壊光線を集中砲火されるツインテールの戦姫が、立ち尽くしたまま壮絶な悲鳴をあげていた。
 
「うぎゃあああ”あ”あ”ッ――ッ!! 焼けるッ!! 焼けちゃう”う”ぅ”ッ――ッ!! ア、アイナの身体がッ・・・バラバラになっちゃう”う”ぅ”ッ――ッ!!」

 業火に炙られるような激痛が、間断なくアイナを襲っていた。
 金髪ツインテールの戦姫は、ずっとガッツ星人の光線を耐え続けていた。両サイドから、二体の敵に挟まれる格好。激流のなかに突き落とされたかのように、そのムチムチとしたグラマラスボディは、左右からの灼熱の奔流に弄ばれている。
 
(うああ”ッ、ああ”ッ!! ・・・こ、このォッ!! ・・・こいつら、正面にいたら反撃できるのにッ・・・!!)

 実質、2対1で闘うことの不利。その意味を、アイナは今、身をもって感じていた。
 真横から、それも挟み撃ちの形で攻撃されることが、いかに反撃しにくい態勢であるか。ボクシングのような格闘技でも、軍隊の陣形でも、敵に横に回り込まれれば、まず一方的に攻められるのみだ。しかも挟み撃ちともなれば、敗北は免れない。
 
 分身して、左右から二体で挟み撃ちにする。これがガッツ星人・マモンの必勝法なのだろう。幾多の光の戦士たちが――恐らくはマインも毒牙にかかったひとりだろう――、この戦法に敗れ去ってきたに違いない。アイナには、その光景が容易に想像できた。
 このままでは、自分もじっくり焼かれて殺されてしまう。
 
(マインが倒されっ・・・ティオもあんな状態にっ・・・!! アイナがやらなきゃ・・・ウルトラ戦姫は全滅しちゃうっ!!)

 この3人以外にウルトラ戦姫の存在を知らぬアイナは、覚悟を決めた。
 自分が負けたら、地球を守る者はいなくなる。別次元からの侵略者らしき敵は強力だが、アイナがなんとかするしかなかった。
 悲愴な決意を固めたツインテール戦姫は、とっておきの能力を開放した。
 
「チェンジっ!! ストロングタイプっ!!」

 青と赤と黄色。トリコロールに配分されたアイナのスーツが、一瞬で赤一色に染め抜かれる。
 同時に、元々豊満な乳房がさらにボリュームをアップした。スイカと比喩される、ティオのバストすら凌駕する大きさだ。こうなると、爆乳、と呼ぶのが相応しい。
 迫力を増したのは、ただ胸のサイズだけではなかった。全身の筋肉がもりもりと、逞しく隆起していくのをアイナは自覚する。
 
「む! 出しやがったナ!?」「そいつがタイプチェンジってやつダロウ?」

 二体のガッツ星人の声に、わずかながら緊迫した調子が混ざる。
 やっぱり思った通りね・・・アイナの肥大化した胸に確信が広がる。侵略者たちが別の次元から来たというのなら、タイプチェンジなどという特殊技能を眼にするのは初めてだろう。対応に戸惑うのも無理はない。
 
「うおおっ・・・うおりゃあああっ――ッ!!」

 パワーと肉体の強度を飛躍的に高めるストロングタイプは、主に接近しての格闘戦でアイナが使用する変身形態だった。
 この場合、手に入れた頑強な肉体によって、まず両サイドからの光線を耐え抜く。
 続いて両脚に力をこめ、爆発的な瞬発力で、一気に熱線の奔流から飛び抜ける。
 
「マ、マジかヨ!?」「オレたちの光線を、振り切るのカヨ!?」

 マモンの驚愕の声を後目に、ドッと地を蹴ってアイナは空中に飛び出した。
 永遠に続くかと思われた光線地獄を、ついに脱出するツインテール戦姫。
 
「へへん、だ! あんまりアイナをナメないでよねっ! さあ、ここから逆襲・・・」

 ズキズキと全身を覆う疼痛を抑え、オウムのような異星人にアイナは強がってみせた。
 だが、啖呵を言い終える前に、愛らしい顔が引き攣る。
 眼と鼻のすぐ先に、修道服を着た女異星人が、殺到していた。
 
「おバカさんですね。貴女の相手はガッツ星人だけではないことをお忘れですか?」

 シスター・マグマのハイキックが、まともにアイナの顎を跳ね上げる。
 
「ぐはああ”っ!!」

 唾液の固まりを撒き散らして、跳躍した赤一色の戦姫は、大地へと叩き落された。
 砂浜に、したたかに背中を打ちつける。息が詰まり、口の中に鉄の味が広がった。
 空中から修道女の影が迫るのを視界にとらえ、慌ててアイナは跳ね起きる。大丈夫、頭はクラクラするけど、まだ十分闘える――。
 
 なんとか脱出したはずの、二体のガッツ星人の間に、再び挟まれていることに金髪ツインテール戦姫は気付くのが遅れた。
 
「あ”っ・・・!? し、しまっ・・・!!」

「残念だったナ、ウルトラレディ・アイナ」「今度はさっきより強力な光線、喰らわせてやるゼ」

 糸のように細い光線が、ふたりのマモンの指から伸びて、両者の間を繋いでいる。
 ガッツ星人の指は片手ずつ4本。全ての指と指を繋いだ、合計8本の光線糸。
 それら細い光線が、両サイドからアイナの肢体に絡みつく。
 
「うあああ”っ・・・ふああああ”あ”っ――ッ!?」

 腕に、脚に、首に、腰に。光線の糸が、がんじがらめにツインテール戦姫を拘束する。
 それだけではなかった。残る光線糸は、顔ほどの大きさもある乳房に、片方ずつ麓からぐるぐると巻き付き・・・
 胸中央のカラータイマーと、頭部に輝くビームランプにも、結晶体を緊縛するかのごとくギリギリと絡みついた。
 
「ああ”っ、うああ”っ~~っ!? ウソ、ウソよっ・・・!! こんなっ、こんなとこを責められたらアイナはっ!!」

「マインも苦しみ抜いた高圧電流だゼ」「オッパイと弱点のタイマー責められて、お前みてーなガキに耐えられるかナ?」

 アイナの全身に絡みついた光線糸に、火花散る高圧電流が流し込まれた。
 
 バリバリバリッ!! バチバジィッ!! バヂヂッ!!
 
「ウギャアアアア”ア”ア”っ~~~ッ!!! 胸がァっ――ッ!! カラータイマーがァっ~~ッ!!」

 駆け巡る電撃にビカビカと肢体を光らせて、ウルトラレディ・アイナは絶叫した。
 膨らんだ風船を張り付けたような爆乳からは、黒い煙とともにジュウジュウと焼き焦げる音色が昇る。
 命の象徴であるカラータイマーをも電流で貫かれ、ツインテールの戦姫はビクビクと悶え震えるしかなかった――。
 
 
 
 2、
 
 
「勝負あったよーだナ、ガキ!」「今度こそ、脱出は不可能だゼ」

「この光線糸は、鋼のような強さとゴムのような伸縮性を兼ね備えてんダゼ」「つまり、そのストロングタイプとかってパワーでも引き千切れねーってことダナ」

「しかもオッパイとカラータイマーにも、たっぷり電流を注いでやってんダ」「痛ぇダロ? 苦しいダロ? 泣き喚くしかねーよナ?」

「息絶えるまで、ずっとこのままダ」「死んだらタイマーは引っこ抜いてやるヨ。それでてめーはジ・エンドだナ」

 バチバチと稲光に包まれるアイナに、左右からガッツ星人が嘲笑を浴びせる。
 四肢や胴体、首に巻き付いた光線の糸によって、ツインテールの戦姫は動くことさえままならなかった。〝魔将”を名乗る異星人の言葉は正しいことに、アイナ自身が気付いている。
 
(胸っ・・・胸っ・・・!! オッパイ、がっ・・・!! 爆発しちゃいそうっ・・・!!)

 渾身の力で糸を振りほどこうとしても、鋼線のように頑丈で千切れない。かと思えば、ゴムのように微妙に伸びて、力が逃げてしまう。
 
(ダ、ダメっ!! ・・・ウ、ウソでしょ・・・っ!! ストロングタイプでこんなに力入れてるのにっ・・・!! この糸、引き千切ることができないっ!!)

 8本の光線糸が、さらに激しく放電の火花を飛ばす。
 より高圧の電流が、アイナに注がれる。鋭い針が幾千もタイマーやビームランプに刺さり、乳房の根本に焼きゴテを当てられたかのようだった。
 
「はぎゅうう”っ!!? アギャア”っ、ヒギャアアアアア”ア”っ――ッ!!! やめ、やめでぇ”っ・・・!! うぎゃああア”ア”っ――ッ、アイナ、燃えちゃう”ぅ”っ~~~っ!!!」

「ふふふ、生意気な割には、随分惨めに泣き叫ぶものですね」

 光線糸に緊縛されたアイナの眼前に立つのは、逆十字の剣を握ったシスター・マグマだった。
 
「もう勝負はついたようです。あとはこの『裏地球』最後のウルトラ戦姫である貴女を、惨たらしく処刑するのみ」

 離れた位置で仰臥するティオは、いまだカイザー・ナックルに踏み躙られてピクリとも動かない。
 『最強最速』と呼ばれたマインは、すでにカラータイマーを抉り取られて絶命している。
 アイナまで、敵の手に堕ちるわけにはいかない・・・そう歯軋りするものの、光線糸から送り込まれる電撃に、全身が引き裂かれてしまいそうだ。
 
「動けない獲物をじわじわ嬲り殺す・・・これ以上の愉悦はこの世にないと、我が神も仰っていますわ」

 唇を吊り上げるマグマの手の中で、黒い剣先がギラリと光った。
 その先端からピュッと、黄色い液体が飛沫をとばす。
 アイナは気付いた。逆十字の形をした剣の正体は、巨大な注射器なのだと。
 透き通った鮮やかな黄色の液体は、どこかでアイナも見たような気がした。すぐに思い出す。憑依している地球人・女子大生の北乃ちかが、料理のときに使ったオリーブオイル。あれにそっくりだ。
 
 逆十字の注射器いっぱいに充満しているであろうオイルを、ニセ修道女である〝謀将”はなにに使おうとしているのか。
 
「ぐうう”っ・・・!! ああ”っ!! なにっ、なにする気っ!!」

「おや? なかなか鋭いですね。身に迫る危険を察知する勘は、侮れないものがあるようですわ」

「うう”っ・・・!! ふぐうう”う”ぅ”っ――ッ!! こんなっ、こんな状態でさらになんかされたらっ・・・ア、アイナはっ!!」

「うふふ、もう自分が死ぬしかないことはわかっているのでしょう? ならば少々肉体を弄ばれるくらい・・・我慢なさいませ」

 注射器の先端を、いきなりシスター・マグマはアイナのお臍に突き刺した。
 
「はぎゅふう”ぅ”っ!!? はへぇ”っ・・・んあ”っ!!」

「我が神特製のレシピで作った・・・潤滑油ですわ。腹部から直接、貴女の腸に注入してあげましょう」

 ブジュウウウウッ・・・ジュジュジュジュッ!!
 
 柄の底にあたる部分、柄頭を修道女の手が押し込んでいく。
 サラサラとした黄色のオイルが、大量にアイナの内部に流れ込んだ。ギュルルルと、腸が悲鳴のような音をたてる。溢れるオイルが、剥き出しになっている戦姫の臍周辺をヌラヌラと濡らしていく。
 
「んくぅ”っ!? ふへア”っ!! ・・・お、お臍ぉっ・・・さ、触らないでぇ”っ・・・!!」

 注射器の先端が動くと、甘い痺れがアイナの腹部に発生した。
 下腹部に重みが増し、腸の内部をオイルが満たしていくのがわかる。異物が挿入する嫌悪感のなかに、さざ波のような快感が起こっていた。
 しかし、内部よりも表層、お臍の穴を滑らかな液で濡らされるくすぐったさが、アイナの脳髄により大きな刺激を送っていた。思わず腰が、誘うようにヒクヒクと動いてしまう。
 
「はひゅっ!! ・・・ふへぇ”、ああ”っ・・・!! ま、摩擦・・・しない、でぇ”っ~~っ・・・!! お、ヘソぉ・・・っ!! しょ、しょこはぁ”っ・・・くすぐっ・・・たぁ”っ・・・!!」

「・・・ウルトラレディ・アイナ。貴女まさか・・・」

「ふぐぅ”・・・ちょっ・・・!! オ、オイルっ・・・!! ひゃめっ、ひゃっ!! ・・・おへ、そ・・・ヌラヌラしたらぁ”っ・・・!! おかひく、なぁ”っ・・・!!」

「ふふ、うふふふ! どうやら生意気な戦姫ウルトラレディ・アイナは・・・お臍周辺に性感帯が集中しているようですね」

 十字剣型の注射器を深々と埋められたまま、臍の穴をぐりぐりと掻き回される。
 
「ぎゃふう”ぅ”っ!! ふぎゃぎゃっ!! あびゃああ”あ”あ”っ~~~っ!!? おかひっ、おかひくなるぅ”っ~~っ!! やめれ、やめへぇ”、やめふぇぇ”っ――っ!!!」

「ふふふ・・・ほれ、ぐりぐりぐぅり、と・・・死にかけのウルトラ戦姫が快楽に身悶えるのは・・・我が神に捧げるなによりの供物ですわ!」

 オイルの漏れ出る剣先が、何度もアイナの臍穴で抜き差しされた。
 じゅぶじゅぶ、と卑猥な音がして、摩擦のたびにオイルが泡立つ。痺れるような快感が、お腹の内と外とに広がっていく。
 電流による苦痛で飛びかけたアイナの脳髄は、お臍への姦淫をセックスそのものと同一視していた。
 
「はひゅう”ぅ”っ・・・!! ふぐううう”う”う”ぅ”っ~~~っ!! い、イッチャっ・・・!! イッチャウ”っ・・・!! おへ、そっ・・・!! シビレぇ”っ・・・!! シビレてぇ”っ~~っ!!」

「臍を責められて感じてしまうなんて・・・ウルトラレディ・アイナはとんでもないド変態ですわね!」

「ゴゴゴッ!! コイツはなんともブザマなやつダ!」「ゴゴゴッ!! しょうもねーガキだゼ、まったく!」

 侵略者たちの哄笑が響くなか、さらに注射器から大量の潤滑油が打ち込まれる。
 小腸、さらには大腸にまでオイルが満たされ、アイナの肛門にまで達する。最後の一線をアイナは必死に守った。お尻から黄色の液を漏らすくらいなら、年頃の乙女にとっては殺される方が何倍もマシだ。
 
 アナルの括約筋にグッと力を込めると、腸内の液が逆流するのがわかった。
 ブジュウウウッ――ッ・・・と飛沫をあげて、入りきらなくなった黄色のオイルは、アイナのお臍から噴き出した。
 
「はぎゅああああ”あ”あ”っ~~~っ!!! おナカっ・・・もうおナカっ・・・!! はっ、破裂しゅるぅ”っ~~~っ!!! ヌラヌラぁ”っ・・・ヌラヌラやめへぇ”っ~~~っ!!!」

「弱いくせに強がる、脳ミソの足りない戦姫は・・・ブザマな破滅を迎えるのです」

 シスター・マグマの声には、侮蔑と怒りが混ざっているように聞こえた。
 お臍から注射器の先端が引き抜かれるや、休む間もなくアイナの口に突っ込まれる。
 ガッツ星人から送られる電撃の苦痛と、滑らかなオイルの臍への愛撫に、アイナの思考はほとんど停止していた。成す術なく、シスター・マグマの蹂躙を受け入れるしかない。
 
「腸内だけでは足りませぬ・・・咽喉から肛門に至るまで、全て潤滑油に満たされるといいでしょう」

 逆十字の剣の柄を、修道女が押し込む。
 ブジュルルル、とツインテール戦姫の口腔内に、オイルが滝のように注入される。食道から胃、そして十二指腸を通って小腸まで、黄色の液体はアイナの内部を埋め尽くす。
 口という入り口から肛門という出口まで、これで全ての消化器官がオイルによって満たされた。
 
「ぶぴゅっ! ・・・・・・へぶべぇ”っ! ・・・ごぽ、ごぼぼぉ”っ・・・!!」

「ふふ、ウルトラ戦姫のオイル詰め、完成しましたわ。さて、〝猛将”カイザー・ナックル。トドメは貴方にお任せいたしましょうか」

 涙で瞳を潤ませるアイナの耳に、ニセ修道女の声が届く。
 己の死と、それ以上に過酷な大量失禁の恥辱を、ツインテールの戦姫は覚悟するしかなかった。
 
 
 
 3
 
 
「・・・う”、ああ”っ・・・!! やめぇ・・・やめれぇ”っ・・・!!」

 イヤイヤと首を振り、嘆願の台詞が口から漏れるのを、アイナは自制できなかった。
 水玉模様のマッチョな異星人が、下卑た笑いを張り付けて近付いてくる。6本の腕の指を、ポキポキと鳴らして。
 シスター・マグマの注射器により、胃にも腸にもたぷたぷと詰められた黄色い潤滑油。猛烈な排泄欲をウルトラレディ・アイナは懸命に抑えていた。少しでも油断すれば、あらゆる穴からオイルが噴き出してしまいそうだ。それは誰の目にも『ウルトラ戦姫のおもらし』と映ることだろう。
 
 迫りくる〝猛将”カイザー・ナックルは、そんなアイナに容赦なく豪打を撃ち込むつもりなのは確実だった。
 ただでさえ、ガッツ星人・マモンの電撃糸によって、アイナは身動きを封じられていた。全身赤一色となるストロングタイプにチェンジしても、その拘束からは逃れられない。
 逆十字の剣を構えたシスター・マグマも、薄い笑みを浮かべてアイナを看視している。オイルを噴き出すアイナの失禁シーンを、楽しみに待ち構えているのだろう。
 
 この恐るべき3体に囲まれて蹂躙されては・・・たまらなかった。『最強最速』の異名を持つウルトラレディ・マインが処刑されたのも無理はない。
 頑強なストロングタイプに変身しているアイナだが、その身が耐え切れないことは自分自身が一番わかっている。
 
(こ、こんなのっ・・・ムリぃっ・・・!! あんなガタイのいい異星人にボコボコに殴られたらっ・・・も、漏れちゃうよぉ・・・! 内臓、ぐちゃぐちゃにされてっ・・・死、死んじゃうっ・・・!!)

「・・・いやぁ・・・いやあぁっ・・・!! お、お願いっ・・・ゆ、許しっ・・・!!」

「おやおや、今頃命乞いですか? うふふ、ウルトラレディ・アイナ、随分と情けない戦姫もいたものです」

「ゴゴゴッ! さっきまでの自信満々の態度はどこいったんダ?」「ゴゴゴッ! 生意気な小娘が頭下げるのは気持ちいーゼ!」

 アイナの全身に絡みついた〝魔将”の電撃糸が、さらに激しく火花を飛ばす。
 より高圧の電流が、カラータイマーや額のビームランプ、そして爆乳と呼ぶに相応しい丸々実ったバストに注ぎ込まれる。
 
「うぎゃああああっ~~~っ!! ハジケっ!! ハジケちゃうぅ”っ―――ッ!! はぎゅうああああ”あ”っ――っ!!!」

「ゴゴゴッ! 弱ったヤツはもっと虐めたくなるヨナ?」「ゴゴゴッ! ナックルのヤツが手を出す前に、殺しちゃってもいーんダゼ?」

 胸の奥で、頭の中で、電撃がスパークする。
 バチバチと身の焦げる苦痛に、アイナは内側から爆発するかのようであった。ピコン、ピコンと、胸中央と額とで結晶体が激しく点滅する。
 ガッツ星人・マモン相手に一方的に蹂躙されるだけの、ウルトラレディ・アイナ。
 その金髪ツインテールの戦姫の眼前に、肩をいからせたカイザー・ナックルが仁王立つ。
 
「あぎゃあああっ・・・!! ダ、ダメぇ”っ・・・!! ア、アイナじゃっ・・・か、勝てないっ・・・!! た、助けっ・・・て!! 誰かっ・・・助けてぇ”っ――ッ!!」

「ケッ!! みっともねえ小娘がッ!! 安心しろ、てめえみたいなカスはあっさり殺してやるぜッ!!」

 〝猛将”カイザー・ナックルが、拳を固めた6本の腕を大きく振りかぶる。
 
「そうだな、ボディブロー300発ぐらいで、許してやらぁッ!!」

 そんなことされたら、ホントにお腹がミンチになっちゃうっ!!
 
 涙を溢れさせるアイナに、轟音を鳴らして6つの拳が迫った。鋼鉄を埋め込んだような、異形の拳が。
 打撃の生む風圧が、アイナの頬を正面から叩く。
 
 ドガアアアッ!!!
 
 お腹が潰れ、アナルから黄色の液体が噴射する・・・はずのアイナの肢体に、生まれるはずの苦痛はなかった。
 大きな瞳をさらに大きくして、ツインテールの戦姫は目前の光景を凝視した。
 
 カイザー・ナックルの豪打は、アイナに届いていなかった。
 代わりに横から割り込んだ青い閃光が、〝猛将”の顔面を蹴りつけ大きく吹き飛ばしている。
 
「テ、ティオっ!?」

 閃光と見えた超速度の物体の正体は、強化スーツをほぼ青色で統一した、スカイタイプのウルトラレディ・ティオだった。
 ナックルバスターのダメージから、いつの間に目覚めたのか? だが、スピードを重視したスカイタイプならば、意識を戻したティオが一瞬でアイナの救出に入ってもおかしくはない。それほどの速さがタイプチェンジしたティオには可能なのだ。
 
「ランベールト光弾っ!!」

 左腕を腰に構え、右腕は真っ直ぐ突き出すティオ。その伸ばした拳の先から、白い光弾が連続で射出される。
 スカイタイプになったティオの必殺技、ランベールト光弾。その最大の特徴は、何発も連射できる点にあった。威力こそ通常タイプのゼペリオル光線には及ばないものの、一瞬にして10発は放たれた光の砲弾が、侵略者たちに襲いかかる。
 
「くッ!?」

「コイツっ!」「まだ動けたのカヨ!?」

 逆十字の剣を構えたシスター・マグマが光弾を跳ね返し、二体のガッツ星人は瞬間移動で姿を消す。キックで転倒したカイザー・ナックルには、いくつも白光が着弾した。
 いい攻撃だけど、こいつらを倒すまでにはいかないわっ・・・歯噛みしかけたアイナだが、次の瞬間、ティオの本当の目的を理解する。
 
 連続で発射されたランベールト光弾は、次々に海辺の砂浜に撃ち込まれていた。
 そのたびに、白い砂が爆風によって巻き上がる。濛々と立ちこめる砂のカーテンによって、周辺一帯の視界は遮断されていった。
 
「アイナちゃんっ! こっちよ!」

 分身したガッツ星人が逃げてくれたことで、アイナを拘束していた電撃糸も消えていた。
 ティオの声が耳元で聞こえた、と思った時には、肩を掴まれたアイナの身体は、砂の舞い上がる一角から離れた場所へと連れ出されていた。
 
「ハアっ! ハアっ! ・・・大丈夫でしたか、アイナちゃん」

「・・・なに言ってるのよ、あなたの方がよっぽど重傷じゃない」

 先程まで立っていた戦場が、舞い上がった砂で覆われているのを遠く見ながら、アイナは傍らの青髪戦姫をしっかりと支える。
 窮地からスカイタイプのスピードで救い出してくれたのはティオの方だが、そのダメージは自分より深いのは明らかだった。特に下半身が、ガクガクと崩れかけている。ナックルバスターで破壊された股間や背骨への後遺症は、電撃やオイルで責められたアイナよりずっと重いのだろう。
 
「これで、少しは時間を稼げます」

 ティオがランベールト光弾をやたらと連射したのは、アイナの救出と作戦を練るための時間稼ぎにあったことは、もうわかっている。舞い上がった砂が落ちるまでは、視界を閉ざされた侵略者たちは迂闊に動けないはずだ。
 まともに闘っても勝機が薄いことは、悔しいがアイナも認めないわけにはいかなかった。まして2対3。早々に『最強最速』のマインが倒されたことで、残るふたりの戦姫は圧倒的不利に立たされている。
 
「ねえ。ティオの方が、アイナよりちょ~~っとだけ頭いいと思うから、訊くんだけどさ」

 年齢も戦姫としての経歴もティオの方が少しだけ上だが、アイナには尊重するという発想はない。元々、先輩後輩のような縦社会はキライなのだ。
 本音をいえば、判断力や戦術的な智略などでは、淑やかな青髪戦姫に『ちょっとだけ』では済まない差を感じているのだが、意地でも自分が劣っているとは認めたくなかった。
 ティオやマインは、そんなアイナの態度を気にも留めていない様子だから、これはこれでアリなのだろう。
 
「あいつら相手に・・・どうすればいい?」

「・・・逃げる、という選択肢もあるかもしれません」

「ハア? 冗談でしょっ!?」

 抱きかかえたティオの顔を、たまらず覗き込む。ちょっと羨ましいほどの整った美貌からは、ふざけた様子は一切見受けられなかった。
 
「彼らは・・・とても危険で恐ろしい敵です。あのマインちゃんが、一方的に負けてしまうほどの。パワーや肉体の頑強さでは、敵わないことはアイナちゃんもわかってると思います」

「ぐっ・・・確かに・・・弱くはない、けどね・・・」

「侵略者たちの目的は街の破壊などではなく、私たちウルトラ戦姫の抹殺にあるみたいです。・・・ここで逃げたとしても、不必要な破壊をする可能性は少ないんじゃないかと。一旦退いて、態勢を立て直すのが賢明かもしれません」

 ティオの肢体が小刻みに震えていることに、アイナは気付いた。恐怖のため、ではなく、闘いによるダメージのせいだろう。
 アイナ自身も余裕などない。ぎゅるぎゅると腸が悲鳴をあげ、便意を隠しきれなくなっている。このまま闘っても、悲惨な結末が待ち受けているだけなのかもしれなかった。
 
 ピコン、ピコンと、互いに支え合うふたりの戦姫の胸のタイマーは、赤く点滅している。
 一瞬の、戸惑い。だが、横たわるマインの亡骸が視界に飛び込んだ瞬間、アイナの決意は鉄のごとく固まった。
 
「ないない。ないわ! ウルトラ戦姫が逃げるなんて、有り得ないっ!」

「・・・アイナちゃん?」

「マインをあんな姿にしたヤツらにっ! 背を向けるくらいなら、ウルトラ戦姫なんてやってないっ! これでもあたしはっ・・・ウルトラレディ・アイナさまなのよっ!!」

「よかった。アイナちゃんなら、そう言ってくれると思ってました」

 ニコリと微笑んだティオの顔に、アイナは表面的なものではない美しさを見た。
 消える寸前の、線香花火のごとき儚さと鮮烈。
 淑やかな美麗戦姫の裏に激しい感情を汲み取ったのは、アイナの思い過ごしだっただろうか。
 
「マインちゃんをこんなところに置いていくくらいなら・・・ひとりでも闘うつもりだったんですけどね」

 ズザザザァッ、と清流の調べにも似た音がして、舞い上がった砂が全て地に落ちようとしていた。
 視界が晴れる。その瞬間、3体の刺客たちとの闘いは再開するだろう。
 
「確かに彼らは強いです。でも、ひとつだけ、私たちが勝っている点があることに気付きました」

 大地を揺るがす怒号が響く。ティオに向いていたアイナの顔は、たまらず声の主を見る。
 砂のカーテンの奥から現れた、〝猛将”カイザー・ナックル。6本腕の巨漢が、天に向かって咆哮していた。その両隣には、十字剣を握ったシスター・マグマと、ひとりに戻った〝魔将”マモンが佇んでいる。
 
「パワーでは勝てませんが・・・スピードなら私たちに分があります。タイプチェンジを使えば、きっと勝利への突破口は見えてくるはずです!」



 4
 
 
「タイプチェンジって言ってもっ・・・ティオと違ってアイナは、何度もできないんだからねっ!? それぞれのタイプには、基本一回ずつしか変われないんだからっ・・・」

「わかっています! だから、ガッツ星人以外のふたりは、私が引き受けます。その間にアイナちゃんは、なんとか〝魔将”マモンを倒してくださいっ!!」

 同時に駆け出したウルトラレディ・アイナと、ティオ。それぞれの狙いを定めたふたりは、途中から進路を分けて離れていく。
 ほとんどが青色の強化スーツを着たスカイタイプのティオは、ストロングタイプのままのアイナよりかなりスピードに差があった。一足先にカイザー・ナックルに突っ込むと、矢継ぎ早な打撃を繰り出す。とてもダメージを抱えているとは思えぬ、パンチとキックの連打。
 
 ドドドドドオオオォ!!
 
「てめえッ、ティオォッ――ッ!! ふざけたマネ、してくれるじゃあねえかァッ――ッ!!」

「勝負ですっ、カイザー・ナックル!! スカイタイプの私の速さに、ついてこられますかっ!?」

 ミドルキックを脇腹に突き刺した、と見えた瞬間には、ティオの肢体は一気に〝猛将”から距離を置いていた。
 アイナが教えてもらった通り、ことスピードに関しては、タイプチェンジした戦姫に異次元からの侵略者は追いついていなかった。どうやらナックル星人たちが元いた次元にもウルトラ戦姫はいるようだが、速さという点ではアイナたちこの世界の戦姫の方が上回っているのかもしれない。
 
 〝猛将”にランベールト光弾を放ちながら、巧みにティオは遠く離れていく。
 ヒット&アウェイ戦法・・・と見せかけながら、できる限りアイナが闘いやすい状況をティオは作り出そうとしいる。その真意が、アイナにはよくわかっていた。すでにティオからは作戦を授けられている。1対1にでもなれば、手強い侵略者を倒すことができるかもしれない・・・
 
「ふふ・・・どうやら私も誘っているようですね? ウルトラレディ・ティオ」

 時折飛来する光弾を剣で弾きながら、修道服を着た女異星人が微笑んだ。
 眼が笑っていないことは、遠目からでもアイナにもわかった。挑発的なティオの態度に苛立っているのは間違いない。
 
「分断作戦、のつもりかしら? いいでしょう、その愚かな策・・・我が神の許しを得て、乗って差し上げましょう」

 ドッと地を蹴って、〝謀将”シスター・マグマも、逃げるティオを追っていく。
 ここまではティオの思惑通りだ・・・ごくりと、アイナは半ば無意識に咽喉を鳴らした。いくらスカイタイプのスピードで撹乱するといっても、二体の敵を相手にするティオは危険に違いなかった。それでも囮役を買ったのは、アイナに期待しているが故だろう。
 勝たなければならなかった。身を張ってくれているティオのためにも、無惨に散ったマインのためにも。
 2対3、という苦境を覆すためには、まずアイナがなんとしてでも敵のひとりを倒さねばならない。
 
「あー、なんのつもりかわかんねーけどヨ。オレとションベンくせー小娘とで、タイマンさせたいって魂胆なのカ?」

 一体に戻った〝魔将”ガッツ星人・マモンは、面倒くさそうにアイナの前に立ち塞がった。
 再びごくりと、アイナは生唾を飲みこむ。先程は、不意打ちを受けたからとはいえ、一方的にこのオウムのような姿の異星人に苦しめられた。瞬間移動や分身を駆使する〝魔将”が、並大抵の相手ではないことは身をもって理解している。
 
「カス同然の小娘が、このオレに勝てると思ってんのカネ?」

「うるっさいわねっ! やってみなきゃ、わかんないでしょっ!」

「オレのマモンって名前な、どーゆー意味か、知ってるカ? 『貪欲』っつー意味なんだゼ。なんで『貪欲』かってゆーとだナ」

 声だけを残し、突然オウムのような姿はアイナの眼前から消失した。
 
「うっ!? 瞬間移動っ!」

「悲鳴を聞くのがたまらなく好きでヨー。搾るだけ搾り取っちまうんだよナ。獲物を嬲り殺してヨ」

 背後に沸いたマモンの声に、金髪ツインテールの戦姫は背筋を凍らせる。
 すかさず振り返る。だが、赤色のスーツを着込んだストロングタイプのアイナは、パワーとタフネスは強化されていてもスピードは速くない。
 視界にガッツ星人を捉えた、と思った時には、真下からのアッパーに顎をしたたかに打ち抜かれていた。ゴキャアッ! と骨が歪む音がして、両足が完全に宙に浮く。
 
「ごぶうゥッ――ッ!! ごぼア”ッ・・・!!」

「分身なんかしねーヨ? てめーごときは、オレひとりで楽勝だゼ」

 チカチカと火花が飛んでいる。マモンのアッパーによって、アイナの意識は飛びかけていた。
 だらしなく開いた両脚の付け根。無防備な股間に、〝魔将”の右脚が吸い込まれる。
 
 ドゴオオオォッ!!! ・・・ぷしゅッ、ぷしゅしゅッ!!
 
 衝撃が脊髄を貫いた瞬間、下腹部の筋肉は反射的に弛緩してしまっていた。
 なにかが、決定的な『なにか』が漏れる。若く可憐な乙女としては、敗北を告げるに等しい『なにか』が。
 
「はアぎゅう”ぅ”っ~~っ!? へげア”っ・・・!! あがああ”ァ”――っ!!」

「おいおい、汚ねーナー。ションベン漏らしんじゃねーヨ! ん? マグマのヤツのオイルが漏れたのカ? ま、どっちでもおもらしには変わらねーカ」

 股間から黄色の液体が飛沫をとばしたのは、アイナにもわかった。
 羞恥で死にたくなる。だがそれ以上に、恥骨が砕けたような激痛に、悶えずにいられない。股間を押さえて痙攣するツインテール戦姫の前で、右脚に付着した黄色の液を、ガッツ星人が拭き取っている。
 
「うぐう”ぅ”っ・・・!! うああ”っ、漏れて、ないっ!! 漏れてなんか・・・ないわよっ!!」

「ゴゴゴッ! しっかりおもらししてんじゃねーカ! じゃあ認めざるを得ないよーに、もっと盛大にスプラッシュといこうかネ」

 ストロングタイプになっている今のアイナは、パワーだけなら〝魔将”を上回っているはずだった。強く右手を握り締める。
 だが股間に痛撃を喰らった直後では、動きは鈍い。反撃のストレートを繰り出したときには、またもマモンの身体は目の前から消えていた。突きのばした右腕が、虚しくなにもない空間を貫く。
 
「ううぅっ、このぉっ、ちょこまかと!! また瞬間移動っ!?」

「ゴゴゴッ! バカな小娘メ。後ろダ、後ろ」

 背後に出現したマモンの両手には、バチバチと火花を飛ばす電撃糸が握られていた。
 大きく膨れ上がった、アイナの見事なバストに糸が巻き付く。ガッツ星人の両手が左右に引っ張ると、糸に縛られた両胸がギュウッと潰され変形する。
 もちのように弾力あるボリューミィな乳房に、高圧電流がこれでもかとばかりに注がれる。
 
 バヂバヂバヂィッ!! バババババッ!!
 
「ふぎゃああああ”ア”ア”ァ”ッ―――ッ!!! 胸へぇ”っ!! 胸ぇ”、やける”ぅ”ぅ”っ~~~ッ!!!」

「デッケーオッパイはどんだけ嬲っても飽きねーゼ。タイプチェンジつって、より巨乳になっちまったのは失敗じゃねーのカヨ?」

 糸で強烈に左右から搾られたアイナのバストは、横からみるとひょうたんのように真ん中が窪んでいた。
 全身を突っ張らせ、痙攣するツインテール戦姫。何百匹という蜂に刺されているような激痛に、アイナの意識が飛び掛かる。
 ツンツンに立ったふたつの乳首が、赤いスーツを大きく盛り上げていた。叫ぶアイナの表情は、悦楽に蕩けているようにも見える。電撃に悶絶しているだけなのに、苦しむ可憐な少女の姿は随分と卑猥に映った。
 
「さーて、食道から腸まで詰まったマグマのヤツのオイルを、ぶちまけねーように必死にガマンしてるけどヨ。どこまでガンバレるかナ?」
 
 マモンの左右の掌の間に、光線が繋がる。光線のロープ、とでも言えばいいだろうか。バリバリと放電しているのを確認するまでもなく、電撃糸の極太版、といったところだろう。
 そのロープの一端を〝魔将”が千切り取る。電撃光線で造られた一握りの塊が、マモンの右手の上でブルブルと震えている。
 
「電撃のスライム、ってとこだナ。コイツも鋼の硬さとゴムの柔らかさを兼ね備えてる、ってスグレモンだゼ。で、コイツをどーするかっていうとダナ」

 放電している光線の塊を、ガッツ星人はアイナのカラータイマーに押し付けた。
 
「あぎいィ”ィ”っ!!? ぎゅああ”っ!! ぎゃああああ”ア”ア”ア”っ~~~ッ!!!」

「ギャハハハッ!! おめーみたいな弱い戦姫が相手で、たのしーゼ! マインのヤツはちょいとばかし、脅かしてくれやがったがヨー」

 また光線ロープの一部を千切り取ったマモンが、今度はアイナの額のビームランプに張り付ける。
 赤色に灯った結晶に、バチバチと稲妻が駆け巡る。エネルギーの貯蔵庫を焼かれる苦痛に、ガクガクと悶え踊るアイナ。ストロングタイプだからこそ耐えてはいるが、筋肉が電撃に麻痺してしまい反撃までには移れない。
 
「へぶべぇ”っ!! ふぎィ”っ!! ぎゃああ”ア”っ・・・!!」
 
「おいおい、まだ電撃スライムはこんなに残ってるゼ? 今度はココがいいカネ」

 ロープを千切って、また掌大の塊にすると、〝魔将”はアイナの股間に右手を滑らせる。
 真っ赤なショーツに隠された、大事な秘唇。その縦に割れたクレヴァスの先頭、過敏な肉豆にマモン言うところの電撃スライムがぶちゅりと付着する。
 
 バジュンッ!! バヂバヂバヂィッ!!
 
「ぎゃあふぅ”っ!! あぎイイィ”ィ”っ―――ッ!!! クリ、クリィ”ッ!!! ア、アイナぁっ、と、とんぢゃう”う”ぅ”っ~~~ッ!!!」

「ダセー小娘だゼ!! おい、まだいっぱい残ってるって言ってんダロ!?」

 胸から、ふたつの結晶から、股間から。弱い部分から送り込まれる高圧電流に、アイナの全身は突っ張る。ピンと硬直し、爪先立ちになった戦姫は棒立ちとなっていた。
 次々に張り付けられる〝魔将”の電撃スライムを、避けることができない。激痛のなかでアイナは、己が蹂躙されるしかない肉人形と化している事実を悟った。
 
(ダメっ、ダメぇ”っ~~~っ!!か、勝たなきゃ・・・勝たなきゃいけない、のにっ・・・出ちゃうっ・・・出ちゃうぅ”っ~~~っ!!)

「女の股間には、敏感なトコがいっぱいあるからヨー。全部使わなきゃもったいねーヨナ」

 マモン=『貪欲』の名を冠するガッツ星人は、光線ロープから拳ほどの大きさの塊と、やや細長い塊とを千切り取る。
 拳大の電撃スライムは、女性器に繋がる肉壺のなかへ。
 そして細長いものは、少女戦姫のアナルへとウブズブ埋められていく。
 
「あひイ”ィ”っ!!? あぎゅあ”あ”ア”っ、うあああ”あ”ア”ア”っ―――ッ!!! シビっ、シビレぇ”っ!! アイナのあしょこぉ”っ・・・ヒビレひゃふぅ”っ~~~ッ!!!」

 バヂバヂバヂッ!!バリリッ!! バリバリバリィッ――ッ!!!
 
 股間に三箇所も鋭い電撃を撃ち込まれ、ツインテール戦姫の下半身はガクガクと壊れたように震えた。
 子宮に、直腸に、焼いた鋼線をねじ込まれたのようだった。熱く、刺されるような激痛。下腹部の筋肉が麻痺し、力が抜けていくのをアイナは止めることができない。戦姫の意志など無視して、括約筋が緩んでいく・・・
 
 ぷしゅッ・・・ぶじゅじゅッ・・・!! ボタタタッ・・・!!
 
 小水の排泄口と肛門から、黄色のオイルが再び漏れ出る。
 アイナのお尻の下、赤いショーツに沁みが出来、隙間から溢れたオイルが糸のように垂れていく。先程キックの衝撃で漏れたときとは違い、今度は途中で止まらなかった。ボトボトと、いつまでも垂れる。ツインテール戦姫の股間から、蛇口をひねったように黄色い潤滑油がトロトロ落ちる。
 
「ひひゃああ”っ・・・!! ち、ちがぁう”ぅ”っ~~っ!! アイ、アイナのぉ”・・・おしっこ、ぢゃないぃ”っ~~っ・・・!! アイナはぁ”・・・おもらひ、なんかぁ・・・!!」

「ゴゴゴッ! バーカ。どう見ても、てめーはおもらし女じゃねーカ」

 最後のひとかけら、左手に残った電撃スライムを、マモンはアイナに突き刺した。
 ツインテール戦姫がもっとも感じるところ、性感帯の集中した、お臍の穴に。
 
「んはあ”ア”っ!!? はびゃあ”ア”っ、ふぎゃぎゃぎゃあああア”ア”ア”っ―――ッ!!!」

 ブシュウウッ!! ぷしゃしゃッ・・・ブッシャアアアアッ――ッ!!!
 
 これまでとは比べものにならない、大量の黄色い飛沫がアイナの股間で噴射した。
 同時に絶叫とともに、口からもオイルが逆流する。上と下、2つの黄色い噴水がアイナの肢体をヌラヌラと濡れ光らせていく。
 たまらず漏れてしまった、これまでとは違っていた。電撃で焼かれ、性感をも刺激されたアイナは、限界を迎えてしまったのだ。本当の失禁。全身の力が抜けた戦姫は、消化管に詰められたオイルを全て垂れ流して放出していた。
 
「ギャハッ、ギャハハハアッ――ッ!! 見ろヨ、このションベンも腸内も全部ぶちまけてるのがッ・・・ウルトラレディ・アイナだゼッ!! 生意気な小娘のおもらし姿、よく見てやるんダナッ!!」

 噴射の飛沫が途絶えると、オイルまみれのアイナの肢体はゆっくり前傾して倒れていく。
 白目を剥いたウルトラ戦姫は、自らが噴き出した黄色の湖に、受け身をとることなくバチャリと沈んでいった。
 うつ伏せに倒れ、ピクリとも動かなくなったウルトラレディ・アイナの背に、ガッツ星人・マモンの哄笑が降り注いだ。
 
 
 
 5
 
 
「さて、と。んじゃー、とっととカラータイマー引き抜いて、トドメ刺すとするカ。メフィラスのダンナに正式に四天王に認めてもらうには、必要だってんだからナ」

 地に伏せるウルトラレディ・アイナの胸から、ガッツ星人・マモンは光線で作成した電撃糸を引き抜いた。
 浜辺に出来上がった黄色の水溜りに、ツインテールの戦姫は瞳をつぶって横たわっている。呼吸をしているのかさえ、定かではなかった。自身の口と股間から噴射したオイルの池に沈んだ戦姫は、全身から黒い煙をかすかに昇らせて指先ひとつ動かさない。
 
 急所という急所にあれだけ電撃を浴びせ、失禁するまで責め抜いたのだ。見るからに未熟そうな、勢いだけが取り柄といった様子の若い戦姫に、『おもらし』は相当堪えたはずだ。
 肉体的に、よりも精神的なダメージで、アイナが再び立ち上がれるとは思えなかった。マモンからすれば少し物足りない気もするが、『裏地球』のウルトラ戦姫など所詮この程度のものだろう。
 
「ま、おめーが弱いんじゃねーヨ。オレ様が強すぎるんダ」

 オイルで濡れ光るアイナの肢体を、〝魔将”を名乗る予定のガッツ星人は蹴り転がして仰向けにする。
 
 ギョッと肩を震わせた瞬間、衝撃が股間に叩き込まれていた。
 
 失神しているはずのアイナの瞳が、大きく見開かれている。
 戦姫の右脚が、マモンの股間を蹴り上げていた。ストロングタイプから繰り出されたキックの威力に、下腹部にヒビが入ったかのような激痛が走る。
 
「ッぎィ”ッ!! ぐおおお”ぉ”ッ・・・!! オオオッ――ッ!!?」

「・・・や・・・っと・・・電撃糸、の・・・拘束っ・・・!! ほどいて・・・くれたじゃ、ないっ・・・!!」

 コイツ、まだ動けたのカッ!?
 
 股を両手で押さえながら、マモンは後退した。怒りと驚愕。グツグツと小娘への感情が黒い炎となって燃え盛るが、脳のどこかが『気をつけろ!』とも叫んでいる。心も身体もボロボロにしたはずなのに、立ち上がってくるとはやはりウルトラ戦姫は侮ってはならない。
 
「アイッ、ナァッ・・・!! て、てめーッ・・・!!」

「ストロングタイプじゃなきゃ・・・負けてた、かな・・・・・・油断し切ってくれたから・・・助かったわっ・・・!」

「こ、のッ・・・!! おもらし女がッ!! よくもヌケヌケと・・・立ってきやがったじゃねーカ!」

 苛立ちまぎれに吐いた『おもらし』という言葉に、ツインテール戦姫の顔がさっと赤くなる。
 やはり思春期の戦姫にとっては、公衆の面前での醜態はショックが大きいようだった。だがすぐに、頬を染めたアイナは鋭く睨み付けてくる。
 
「ぉも・・・らし・・・なんかでっ!! ・・・このアイナさまが・・・参ると思ってんのっ!?」

「ハァッ!? ショックアリアリの顔で・・・強がるんじゃねーヨ!」

「ティオがっ! マインがっ! 頑張ってくれてるのに・・・っ!! アイナがこんなとこで、負けるわけにはいかないんだからっ!!」

 吼えるアイナの内部で、光のエネルギーが膨れ上がるのをマモンは感じた。
 まだこれだけの力を秘めていたのか。若い戦姫を侮っていたことを、ガッツ星人は少し後悔する。おもらしをさせることにこだわってしまい、攻撃がやや性的に偏っていたかもしれない。だが、少々反撃されたところで、未熟なアイナに負けるとは思えなかった。十分な余裕をもって、マモンは悠然と構えをとる。
 
 左右の拳を、胸の前であわせるツインテールの戦姫。
 拳の間に炎が生まれ、それは巨大な光弾となった。赤々と燃える灼熱の球体を、アイナは引き絞った右拳で殴りつける。
 
「ストロングタイプ、最強必殺技っ!! ガルネードボンバーっ!!」

 ドゴオオオオォォッ!!!
 
 超高熱の巨大光弾が、マモンに真っ直ぐ向かってくる。
 風圧と熱の余波とで、赤色弾が近づくだけで体表が焦げる。マモンはゾッとした。これだけの威力の光弾を喰らえば、一撃でジ・エンドだ。
 
「・・・オレ様じゃなきゃ、やられてたかもナ」

 直撃の寸前、迫る灼熱弾の前から、マモンの肉体が消失する。
 瞬間移動でアイナの背後に現れた〝魔将”は、慌てて振り向く愛らしい顔に、渾身の右ストレートを撃ち込んだ。
 
「あぐううぅ”っ――っ!! ・・・ぐぅ”っ!! チェンジ、ミラクルタイプっ!!」

 口元から赤い糸を引いて吹っ飛ぶアイナのスーツが、赤一色から青へと変わる。
 乳房や下腹部を隠すスーツの面積が、ぐっと少なく、際どいものになっていた。爆乳はこぼれおちそうになり、股間の秘裂も少しでもズレたら見えてしまいそうだ。
 
「ほうほう、それがスピードに特化したとかいうタイプのようだナ。ストロングタイプじゃまるで歯が立たねーから、やっと作戦変更ってわけカ」

 唇の端から流れる鮮血を拭いながら、黙ってアイナは立ち上がる。
 消化器官内部のオイルを全て出し切ったことで、動きは若干よくなっているようだ。しかし、電撃によるダメージの深さは隠しきれない。マモンからすれば、多少すばしっこいだけの戦姫など、恐れるに足りなかった。
 
「・・・ティオは・・・スピード勝負ならアイナたちに分がある、って言った。・・・このミラクルタイプでお前に勝ってみせるっ・・・!!」

「ゴゴゴッ! ヘロヘロの小娘が笑わせるゼ! 速さが自慢のよーだがヨ、いつまでもつかネ?」

 残り少ない体力では、アイナが全力で動ける時間はたかがしれている。
 すぐに勝負を仕掛けてくるはず・・・という〝魔将”の予測は当たっていた。青い閃光となったツインテール戦姫は、凄まじい速さでマモンに突っ込んでくる。ミラクルタイプのスイードは、『最強最速の戦姫』と呼ばれたマインと比べても遜色のないものだった。
 
「やるナ! だが、オレ様には瞬間移動があるんだゼ!」

 アイナが拳を放ったときには、ブンッ! と音がしてガッツ星人の身体は背後に移動していた。
 
「ううう”っ!! くぅっ!!」

 超スピードで動くアイナと、テレポートを繰り返すマモン。
 一進一退の攻防、ではあるが、時間が経てば経つほど、どちらに有利になるかは明らかだった。すでにボロボロのアイナを相手に、余力十分なガッツ星人は口元を綻ばせる。
 
「ゴゴゴッ!! オレ様の勝ちみてーだナ! 小娘にしてはまずまず頑張ったじゃねーカ!」

「・・・これで・・・勝負よっ!! オウムヤローっ!!」

 アイナの右手周辺で、景色が歪む。
 周囲の空間を圧縮しているのか? アイナがやろうとしていることが、すぐにマモンにはわかった。アイナの右手で異常に空間が凝縮し、漆黒の球体となって渦巻いている。
 あの球体に触れたら、どんな物質も消滅してしまうだろう。ミラクルタイプだからこそ可能な、恐るべき必殺技に違いなかった。
 
「くらえっ!! レボリュームウェーブっ!!」

 渦巻く漆黒の球体が、アイナの右手から発射される。
 真っ直ぐ、決して早いとはいえない速度で、マモンに向かってくる球体。先程の灼熱弾と同じく、当たれば一撃で即死なのは間違いなかった。
 
「・・・だからヨー、オレ様には瞬間移動があるんだヨ」

 ブンッ、と音を立てて消失する〝魔将”の肉体。
 だがそのタイミングを見計らっていたように、ミラクルタイプのアイナは漆黒弾のあとを追うように疾走した。
 
「もうわかってるんだからねっ!! あんたが・・・アイナの後ろに現れることはっ!!」

 ダッシュした戦姫の身体が途中で反転する。元自分がいた場所を振り返る。
 ストロングタイプで必殺技を放った時も、マモンはアイナの背後に移動した。その習性を確認するために、若き戦姫は灼熱弾を敢えて撃ち込んだのかもしれなかった。
 
「その通りだヨ。瞬間移動した時には、ついつい相手の真後ろに現れちまうんダ」

「えっ!?」

 敵に行動を読まれ、驚きの声を漏らしたのはアイナの方だった。
 ガッツ星人が再び姿を現したのは、アイナが元いた場所、ではなく移動する前と全く同じ場所であった。漆黒の球体が通り過ぎるのを待って、再び元に戻ってきたのだ。
 結果的にマモンは、後ろを振り返っているアイナの、背後を取ったことになる。
 
「裏の裏を読んだゼ。てめーが真後ろを狙ってるのは丸わかりなんだヨ!」

「・・・レボリュームウェーブが通過するのを・・・待ってたってことね」

 右手に渾身の破壊エネルギーを、マモンは集める。
 もう遊びは終わりだった。背中からアイナを貫き、胸のカラータイマーを抉り取る。二人目の戦姫を始末したら、あとは残るティオを蹂躙するだけだ。
 
「じゃーナ。ウルトラレディ・アイナ」

「・・・よかった。やっぱりティオの作戦は、アイナよりちょっと上ね。裏の裏の裏まで読むんだもん」

 ツインテール戦姫の言葉に潜む安堵の響きに、〝魔将”の背筋は凍り付いた。
 マズイ。なにか、マズイ。
 危機を悟った時には遅かった。寒気が駆け巡る背中に、生じる違和感。精神的なものではなく、現実的な、物理的な変化がマモンの背中を襲っている。
 
 強烈な力で、マモンの肉体は背後へと引っ張られていた。
 
 振り返る、オウムのような頭部。その眼に映るのは、余裕をもってかわしたはずの漆黒の球体・・・アイナが空間を圧縮させて作った必殺の砲弾だった。
 
「それ、さ。小型のブラックホールみたいなものなのよね。それがミラクルタイプの必殺技、レボリュームウェーブ」

 周囲の空間を圧縮する強い力は、あらゆる物質を飲みこむ小型のブラックホールを造り出していたというのか。
 ウルトラ戦姫の凄まじい能力を、今マモンは思い知る。必殺技の威力だけではない、マモンの動きを完全に読み切った、その戦術眼も。
 レボリュームウェーブが通過すれば、油断したマモンが元の場所に現れることをアイナは予測していたのだ。
 いや、正確にいえば、策を授けたであろうティオが。アイナの必殺技と、マモンの性格を考慮したうえで、もっとも成功率の高い策をティオは構築していたことになる。
 
「て、てめーらァッ・・・ッ!!!」

「いくら瞬間移動が得意なあんたでも・・・一度ブラックホールに飲まれたら、もう脱出はできないわよっ・・・!!」

 ギュオオオオオォォッ・・・!!
 
 オウムのような異星人の肉体を、小さな漆黒の球体が呑み込んでいく。
 渦巻く球体が空間を歪ませ、その螺旋のなかにマモンを取り込んだ。奇妙に捻じれる〝魔将”の身体。アイナの言葉通り、もはやレボリュームウェーブの吸収から逃れることなどできなかった。
 
「ギャアアアッ・・・ウギャアアアッ――ッ!!!」

 絶叫とともに、小型ブラックホールに吸い込まれるガッツ星人。
 球体が消えるとともに、その肉体はこの世界から消滅していた。
 
「・・・これで・・・やっと2対2、ね・・・」

 大きく肩で息をする、ツインテールの戦姫が呟く。
 残る侵略者は、水玉模様の〝猛将”と、修道女の格好をした〝謀将”。
 孤軍奮闘するウルトラレディ・ティオの元へ、フラつくアイナは駆け寄った――。
 
 
 
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| ウルトラ戦姫物語 | 00:39 | トラックバック:0コメント:1
コメント
久しぶりの更新となりましたパラレル編の第3章です。次回でパラレル編は完結の予定です。平成ウルトラはほとんど知らないので、資料を見ながら書いているのですが・・・なんとか雰囲気ができているといいですね。

しかし、予定よりもずっと長くなってしまっているのが、ボクの悪いところです・・・暑くてダメージがありますけど、なんとか他の予定も頑張って進めていきたいですね。
2016.08.09 Tue 00:40 | URL | 草宗
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