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巨大変身ヒロインのオリジナル小説を書いている草宗の独り言をつぶやくブログです。

草宗の書斎

ウルトラ戦姫物語 パラレル編 第2章「最強最速の最期」 | main | ウルトラ戦姫物語 パラレル編 第1章「復活の四天王」
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オメガスレイヤーズ ~カウント5~ 最終話 カウントゼロ。始まりの終わり⑤
 9、純血
 
 
 153cm。38kg。
 それがオメガカルラこと四方堂亜梨沙のサイズだった。パッと見てわかる通り、17歳の女子高生としても小柄の部類に入る。176cmの聖司具馬と並走すれば、その小ささはより際立っていた。
 
 華奢と断じて差し支えない体型、であるはずなのに、線の細さをあまり感じないのは、動きの躍動感故だろう。喩えるなら、成体になる途中のバンビ、といったところか。半袖のボディスーツから覗く腕も、フレアミニから生えた脚も、しなやかで力強さがあった。
 バストサイズは78cmと控えめなのに、胴体自体が細いために十分なボリュームが感じられる。カップとしてはC。形のいい美乳が、金色の『Ω』マークを押し上げている。
 
 萌黄の風天使カルラのコスチュームは、本人の肉体に合わせたように、コンパクトな印象だった。
 ほとんどが黄色で統一されたスーツもフレアミニも、全体的に丈が短い。走る振動でお臍はチラチラと覗き、スカート奥のアンダースコートも見えてしまいそうだ。
 大きな襟がついている、というのは他のオメガスレイヤーにない特徴だが、その胸元もまた大きく開いている。
 露出の多い衣装は、破妖師としては刺激が強すぎる・・・のだが、少女の肉体自身が放つ活発さが、色香よりも健康的な印象を濃く映していた。
 
「姉妹? ってことは、天音の妹もヤツらのアジトに捕まってるわけッ!?」


 すっかり夜の闇が落ちた首都を駆けながら、隣りの司具馬に声をかける。
 本来ならば、オメガスレイヤーの姿を一般人の前に晒すなど、あってはならない行為だった。妖化屍を狩る破妖師は、あくまで裏に生きる存在なのだ。しかし、事態は緊急を要している。光属性のオメガスレイヤー、最強のオメガヴィーナスに危機が迫っているのだ。悠長に掟を守っている余裕はない。
 
 また、一般人がオメガカルラの全力疾走を見かけたところで、黄色の突風が通り過ぎたとしか、認識できないことだろう。
 『水辺の者』とはいえ、同じ速度で走れる司具馬が異常なのだ。
 
「知っているのか!? 郁美のことを」

 普段は東北地方の警備に当たっている四方堂亜里沙が、オメガヴィーナスの妹と面識があるとは意外だった。
 
「まあね。アリサもさ、いたから。オメガヴィーナスを選ぶ選考会場に」

「会場に・・・というと、あの山奥の洋館のことだな」

 4年半前。雨。夜の山中で。
 司具馬の脳裏にも、記憶が蘇る。四乃宮天音が初めてオメガヴィーナスになったあの日。生まれたばかりの最強戦士と、六道妖とが交戦した日。
 
「・・・オレが天音や郁美と初めて出会ったのも、あの日だった」

「郁美さ、年上なのにすごく気さくにアリサに話しかけてきたんだよね。いい子だったな。でもオメガスレイヤーのこと、全然教えてもらってなくてビックリしちゃった」

 緊迫した空気の漂う洋館のなかで、唯一会話した『征門二十七家』の友人をカルラは思い出していた。
 
「あそこにいる女の子たちはみんな・・・死を覚悟してたってのにね」

「・・・ご両親と天音の計らいで、郁美にはなにも伝えていなかったらしい。最初から、四乃宮の一族は、天音が全てを背負うことに決めていた」

 初めて天音と、キスを交わした日。
 彼女が秘めていたすべての想いを、司具馬は打ち明けられた。心が通じ合ったと、確認できた瞬間だった。
 
「『征門二十七家』に生まれた限り・・・女子は闘いの宿命から逃れられない。妖化屍が、この世からいなくなるまで」

「妖化屍がいなくなるなんて、有り得ないっての。それ、『死者がいなくなる』ってのとほとんど同じ意味よ?」

「そうだ。だからこそ、天音が犠牲になることで、せめて娘のひとりは普通に幸せを掴んで欲しいと両親は願った。天音も、喜んでその責務を受け入れた」

 ギリ、と司具馬の歯が鳴る。
 どこか飄々とした青年の、これほど激しい形相を、亜梨沙は見たことがなかった。
 
「叶えねばならない。天音の願いを。郁美の幸福を。あの姉妹を、絶対に死なせてはいけない」

「あーあ、なんかジェラシるなぁ。アリサも『征門二十七家』に生まれちゃったカワイソーな女の子なのに」

 冗談めかして、ポニーテールの少女は言った。
 
「まっ、ひとのために妖魔退治も悪くないけどね」

 風が舞う。カルラの背に翻る黄色のケープが、激しくたなびく。
 萌黄の風天使は、一段と走る速度をあげたようだった。
 
「天音と郁美・・・あと、あんたのためにも、ふたりは必ず助けてみせるわ。この命に代えてもね」



 左右の胸と股間から、蠢くような電流が押し寄せる。
 痺れるような、蕩けるような、その刺激が快感であることを、すでに郁美は知っていた。強引に、骨の髄まで沁み込まされた、と表現するのがより正しいだろう。催淫の秘薬と執拗な愛撫で、美しき女子大生は官能の深淵に叩き落されていた。いまだ処女であるにもかかわらず。
 じわじわと湧き上がる快楽によって、郁美の意識は現実に引き戻された。
 
「ふぅっ・・・!! ぁ”っ・・・ぁア”ッ・・・・・・!!」

 気を失っていたのは、何分だろう? あるいは何時間か?
 目覚めてみると、郁美を取り囲む状況に、大きな変化はなかった。
 悪夢は夢などではなく、やはり現実で・・・残酷すぎる光景を郁美の網膜に焼きつける。
 
 緑色のロープに亀甲縛りにされたオメガヴィーナスが、目の前には吊り下げられていた。
 ボトボトと、滝のように飛沫が、姉である天音の肢体から垂れ落ちている。麻縄の食い込んだ股間からは、特に体液の量が酷かった。白目を剥いた、自分と同じ顔が、ヌラヌラと濡れ光っている。
 
 スーツを破りとられ、剥き出しになった乳房がわずかに上下している。オメガヴィーナスはまだ、生きていた。信じがたい生命力だが、元々の天音自身の肉体の強さと、完全に消滅させるのは難しいというオメガ粒子のおかげだろう。
 郁美もよく使う除菌用のウェットティッシュなどに・・・『99.9%除菌』などと表記してあるのを見かける。
 『100%』という表示にお目にかかったことはないが、その理由をこんな形で理解することになるとは思わなかった。菌の一種であるというオメガ粒子も、執拗に〝オーヴ”で責め立てられてもゼロにはならないのだ。ほんのわずか、0.1%ほどになっても、しぶとく残っている。
 
 とはいえ、限りなく弱り切った今のオメガヴィーナスは、もはや最強でも無敵でもない。
 天音の死は近い。まして六道妖には、その気になればいつでもオメガヴィーナスを細切れにできる、紫水晶の剣がある。
 
「あ”っ・・・あああ”っ・・・!! いや・・・いやぁっ・・・・・・!!」
 
 両腕を真っ直ぐ天に向かって突き出した姉の姿は、白銀の光女神が飛翔しようとしているようにも見える。
 だが実際にはオメガヴィーナスは・・・官能に飲まれて、昇天していた。
 惨めに喘ぎ悶え、ヨガリ狂った天音の痴態が、脳裏に蘇る。『ケガレ殺し』の強壮興奮剤を服用されたオメガヴィーナスは、悦楽に負けたのだ。あれほど感度が過敏になっては耐えられるわけがないと、同じ媚薬の餌食になった郁美にはわかる。今でも郁美の子宮は、松明を突っ込まれたかのようにアツくたぎっている。
 
「ホホホッ・・・!! また地獄に戻ってきてしまったねぇ、小娘?」

 背後から、〝妄執”の縛姫が耳元で囁く。
 ようやく郁美は気付いた。胸を襲うモゾモゾとした快感は、縛姫の両手で揉み潰されているためだと。大蛇ではなく、人間の形をした手も〝妄執”は持っているようだ。
 
「死ねなくて残念だったねぇッ!? 簡単にラクになどさせるものか、お前たち姉妹には苦しみ抜いてもらわないと」

 痺れるような快感、だけでなく、痛みも胸を襲っているのは、全身の体重がバストにかかっているためだった。縛姫は背後から乳房を鷲掴んで、郁美を持ち上げているのだ。
 そうでもしないと、首に巻き付けられた髪によって、郁美は首吊り状態になってしまう。
 敢えて六道妖が、郁美を生かしているのは明白であった。
 
「くふぅッ・・・!! ぅあ”ッ・・・あ、あたしっ・・・は・・・もう・・・・・・ダっ」

「ゲヒ、ヒヒヒ・・・あたしはもうダメ~~・・・そんなのはわかってるんだよぉ~、郁美ちゃ~~ん・・・・・・イキまくってぇ、心もカラダも壊れかけてるのはぁ~~・・・わかってるんだよぉ~~・・・」

 〝流塵”の呪露の声は、下腹部から響いてきた。
 失神する以前よりも、ずっと大量の泥が郁美の下半身を覆っている。餓鬼妖の怪物は、狙いを妹一本に絞ったようだ。股間の秘唇から絶え間なく甘い電流が送られるのは、呪露の泥愛撫が原因であった。
 
「お前なんかいつでも殺せるからねぇ~~・・・ウヒヒ・・・楽しいのは、大好きなお姉ちゃまの死ぬところを~~・・・見せつけることだよぉ~~ん」

「よく見ておくがよい、オメガヴィーナスの妹よ」

 地獄妖・骸頭の声に視線を送った郁美は、整った美貌を蒼白にさせた。
 ひと目見た瞬間に、六道妖が、いよいよ本格的にオメガヴィーナスとの決着をつけるつもりなのが確信できたのだ。
 
 皺だらけの怪老の頭上には、真っ黒な靄がモクモクと沸き立っている。教会に現れてはいけない存在が、〝百識”の魔術によって生み出されようとしていた。
 かつて郁美もその眼にしたことのある、巨大な悪魔の掌。
 通称〝ディアボロハンド”。骸頭最大にして最強の黒魔術が、気絶したオメガヴィーナスに襲いかかる。
 
「あ”っ、ああ”ッ!! やめ、やめてぇ・・・! お願い、お姉ちゃんをッ!!」

「そろそろ終焉を迎えねばのう。これよりオメガヴィーナスの、処刑を始めようぞ」

 亀甲縛りにされた白銀の光女神を、身の丈以上はある悪魔の掌が鷲掴む。左手は上半身を。右手は下半身を。
 意識を失っている天音に、抵抗できるはずもなかった。仮に覚醒したとしても、〝オーヴ”製の縄で、それも縛姫によって緊縛されたオメガヴィーナスに、脱出は不可能だ。
 白銀の光女神を抹殺する包囲網は、十重二十重に完成している。
 
「まずは『純血』。オメガヴィーナスの血を・・・とことん搾り尽してやるわいッ!!」

 オメガヴィーナスの背中には、紫水晶で出来た刃が3つ、突き刺さったままだ。腹部には、結晶によって貫通した穴さえ開いている。
 右の太ももを抉り抜いた穴は、さらに大きかった。アメジストの剣で貫かれたのだ。今のオメガヴィーナスは、オメガ粒子を失って苦しんでいるだけでなく、肉体の損傷も激しい。
 
 そんな傷だらけの美女神を、巨大な悪魔が力の限りに握り潰したら・・・・・・
 
「ダッ・・・・・・ダメぇッ~~~ッ!!! お姉ちゃんがッ・・・死んでしまッ!!」

「ヒョホホホホォォッ――ッ!! 派手に『純血』を撒き散らせッ!! オメガヴィーナスぅぅッ~~ッ!!!」

 ギュウルルルルルウウウッッ・・・・・・ッ!!!
 
 オメガヴィーナスを握り掴んだ〝悪魔の掌”が、雑巾を搾るかのように白銀の肢体をねじり回した。
 
「ッんう”ッ!!? ガア”ッ!! ・・・ぅあああア”ア”ア”ッ~~~ッ!!! ウギャアアアア”ア”ア”ッ―――ッ!!!」

 カッ、と瞳を開いた天音は、獣のような絶叫を迸らせた。
 うっすらと腹筋の浮かんだ、くびれたウエストがギュルリと一回転する。
 無慈悲な〝ディアボロハンド”に捻じられ、オメガヴィーナスの下半身は、360度旋回していた。
 
「ウアアアア”ア”ア”ァ”ッ~~~ッ!!! アア”ッ、ぐアア”ッ!! はアぎゅウ”ッ!! お腹ァ”ッ!! お腹がァ”ッ!! ・・・・・・捻じィ”切れェ”ッ・・・るゥゥ”ッ~~~ッ!!!」

 ブシュシュッ!! ブジュウウ”ッ!! ブシュウウゥゥッ―――ッ!!!
 
 白銀と紺青の肢体から、鮮血のシャワーが噴霧される。教会の聖堂内を、赤く染め上げていく。
 普通の人間なら、むろん即死は免れないだろう。しかし四乃宮天音の身体には、いまだオメガ粒子がかすかではあっても残っている。強靭なオメガヴィーナスは、捻じり回され、大量に失血しようとも死ぬことができない。
 
「キヒィッ!! ヒョホホホオオォッ!! さすがに頑丈じゃのう、オメガヴィーナスッ!! じゃがどこまで耐えられるかなッ? 伝説の白銀の戦士が、深紅に染まってゆくわいッ!!」

「ぐあア”ぅッ!! ウガあ”ッ、アア”ッ――ッ!!! 捻じれェ”ッ・・・!! 捻じれッ・・・てぇ”ッ!! あぎゅうう”ウ”ウ”ゥ”ッ~~~ッ!!! こんなァ”ッ!! こんッ・・・はああ”ア”ア”ァ”ッ―――ッ!!!」

 スレンダーな天音のボディが完全に一回転しているというのに、〝悪魔の掌”は容赦なくその完璧なプロポーションをさらに捻じっていく。
 背中に埋まっていた鋭利な紫の結晶が、噴き出す鮮血とともにたまらずジュボリと抜け落ちた。
 腹部や、右脚の太ももに開いた穴からは、グブグブと泡の混ざった血が溢れる。まさしくオメガヴィーナスは、雑巾のごとく『純血』を搾り取られていた。〝ディアボロハンド”が捻じり回すほどに、ブシュブシュと乙女の肉体から鮮血が霧を吹く。
 
「おねえッ・・・・・・ちゃッ・・・・・・!!」

 目前で展開される地獄絵図に、郁美は注がれ続ける肉悦の愛撫さえ、数瞬忘れた。
 激痛に苦しみもがき、美貌を歪ませたまま・・・オメガヴィーナスは血飛沫を撒き散らした。聖堂に、赤い雨が降る。体内の三分の一は、血を流したのではないか。
 輝くような白銀のボディスーツは、おぞましい紅色に変色していた。
 瞳を見開き、外れそうになるまで顎を大きく開いて、天音は再び意識を失っていた。
 
「ふむ。これ以上は、あまり『純血』も搾り取れぬか。まあよいわ」

 想定通り、といった調子で骸頭は呟く。〝悪魔の掌”が、闇に溶けるように掻き消えていく。
 もはや緊縛の必要はない、そう悟った縛姫が〝オーヴ”を含んだ麻縄をほどく。亀甲縛りから解放された乙女の肢体は、力無くズルリと縄目から抜けた。
 
 己に血に濡れたオメガヴィーナスのグラマラスボデイは、頭からぐしゃりと、教会の床に落下した。
 
「あははは! すごいな、コイツ。まだ生きてるじゃん。といってももう、これだけ死にかけだと、その辺の女と変わらないけどね」

 天妖・絶斗が天音の首根っこを右手で掴み、猫でも持ち上げるかのように軽々と引き上げる。
 〝覇王”にすれば容易い芸当だが、見た目は小学生高学年の男児と変わらないだけに、その光景は異様だった。身長差があるために、絶斗が腕をあげて持ち上げても、ヴィーナスの白銀のブーツは床についている。それでも脱力しきった天音は、子供の姿をした妖化屍に全体重を預けるしかなかった。
 
「おい、起きろよ。お前さー、このボクになにやってくれちゃったか、まさか忘れてないよな?」

 正面に回った絶斗は、オメガヴィーナスの腋の下に左右の手を差し込む。
 そのまま頭上に掲げると、必然的に光女神の両腕は横に広がった。ぐったりと一文字に垂れ下がった肢体と両腕とで、十字を描いているようにも見える。
 
「・・・ぅ”ッ・・・!! ァ”ッ・・・!! はァ”ッ・・・!!」

「さっきの・・・なんだっけ? クロスなんとか? アレ、もう一回ボクにやってみろよ。オメガヴィーナスの切り札なんだろ。このままじゃお前、死んじゃうぞ?」

 敢えて十字の形を取らせた光女神を、〝覇王”は挑発した。
 オメガヴィーナスにとっては、確かにこの態勢は逆転への糸口となる好機。これまでに何度かあった危機も、天音は最大の必殺技〝クロス・ファイヤー”で窮地を脱してきた。絶斗との初戦でも、自らを十字架に模した光線技で、かろうじて退けることができたのだ。
 ただし、爆発的な光を生むほどの、力がまだ残っていれば。
 
「やらないの? このボクを一度は跪かせたんだ。あの技を破らないとスカッとしないじゃん。気分悪いだろー?」

「はァッ・・・!! ぐふぅ”ッ・・・・・・!! んはァッ、はァ”ッ・・・!!」

「ちぇ。つまんないなー、このカス。じゃあ、ボクが嬲り殺すだけだね」

 オメガヴィーナスを両腕で掲げた態勢から、至近距離で。
 ほぼ目の前にある天音の胸・・・スーツが破り取られ、地肌に火傷痕のように浮かんだ黒い『Ω』マークに、絶斗は漆黒のアイレーザーを照射する。
 オメガ粒子の集積地が、灼熱の光線で焼かれていく。
 
「ぎゃああ”ッ!? うあああ”あ”ア”ア”ッ―――ッ!!! 胸ェッ!! 胸がァ”ッ――ッ!! 溶けェ”ッ・・・溶けてェ”ッ~~~ッ!!!」

「お前のオッパイ、グツグツに煮込んでやるよ。心臓まで溶けちゃうかもね」

 オメガヴィーナスの剥き出しのバストが、オレンジ色に煌々と輝く。溶鉱炉の内部のような光だった。そこがオメガ粒子の集中した場所でなくても、深刻なダメージとなるのは明らかだ。
 食い縛る天音の歯の隙間から、ドロドロと粘着した血の塊がこぼれる。
 ジュウジュウと、黒煙が立ち昇る。宙に浮いた脚が懸命にもがき、絶斗を蹴りつけようとも少年妖化屍はビクともしなかった。
 
(胸ェ”ッ・・・!! 燃え、るッ!! 苦しすぎッ・・・るッ!! 死にたい・・・お願い、いっそ殺してェッ――ッ!!)

 ビクビクと痙攣し、粘ついた血を吐き、涙の飛沫を撒き散らして、天音は胸を焼かれ続けた。
 光のエネルギーが残っていれば、わずかでも〝クロス・ファイヤー”を発揮して、この地獄を脱出できたかもしれない。だが不可能だった。肢体を捻じり回され、大量に失血し・・・普通の人間ならば、生きているのさえ信じられない状態なのだ。
 もはやオメガヴィーナスには、反撃する力など欠片も残っていない。
 
「ねえ? ホントはもう殺してって、お願いしたい気分でしょ?」

 悲痛な叫びをあげ続け、光女神は天妖の問いには答えなかった。
 
「最強のオメガスレイヤーのプライドが、そんな懇願は許さない、ってとこかな? じゃあさ、お前が泣いて謝ったら、妹は助けてあげてもいいよ。お前は殺すけどねー」

 溶けた鉄を胸に流し込まれるような激痛のなか、絶斗の言葉は甘い囁きとなって天音に響いた。
 
「もう自分は助からない、ってわかってんだろ? じゃあ妹のために死ねば? アイツはもともと、お前をおびき寄せるためのエサだもん。お前がボクたちに誠意を見せて謝ったら、妹の命だけは助けてや・・・」

「断るッ・・・わッ・・・!!」

 絶斗の言葉が終わるより早く、天音は提案を拒否していた。
 
「オメガッ・・・ヴィーナスはッ・・・・・・!! 負け・・・ないッ・・・!!」

 その言葉が強がりでしかないことは、天音自身が誰より悟っている。
 それでも、執拗に漆黒のレーザーに胸を焦がされつつ、鮮血に染まった光女神は妖化屍に屈しようとはしなかった。
 
「郁美ィッ・・・はッ・・・!! 私がッ・・・必ずッ、助けるッ・・・!! あなたたちのッ、力など・・・借りないィ”ッ・・・わッ!!」

 六道妖が、オメガヴィーナスの妹を生かしておくはずはなかった。
 絶斗の言葉が最初からウソなのはわかっている。天音の惨めな姿を、見たいだけなのだ。オメガヴィーナスが頭をすりつけ懇願した瞬間、その目の前で郁美を殺し、嘲笑うのに決まっている。
 
 逆転のチャンスなど皆無であっても、オメガヴィーナスはあくまで闘うつもりだった。
 それが1分でも、1秒でも長く、郁美を生き永らえる唯一の方法。肉片ひとつ、髪一本になっても天音が歯向かい続ける限りは、六道妖は妹に姉の死を見せつけようとするだろう。
 
「・・・ふーん。甘ちゃんだと思ってたけど、けっこうわかってるじゃん。仕方ないや、やっぱりじっくり嬲り殺すしかないね」

 眼から発射していた暗黒のレーザーを、少年妖化屍は中断した。
 ガクン、と天音の美貌が垂れる。唇の端から、ドロドロと粘度の高い吐血が糸を引いて落ちていく。
 オメガヴィーナスの懇願は引き出せなくても、六道妖に焦りの色はなかった。すでに光女神に反撃の力はなく、驚異的な生命力に支えられて、刻一刻と死に向かっているに過ぎない。
 
 オメガヴィーナスの処刑は、計画通りに最期の瞬間に突き進んでいた。
 
「『純血』の次は、『純潔』を散らすとしようかのう」

 霞んだ視界のなかで、天音は骸頭の姿を捉えた。つい先程、昇天を果たした白銀の女神に、更なる凌辱を加えよというのか。
 犯すなら、好きなだけ犯せばいい。
 悲壮な決意を固める天音に、思いがけぬ光景が飛び込んだのは、その時だった。
 
「・・・い・・・くみッ・・・!?」

「先程より、もっとシンクロ率を高めてやろう。妹の凌辱姿を見て、ヌシは我が身とダブらせるがよかろうて!」

 先程ブザマに昇天してしまった時・・・自分そっくりの妹が犯される姿を見せつけられ、天音の肢体は欲情してしまった。郁美が受ける愛撫は、自分にされているかのようで・・・案じる想いが強いほど、妹の被虐は己に重なった。
 だがそのシンクロは、あくまで天音と郁美のものだ。いくらふたりが瓜二つの美女姉妹でも、郁美はオメガスレイヤーではない。オメガヴィーナスになった天音とは、根本的に肉体が違う。
 
 天音の驚愕する視線に気付き、ようやく郁美は、失神前にはなかったものが我が身に装着されていることを悟る。
 
 オメガヴィーナスの、青いケープと、黄金の『Ω』の紋章。
 闘いの最中に引き裂かれ、あるいは弾き飛ばされたオメガスレイヤーの象徴が、オレンジの髪に吊り下げられた郁美の身体に付けられていたのだ。
 
 安っぽいコスプレ、どころか、子供のごっこ遊び並みの扮装だった。だが、紺青のケープと黄金の『Ω』マークは、オメガスレイヤーのアイデンティティといってもよい。
 それだけのことで、郁美はオメガヴィーナスそっくりに見えた。唯一無二のはずの光属性のオメガスレイヤーが、天音以外にもうひとり、出現していた。
 
「ああ”ッ・・・!? ・・・ァ”ッ・・・!!」

「ゲヒヒッ・・・クフヒヒヒ・・・さぁて、『オメガヴィーナス』のオッパイを・・・イタズラしちゃおっかなぁ~~・・・『ケガレ殺し』で感度ビンビンになっちゃったお豆をねぇ~~・・・」

 郁美、いや、もうひとりの『オメガヴィーナス』に張り付いていた泥の妖化屍が、左右の乳房に腕を伸ばしていく。
 果実のような丸みを描いた稜線は、すでに縛姫の手によって揉み潰されている。女妖化屍の掌と、柔らかな膨らみの隙間に侵入していく灰色のヘドロ。
 〝妄執”がらしくない優しさで乳房をこね回すと同時に、〝流塵”の粘液の指が尖った先端をクリクリと弄った。2種類の悦楽が絡み合って、欲情し切った女子大生を襲う。
 
「あくぅ”ッ・・・!! ふああ”ッ、あああ”ッ――ッ!!」

「い、郁美ッ・・・!! あ”ッ、あああ”ッ・・・!!」

 縛姫の手で胸を揉みしだかれ、ヘドロに突起を愛撫されて郁美が仰け反る。
 白黒ボーダーのTシャツに、ただ剥ぎ取られた『Ω』マークが付けられただけ。それなのに、自分と同じ顔、そして同じような美乳を持つその肢体が、天音には馴染みあるスーパーヒロインのものと重なる。
 その官能の刺激が、天音には我が身に伝わるかのようだった。左右の乳首は屹立し、ビクビクと引き攣った。確かな快感が、本物のオメガヴィーナスの乳房にも広がってくる。
 
「見ろよぉ~~、『オメガヴィーナス』が犯されているぞぉ~~・・・!? ・・・乳首とか、クリトリスとかぁ・・・下のおクチのビラビラを汚い泥で摩擦されてぇ~~・・・ほぉら、気持ちよくって狂いそうになってるぜぇ~~っ・・・!!」

 青いケープと『Ω』マークだけの『オメガヴィーナス』への責めは、胸のみに留まらなかった。
 郁美の下半身に張り付いている呪露の泥も、愛撫を活発化させている。秘裂に侵入し膣の襞を擦りあげ、過敏な肉芽をしごく。アナルの皺にピタリと密着し、モゾモゾと刺激を送る・・・。
 長時間に渡って性的拷問を受け続け、強力な媚薬を投与された女子大生は、もはや全身がピンクに染まるほど欲情し切っている。

「んはあああぁ~~ッ!! はふぅ”ッ、ふぇあああ”ア”ッ・・・!! お姉ちゃッ・・・んはああア”ア”ッ――ッ!! 壊れひゃふうううぅ”ッ―――ッ!!!」

「ふはああ”ッ!? ア”・アアア”ッ・・・!! やめッ、やめてぇッ――ッ!!」

「『オメガヴィーナス』がイキまくってるぞぉッ~~ッ!? ・・・見ろよぉ、天音ぇッ~~・・・このヨガリ狂ってるのが『オメガヴィーナス』だぁッ~~ッ!! ・・・この淫乱な雌がお前なんだよぉ~~ッ・・・!!」

 オレンジの髪に緊縛され、首吊り状態にされた郁美の身体が、空中でビグンビグンと跳ね踊った。
 嬌声をあげる口から、涎の飛沫が飛び散る。『オメガヴィーナス』が、貫く快感に耐え切れず泣き叫んでいる。官能に敗れた哀れな妹の姿が、天音には己自身と重なった。
 
「郁美ィ”ッ・・・!! いくッ・・・!! ふうぅ”ッ・・・!! ぅはああ”っ、はああ”~~ッ・・・!!」
 
 甘い刺激が、己のバストと股間にも湧くのを、天音は自覚した。
 妹とのシンクロ、だけが理由ではなかった。気が付けば骸頭が胸を、そして絶斗が陰唇を愛撫している。老人のカサカサの指が露出した乳房を這いずり、少年の小さな掌が秘裂にそって撫で回す。
 郁美へ下される凌辱と、我が身に刷り込まれる刺激。想像と現実とが重なり、境界線を失ってオメガヴィーナスを蕩けさせていく。
 
(いく・・・みッ・・・『オメガヴィーナス』・・・が・・・あんなに乱暴に・・・胸を、股間を・・・遊ばれてッ・・・)

(あ”ッ・・・ああ”ッ・・・あの『オメガヴィーナス』・・・もッ・・・こんな刺激ッ・・・を・・・受けている・・・のね・・・ッ・・・)

(あくう”ぅ”ッ――ッ!! ・・・ア”・・・アア”ッ・・・!! 耐えられ、なッ・・・こん、なッ・・・耐えられ、るッ・・・わけが・・・)

(いく・・・みぃ”・・・『オメガヴィーナス』・・・も・・・こんなっ・・・気持ちよ、くぅ”ッ・・・)

(ダ・・・メぇ”・・・『オメガヴィーナス』・・・が・・・犯されぇ”・・・てッ・・・!!)

(あの・・・『オメガヴィーナス』・・・は・・・私・・・ッ・・・)

(私、なのね・・・あの・・・哀れに嬲られている・・・『オメガヴィーナス』・・・は・・・)

(・・・私・・・も・・・ヨガリ・・・狂ってぇ”・・・)

(・・・オメガヴィーナス・・・は・・・穢され・・・るッ・・・!!)

 ぷしゅッ!! ・・・ぷしゅしゅッ!!
 
 絞首刑状態の『オメガヴィーナス』の下腹部で、噴出の音がかすかに漏れる。
 オフホワイトのミニスカートに、沁みが広がる。もう何度目となるかわからぬ絶頂を、郁美は迎えていた。セミロングの茶髪が、くたりと垂れる。
 
 妹がオルガスムスに達するのを合図としたかのように――。
 
 口からゴボゴボと白い泡を吹き、股間からはトロトロと愛蜜を垂れ流して、天音の全身がガクンと脱力する。
 簡易な造りの『オメガヴィーナス』に釣られるようにして、本物のオメガヴィーナスもまた、意識を失っていた。
 
「・・・ここまで衰弱し切れば・・・最強のオメガスレイヤーとて、始末は容易いのう」

 皺だらけの顔をさらにクシャクシャにする地獄妖の怪老に、少年妖魔が応えた。

「どうせ処刑するならさー、コイツの好きな十字架を利用しない手はないよね」

「女神と呼ばれた小娘の最期には・・・ピッタリじゃわい」

 首から黄金のロザリオ・・・十字架型のオメガストーンをぶら下げた女神を、絶斗は引きずっていく。
 目指す先には、〝オーヴ”をたっぷり含んだ緑の十字架が祭壇の中央に飾られていた。
 
 『純血』を搾り取られ、オメガ粒子の集積地を灼熱で焼かれたオメガヴィーナスに、残酷な処刑から逃れる術などなかった。
 
 
 
 10、女神処刑
 
 
 ヒカリゴケ、という不思議なコケがある。暗闇のなかで、緑色の幻想的な光を反射して輝くコケ植物だ。
 アンチ・オメガ・ウイルスを膨大に含んだ巨大十字架は、そんなヒカリゴケが全体にビッシリと群生しているかのようだった。不気味といえば不気味。美しいといえば美しい、エメラルドのような光を放って祭壇中央に鎮座している。
 
 〝百識”の骸頭が手にしたリモコンを操ると、十字架の真上から、ゆっくりとクレーンが降りてきた。等身大の人間を景品に見立てた、クレーンゲームのような趣き。クレーンの先には、乗用車でも吊り上げられそうな、極太のチェーンが巻き付けてある。
 
「あれ? おっかしいなー、コイツの胸、あれだけ焼いたのに。『Ω』の焦げ跡がほとんど消えてるじゃん」

 〝覇王”絶斗の声は、とてもこれから女神とまで呼ばれた存在を処刑するとは思えぬ、気軽なものだった。
 緑の十字架近くまでオメガヴィーナスを引きずってきた天妖は、露わになったバストに視線を向けている。
 
「それでいいのじゃ。こやつらの胸に浮かぶ『Ω』マークは、体内に潜むオメガ粒子が浮かび上がったものじゃからのう」

 天音の地肌に直接刻印されたかのような、黒い『Ω』の模様は随分と薄くなっていた。
 シュウシュウと黒煙が立ち昇るのとは反比例するように、模様が消えていく・・・『Ω』を描いた粒子が、燃えて煙になっていく、そんな様子が見て取れる。
 
「その『Ω』の文字は火傷痕ではない。いわば四乃宮天音の体内に残存するオメガ粒子を示す、バロメーターと言えるかのう。ほとんど消えかけている、ということは、それだけオメガヴィーナスの死が近いということじゃ」

 意識のない天音の胸からは、勢いよく黒煙が昇り続けている。今現在、直接的に攻撃されてなどいないのに。
 これまでの肉体のダメージと、〝オーヴ”の塊が身近にあること。そして性的な責めによって、『純血』に続いて『純潔』までもが失われつつある証拠だった。
 
「これほど〝オーヴ”と紫水晶で責め抜いたというのに、まだ生きておる・・・恐るべき・・・凄まじき生命力じゃわい、オメガヴィーナス。じゃが、『純血』に続き『純潔』をも失えば・・・オメガ粒子にも愛想を尽かされることじゃろうて」

「・・・ようやく・・・四乃宮天音を、葬る刻がきたか」

 筋肉の鎧に包まれた武人が、重々しい口調で呟く。
 それまで距離を置いていた〝無双”の虎狼は、オメガヴィーナスの両脚を掴んだ。女を嬲るのは、本来この修羅妖の趣味ではない。だが、四乃宮天音の処刑となれば、どうあっても加担せずにはいられなかった。虎狼の999人目の獲物は、オメガヴィーナスと決めているのだから。
 
 〝覇王”絶斗が、鮮血にまみれた女神の両腕を掴む。
 虎狼と絶斗、六道妖にあって怪力を誇るツートップが、オメガヴィーナスの肢体を上下に伸ばす。理想的なスタイルのスレンダーボディが、ピン、と一直線に突っ張った。
 
 ギチギチッ・・・と〝ディアボロハンド”によって捻じられた腰付近が、不気味な音色を奏でる。
 四肢を伸ばされ、宙に浮くオメガヴィーナス。ブジュ、グジュと、紫水晶によって穿たれた穴から鮮血が泡立つ。
 全身を引きちぎられそうな激痛に、天音の意識は無理矢理、現実に戻された。
 
「ッ!! ・・・ぐう”ッ!! ・・・ぅ”ッ、あああ”ッ・・・!!」

「遊びは終わりじゃ、四乃宮天音。我ら六道妖は・・・悲願であるオメガヴィーナスの抹殺を、ここに完了するぞ」

 骸頭の宣告。視界に飛び込む〝オーヴ”の十字架。その真上からクレーンで吊るされた鋼鉄のチェーン。
 反射的に天音は、オメガ粒子を消滅させる十字架に、己が磔にされると覚悟した。女神の二つ名に相応しく、皮肉たっぷりに教会の十字架に祀るつもりなのだと。
 
 だが、違った。
 
 六道妖が用意したオメガヴィーナスの処刑法は、より残酷で苛烈なものだった。
 十字架にチェーンで縛り付け、じわじわと死ぬのを待つ・・・そんな緩やかな死では、彼らの憎悪は満たされない。光属性のオメガスレイヤーは、妖化屍にとっての最大の脅威。万が一にも、二度とオメガヴィーナスが蘇生することはあってはならないのだ。
 
 四乃宮天音を、オメガヴィーナスを、細胞のひとつ残らず死滅させる。
 白銀の光女神を完全なる死に追い込まねば、六道妖の真の勝利とは言えなかった。
 
「・・・ヌシが好む十字架の下に・・・平伏すがよい」

 骸頭が操るクレーンが、チェーンを緑の十字架に掛ける。そのまま吊り上げる。
 ガチャン、と音がして、50cmほどの高さの台座を残し、〝オーヴ”の十字架が宙に浮いた。
 
「なッ・・・!?」

 着脱可能になっていたのか。十字架の仕組みに驚く天音は、次の瞬間に蒼白となった。
 天妖と修羅妖とが、素早く血染めの光女神を台座と十字架の間に差し入れる。仰向けになった背中に、丸い台座の感覚が冷たく伝わった。
 お臍の真上。〝悪魔の掌”に捻じられ、鮮血に染まった腹部の上に、再び〝オーヴ”の十字架が降ろされる。
 
「ィ”ッ!!? やめッ、やめッ・・・やめてぇ”ッ―――ッ!!!」

 〝オーヴ”を含んだ鋼鉄製の十字架は、ざっと300kgはあろうかと思われた。
 オメガ粒子を大量に消耗し、瀕死の状態にあるオメガヴィーナスが、台座と十字架に挟まれる。
 限りなく、『ただの人間』に戻った天音にとって、巨大十字架は杭のようなものだった。
 
 ドオオオォォッンンッ!! ・・・グジャアアアア”ア”ッ――ッ!!!
 
「んああああア”ア”ア”ア”ァ”ッ―――ッ!!!」

 深紅に濡れたボディスーツが、ボゴンと陥没した。
 オメガヴィーナスの腹部が、クレーターのように凹む。同時に背中側から、真っ赤な飛沫がブシャリと四方に散布された。
 
「・・・・・・ッ・・・お・・・姉ちゃ・・・ッ・・・!!?」

「目が醒めたかい、郁美。ちょうどいいタイミングだねェ。オメガヴィーナスの最期、よく目に焼き付けておくといいわ」

 絶句する郁美の髪を掴み、縛姫は強引に視線を固定させる。
 オメガヴィーナスの処刑が終わり次第、この妹も絶望のなかで殺す手筈になっていた。天音の処刑は他の六道妖に任せる代わりに、郁美は〝妄執”の人妖が担当することで話がついている。
 
「あはははッ!! 十字架に串刺しにされる気分はどう、オメガヴィーナス? でもこれだけでお前が死なないのはわかってんだよねぇ――ッ!」

 50cmほど床から浮いた状態で、四肢を大の字に広げ、ビクビクと痙攣するオメガヴィーナス。
 天音の血をたっぷりと含んだ紺青のフレアミニを、絶斗は捲り上げる。濡れそぼったアンダースコートに包まれた股間が、少年妖魔の糸のような両目に映る。
 特殊繊維で編まれた生地を、〝覇王”は一気に引き千切った。
 ヒクつく性器が、露わとなる。光女神の秘部は、鮮やかなピンク色に輝いていた。アワビのような陰唇も、内部で蠢く膣肉も、すでに愛液でヌルヌルになっている。天音の肉壺は、本人の意志も、肉体の損傷の激しさにも関係なく、受け入れ態勢を整えている。
 
「『純潔』を失えばッ! お前はますます死んでいくんだよね!?」

 オメガヴィーナスへの挿入は一番初めにする。それが、絶斗が六道妖加盟の際、骸頭に飲ませた条件だった。
 下半身を脱ぎ、〝覇王”は己の男性器を引き出す。すでに怒張しているイチモツが、まろびでる。
 最強にもっとも近い天妖のペニスは、しかしやはり、少年のサイズと変わりなかった。
 
「ほおらッ! お前の『純潔』は・・・これで終わりだよ! 美人のお姉ちゃんッ!」

 ズボオォッ!!
 
 生々しい音色が、オメガヴィーナスの開いた股間で響く。
 絶斗の腰が深々と太ももの間に嵌まり、人差し指ほどの肉棒が、天音の秘裂に差し込まれた。
 
「ああ”ッ!? あああ”ア”ア”ア”ア”ァ”ッ~~~ッ!!!」

 一瞬、瞳を大きく開き、オメガヴィーナスが絶叫する。
 胸から立ち昇る黒煙が、一段と激しさを増した。同じ串刺しでも、巨大十字架のそれとは比較にならないほど肉体へのダメージは少ないはずなのに・・・天音が受けた影響に大差はなかった。
 
 オメガ粒子が、悟っていた。この宿主は、もうダメだと。
 
 四乃宮天音は、犯された。
 去りゆくオメガ粒子を、繋ぎ止めることはもうできない。
 
「ヒョヒョッ!! ヒョホホホホォッ――ッ!! 我ら六道妖の祝宴じゃああッ~~ッ!! 盛大に祝おうぞ、さあ、遠慮せずにたらふく飲み干すがよい!」

 悲痛な叫びをあげる天音の口に、媚薬の入った壺の注ぎ口を突っ込む。『ケガレ殺し』を残らず、骸頭はオメガヴィーナスの胃に流し込んだ。貴重な強壮興奮剤も、最強のオメガスレイヤーを抹殺できるならば惜しくはない。
 ゴブゴブと咽喉を鳴らし、天音はドス黒い催淫剤を、最後の一滴まで飲んでいく。吐き出す力さえ、オメガヴィーナスにはすでになかった。
 
「ふぇぐう”ッ!! かはア”ッ・・・!! アア”ッ、ア”・・・があ”ッ、ア”ッ!!」

「あはははッ、コイツ、名器だ! すっごく気持ちいいッ~~ッ!!」

 小さく、細い肉棒が、天音の膣内で激しくピストンする。
 サイズは少年でも、絶斗のパワーは並外れている。肉襞を摩擦する速度は、マシンガンでも撃ち込まれているかと錯覚するものだった。電撃のような快感が、天音の子宮を貫く。
 
 壊れる。子宮が瓦解する。
 ドリルを穿たれるような刺激に、天音が失神しかけた寸前――ペニスの先端から、白濁が迸った。
 
「うああああ”あ”ア”ッ―――ッ・・・!!! あはア”ッ・・・!! ア”ッ・・・!!」

 十字架に串刺しにされた血濡れた肢体が、四肢を突っ張らせる。
 スペルマを受けると同時に、『Ω』の刻印がさらに薄れる。〝オーヴ”の十字架はより深く沈み、様々な穴から鮮血がブジュリと噴いた。
 
「まだじゃぞ、オメガヴィーナスッ!! 儂のこれまでの努力、ヌシの肉壺で代償してもらわねばのうッ!!」

 枯れ枝のようなペニスを、骸頭は剥き出しにしていた。
 絶斗と入れ替わるようにして、広げた天音の股間に腰を埋める。乾いた肉茎が、ガスガスと膣道から子宮までを引っ掻いた。
 
「よし、じゃあボクは上のクチで遊ぼうっと。コイツの唇、ぷにぷにだから気持ちよさそぉ~」

 放出したばかりの肉棒を、絶斗は天音の咽喉奥に突っ込む。
 涙で潤んだ瞳が、大きく開く。腹部を潰され、苦痛と虚脱感で意識を朦朧とさせながらも、己がなにをされているのか、天音にはわかった。
 
 絶斗に口腔を、骸頭に性器を、オメガヴィーナスは貫かれている。
 
 ブジュッ、と咽喉で噴射音がして、苦みがへばりついた。摩擦も早いが、達するのも少年妖魔は早かった。
 ほとんど間を置かず、下腹部に熱い粘液が注がれる。
 醜い老人のバケモノに、両親の仇ともいえる宿敵に、射精された事実を天音は悟った。お腹にまた一段と深く、十字架が埋没する。どこかからグジュグジュと泡立った噴出の音が聞こえるのは、血か、ザーメンか、どちらが体内から流れているのだろうか?
 
「ゲヒッ、ウヒヒヒヒッ!! ・・・じゃあそろそろぉ~・・・オレも楽しませてもらおうかぁ~・・・天音ちゃんが完全に死んじゃう前にねぇ~~・・・ゲヒヒヒヒッ!!」

 泥の妖化屍が郁美の身体を離れ、3人目の凌辱者としてオメガヴィーナスにまとわりついていく。
 仰向けで大の字に浮いた、瀕死の光女神・・・腋の下や鼠蹊部にヘドロが張りつき、ベロベロと舐めまわす。小山ほどの体積を誇る〝流塵”の呪露ならば、オメガヴィーナスのどの場所を嬲るのも容易いことだ。すべての性感帯を一斉に粘ったヘドロで刺激できる。
 天音のカラダのどこが敏感なのか。さんざん四乃宮の姉妹を愛撫してきた呪露には手に取るようにわかる。尖った乳首やクリトリスを擦りあげると、スーパーヒロインのコスチュームを纏った肢体は、面白いようにビクビクと反応した。
 
「おやおやぁ~~・・・どうやらもう、壊れちまってるなぁ~~・・・? 触るだけでイキかけてるじゃん・・・ゲヒヒヒッ!! ・・・オメガヴィーナスぅ~~・・・お前はもう、オレたちのザーメンを処理する・・・生肉の肥溜めだねぇ~~・・・」

 事実、嬲られるたびに天音の肢体は悦楽の電撃に麻痺し、代わりにオメガ粒子は消滅して、細胞は死んでいった。
 死にそうな激痛に襲われながら死ねず、快楽に狂いそうになりながら肉体が滅びていく。
 白銀の光女神は、いまや十字架に貫かれながら犯される、妖化屍への性供物だった。
 
 灰色のヘドロのなかから、ペットボトル並みの突起がニョキニョキと伸びてくる。
 亀頭の形も明確なそれが、呪露の男根であることはすぐにわかった。泥で性器を造った、わけではなく、ヘドロの塊に埋没していた本来のペニスが、出番を迎えて現れたのだろう。
 
 腹部を巨大十字架に押し潰され、仰向けでヒクヒクと震えるしかないオメガヴィーナスに、レイプから逃れる術などなかった。
 汚泥で出来た立派なイチモツが、ズブズブと、秘裂を押し割り挿入される。
 ガクガクと、天音の美貌が揺れた。涙の粒が、パッと飛び散る。
 泣き叫びたいほどの恥辱にまみれても、白銀の光女神にはなにも出来なかった。泥の怪物に犯される。ジュブジュブと腐臭を放つヘドロに肉壺を貫かれ、子宮を汚されていく。
 
 青臭い、濃密な精子の汚汁が、天音の内部に射出された。
 胸から立ち昇る黒煙が、勢いを弱める。オメガ粒子の消耗が収まった、わけではない。逆だ。ほとんどのオメガ粒子が無くなってしまったため、煙も少なくなったのだ。
 
「ィ”ッ・・・・・・やあ”ッ・・・!! いやあああ”ア”ア”ア”ッ~~~ッ!!!」

 言葉すら発することができなくなった天音に代わり、妹の郁美が絶望の嘆きを叫ぶ。
 腹部や背中、太ももを抉られたオメガヴィーナスのダメージは、普通の人間ならばとっくに致命傷だろう。オメガ粒子があるからこそ、奇跡的に天音は息をしているだけだ。
 
 そのオメガ粒子がゼロになってしまったら・・・
 六道妖に輪姦されて、天音は刻一刻と死に向かっている。白濁の残滓を唇や秘裂から垂れ流し、グッタリと脱力した姉を前に、郁美は泣き叫ぶことしかできない。
 
「死ぬッ!! 忌々しきオメガヴィーナスが、いよいよ死ぬぞォッ!! 美しき娘よ、ヌシは儂ら六道妖に穢されて絶命するのじゃああッ――ッ!!」
 
 3体の妖化屍は、代わる代わる、オメガヴィーナスの膣と口腔、そしてアナルとを姦淫した。どれだけ抱いても、嬲っても、どの穴に挿入しても、四乃宮天音は極上の逸品だった。
 
 絶斗のザーメンは水っぽく、生臭さが強い。
 骸頭のそれは、やや乾燥気味で、時々粉のような固形物が混ざっていた。やや黄色がかっているのも特徴的だ。
 呪露のものは粘度が強く、本体の泥とよく似ていた。臭気が酷く、吐き気を催す。やはり泥水が混ざっているのかもしれない。
 
 それらがオメガヴィーナスの体内で、容赦なく注ぎ込まれて混ざり合った。
 股間のふたつの穴からは、ドロドロと白濁の粘液が溢れ出る。子宮のなかも、肛門に繋がる直腸内も、大量のザーメンで埋め尽くされていた。
 口を犯したあとは、中に出さずにペニスを引き抜いた。天音の頭の付近に用意しておいたバケツに、勢いの衰えぬ精液をドピュドピュと溜めていく。
 
「・・・ッ・・・ェ”ッ・・・!! ・・・ァ”ッ・・・!! ・・・」

 プラチナブロンドの髪に、桃色に染まった美貌に、スペルマの飛沫がこびりついている。
 瞳を虚空に彷徨わせ、大の字に広げた四肢をヒクヒクと震わせる。もはや己が、スーパーヒロインらしきコスチュームを着ただけの、ただの小娘に過ぎないことを天音は悟っていた。犯し尽され、命が消えかかっている脆き存在。
 
「我らの精濁がたんまりと溜まったところに・・・〝オーヴ”の溶液をブレンドするのじゃ」

 3種類のザーメンが山盛りになったバケツのなかに、骸頭が緑色の溶液を混ぜ合わせる。
 傍観を決め込んだ虎狼が、思わず顔をしかめる粘液が、バケツのなかに出来ていた。溶けたクリームソーダ、といえば聞こえはいいが・・・痰壺のなかにソーダ水を入れたかのようだ。生臭い臭気が、離れた位置にも届いてくる。
 
「はは、わざわざ精子を溜めてた理由・・・そろそろ気付いたんじゃない? 美人のお姉ちゃん♪」

 少年妖化屍がバケツを天音の頭部の真下に置いたとき、虚ろだった瞳は恐怖に引き攣った。
 小学生ほどの手が、天音の顎を掴む。床には緑の汚水が入ったバケツ。垂れ落ちるプラチナブロンドの髪が、おぞましいブレンド溶液に入り、スペルマの塊をまとわせる。
 怯える天音の表情を堪能したあとで・・・絶斗は金髪乙女の美貌を、白濁と〝オーヴ”の混ざった溶液に水没させた。
 
「ッ!! ・・・ゴボオ”ォ”ッ・・・!! ・・・ゥ”ぶう”ッ!! ・・・ぶぐゥ”ッ・・・!! ・・・ゴボゴボゴボ・・・ッ・・・!!」

 天音の美貌が、ザーメンの浮いた〝オーヴ”溶液に顎まで浸かる。
 ビグンビグンッ!! と激しく暴れる四肢。
 だが、力を失った24歳の乙女が、〝覇王”に太刀打ちできるわけもない。緑と白濁の汚汁のなかで、窒息するオメガヴィーナス。大きな気泡がいくつか破裂し、やがて泡は立たなくなった。
 
 ドサアア・・・四肢が力を失くして、垂れさがる。
 溺死寸前、天音の顔は、〝オーヴ”溶液のなかから絶斗の手によって引き上げられた。
 
 蝋でコーティングされたかのように、ドロドロの白濁を、顔いっぱいに付着させたオメガヴィーナス。
 瞳のなかにも、鼻の穴にも、ザーメンが侵入していた。ベッタリと粘着している。
 カパ・・・と口が開くと、白い粘液が糸を引いて上下の唇を結んだ。
 
「ゲヒヒッ!! ウヒヒヒッ!! ・・・オメガヴィーナスがぁ~~・・・ザーメンまみれだぁ~~ッ!! ゲララララッ!! ねぇ、生きてる? ・・・天音ちゃ~~ん、こんなクッサイ姿になって・・・まだ光女神とかのたまって、生きてられるぅ~~?」

「うん、まだ生きてるよ。ていうかさ、溺死なんてつまんないだろ? 死ぬ寸前で引き上げてやったんだ。ま、いろんな意味で、もう死にかけだけどね」

 ハアハアと、か細い呼吸の音が、天音がまだ息絶えていない事実を伝える。
 だが、脱力した手足は垂れ下がったままだった。可憐さと綺麗さを併せ持つ美貌を、ザーメン漬けにされたショック。肉体的にも精神的にも、廃人同然となっておかしくはなかった。
 
 トドメとばかり、バケツのなかで腐臭を放つ白濁ソーダを、オメガヴィーナスの乳房に浴びせる。中身をすべて、ぶちまける。
 
「ッ!! ・・・ァ”ッ・・・!! アアア”ッ・・・!! アア”ア”ッ―――ッ・・・!!」

 ジュウウウウウ・・・シュウウッ・・・ジュウウ”ウ”ッ・・・!!!
 
 黒い煙が一瞬昇り、そして消えた。
 凌辱の証であるザーメンと、アンチ・オメガ・ウイルスの混合溶液をかけられ・・・天音の胸から『Ω』の模様が跡形もなく消滅する。
 
 オメガヴィーナスの体内から、オメガ粒子はなくなった。
 
 事実上、オメガヴィーナスが・・・完全敗北を喫した瞬間だった。
 
「ヒョホッ!! ヒョホホホホォォッ――ッ!! 勝ったッ!! どうじゃあッ、四乃宮天音ぇッ~~ッ!! 儂ら六道妖の完全勝利じゃああッ~~ッ!! 妖化屍に敗れた気分はいかがかなッ、オメガヴィーナスッ!? 絶望する哀れな顔を、儂に見せてみるがッ・・・!!?」

 重なり合う妖化屍どもの哄笑が、一斉にやんだ。
 
 ・・・なんだ、この小娘は・・・!?
 
 信じられなかった。いくら最強のオメガスレイヤーといえども、四乃宮天音にここからできる逆襲などない。オメガヴィーナスの死は決定的だ。それは天音自身、わかっているはず。
 死にたくなるほど肉体を傷つけられ、狂いそうなほど凌辱を受け、光女神と崇められた尊厳を粉々に砕いたというのに。
 
 精液にまみれた顔のなかで、凛とした瞳は、いまだ鋭く輝いていた。
 
 オメガヴィーナスは紛れもなく負けた。絶命寸前の瀕死。それなのに。
 四乃宮天音は、それでも妖化屍に、屈しようとはしなかった。
 
「・・・ッ・・・オメ・・・ガッ・・・ヴィーナ・・・ス・・・・・・は・・・ッ・・・!!」

 もはや呪文のようだ。
 『負けない』と、語を継ごうとしている。何度も言っている台詞だ。六道妖も、呆れるほどに聞いてきた。
 そんな可能性は、すでに0.1%すらないのに、まだ天音は不屈の言葉を吐こうとしていた。決意や願望、などではない。祈りでもない。いったいなにが、このザーメンと鮮血にまみれた敗北の女神を支えているのか。
 
 たった24歳にして・・・なんという女だ。四乃宮天音。
 骸頭は戦慄した。縛姫も、呪露も・・・絶斗ですらも、恐怖を覚えた。距離を置いていた虎狼が、無意識に呟く。
 
「・・・・・・やはり・・・いい女だ。殺すには、惜しいほどの」

 嬲り尽し、ズタズタに引き裂いておきながら、勝利した六道妖の方がたじろいでいた。十字架に潰されたオメガヴィーナスの周囲から、たまらず引き下がる。
 天音に生還のチャンスがあるとすれば、この瞬間が唯一の希望かもしれなかった。
 だが、ただひとり。いや、正確にはただ一体。
 ザーメン漬けになっても心折れぬ天音に、たじろぐことのない妖化屍が六道妖にはいた。
 
「グギョロオオオオオオッ―――ッ!!!」

 漆黒の巨大カラスが、教会の天井から舞い降りる。
 〝骸憑”の啄喰。凌辱などには、興味のない怪鳥。しかしながら、闘志を失わぬ戦士に、過敏に反応する獣。
 強い光を放つ天音の瞳が、巨大カラスの怒りに触れた。
 言葉を解せぬはずの畜生妖だが、骸頭に従うにはわけがある。約束をしていた。心と心で通じ合うかのような、約束。
 
 儂と組め、啄喰。その代わり、憎き人間の死肉を、たらふく喰わせてやるわい。
 
 漆黒の羽毛が、舞った。
 黄色のツルハシのごとき嘴を突き出し、一気に下降する啄喰。
 野獣の身体能力に裏打ちされたスピードに、十字架の下敷きになったオメガヴィーナスが避けられるはずもなかった。
 
 ドジュウウウウ”ウ”ッッ!!!
 
 スーツを破られ、剥き出しになっていた右の乳房が、カラスの嘴に貫かれた。
 ゴブウウッ・・・!! 天音の口から、新たな鮮血が噴き出す。大きく開かれた目蓋が、ピクピクと痙攣する。
 ブチブチと、凄惨な音色を残して、黄色の嘴がオメガヴィーナスの右胸から引き抜かれた。
 
 乳首を中心にして、天音の右乳房に穴があいていた。スコップで、掘ったような穴。見る見るうちに、赤い飛沫が噴射する。
 クチャクチャと、〝骸憑”の啄喰はオメガヴィーナスの肉片を咀嚼した。
 小豆のような乳首が、黄色の嘴のなかで見え隠れする。やがてゴクンと、抉り取られた天音の乳首はカラスのバケモノに飲みこまれた。
 
「ガフウウ”ッ!! ・・・ゴボオア”ッ・・・!! アア”ッ・・・アアア”ッ――ッ!!!」

「・・・そうじゃ。ひるんでおる余裕など、なかったわい」

 オメガヴィーナスの絶叫に、骸頭は我に返る。
 小娘の気迫に、たじろいでいる場合ではなかった。相手は最強のオメガスレイヤー。息絶える、最後の瞬間まで、決して気を抜くことなどできぬ恐るべき破妖師。
 
「・・・オメガヴィーナスを殺さねばッ・・・儂ら妖化屍に、安寧の時はないのじゃああッ!!」

 ゆっくりと、〝無双”の虎狼が巨大十字架へと近づく。その下腹部には、凶悪ですらある長さと太さの男根が、天を衝いて直立している。
 性的に興奮した、などと言うには、程遠い状況。
 オメガヴィーナスに対するこの行為は・・・この場合、虎狼が『必殺』を決意したというのが相応しい。
 
「構わんッ!! やれィッ、啄喰よッ!! オメガヴィーナスをッ・・・好きに喰らって構わぬぞッ!!」

 郁美の絶叫が響く。叫ぶ口から、咽喉が破れて鮮血が飛ぶ。
 悪夢のような惨劇を、郁美はその網膜に、焼き付けることとなった。
 
「グギョオオオッ!! グギョロロロオオオッ―――ッ!!!」

 いまだ光を失わぬオメガヴィーナスの瞳に、漆黒のカラスが嘴を振った。
 
 ジュボオオオオオッッ!!!
 
「ウアアア”ア”ッ・・・イヤアアアア”ア”ア”ッ―――ッ!!!」

 その悲痛な絶叫は、天音のものか、郁美のものか、あるいは姉妹同時か。
 教会を揺るがす、魂を引き裂くような叫びのなか。
 
 オメガヴィーナスの右の眼球が、啄喰の嘴によって抉り抜かれた。
 
「・・・おい、鳥。こいつの眼玉はさぁ、ボクがくりぬいてベロベロ舐めるって、先に宣告してんだからな。お前、横取りすんなよ」

 パシッ、と乾いた音がして、〝覇王”絶斗は、カラスの嘴のなかから天音の眼球を奪い取っていた。
 そのまま、自分の口のなかに放り込む。
 コロコロと舌で転がしながら、オメガヴィーナスの眼をアメ玉のように舐め回す。
 
「うん、うまいや。やっぱりボク、なんだかんだでお姉ちゃんのこと好きだなぁ。カワイイし、頑張るもんね。あと・・・どんだけ潰しても、歯向かってくる生意気なところが、サイコーに壊したくなるよ」

 天音の右目を頬張りながら、絶斗もまた十字架に歩み寄る。
 その股間から生えた少年の性器も、サイズも形も幼いながら、ピンと立って勃起していた。
 
「『負けない』とかいつまでほざいてようと・・・死ねば静かになるでしょ? さようなら、オメガヴィーナスのお姉ちゃん。お前みたいな生意気な女・・・ボク、大好きだよ。殺すとサイコーに気分ソーカイになるもんね」

 ズボオオオオッ・・・!!
 
 抉り抜かれ、空洞になった天音の右目に、絶斗は己のペニスを突き刺した。
 グボグボと、グラインドする。ビグビグと引き攣るオメガヴィーナスに構うことなく、〝覇王”は光女神の眼姦を開始した。
 
「・・・ゲヒヒッ・・・面白いことするねぇ、お子ちゃまぁ! ・・・じゃあオレは、耳の穴を犯すとするかぁ~~ッ!!」

 右目にペニスを突き埋められ、ガクガクと震える天音の耳に、泥の塊が侵入する。
 耳の中で、泥が男性器を象っていく。
 鼓膜を突き破り、脳に届くような勢いで、両耳に侵入したヘドロが摩擦を始める。ジュボジュボと、耳を姦通する淫靡な音色が、天音の耳朶に大音量で響く。
 
「息絶えるがよいッ、オメガヴィーナスッ!!」

 枯れ枝のような己が陰茎を握り、骸頭は半開きになった、天音の口に突き刺した。
 
「オメガ粒子がゼロとなりッ・・・ただのコスプレイヤー同然となった肉体で、六道妖の慰みを浴びて滅びるんじゃあッ!! その無惨な死こそ、しぶといヌシには相応しいッ!!」

 眼と鼻と口。三か所を犯され、穴だらけに抉られた血染めの肢体で、オメガヴィーナスはピクリとも動けなかった。
 無惨に変わり果てた白銀の光女神に、誰よりも巨大な虎狼の剛直が、トドメとばかりに陰唇を貫く。
 
 ズブブブボオオオオ”オ”ッ・・・!!
 
「ッ・・・!! ェ”ッ・・・!! ア”ッ、はあああ”ア”ッ・・・・・・ッ!!!」

「・・・これで・・・オメガヴィーナス、貴様が999体目の我が獲物となった」

 4体の妖化屍が、一斉にオメガヴィーナスの内部で肉棒を動かす。
 すでに女芯は蕩け、濡れ切った美乙女の肢体は、妖化屍のスペルマを容易く搾り取った。
 白濁が、放出される。怒涛のような、精液が。
 
 異常なまでに高揚し、官能に溺れ切った瀕死のオメガヴィーナスに、全てを塗りつぶすような凌辱の白液が流し込まれる。
 
「オボオオオ”オ”ォ”ッ――ッ!!! ・・・ブジュウ”ッ!! ぼびゅう”ッ!! へばア”ッ!! ・・・ア”ッ・・・ごぶぅ”ッ・・・!! ぅ”ッ――ッ!!」

「ィ”ッ――ッ・・・!!! お姉ッ・・・ちゃッ・・・――ッ!!!」

 天音の内部でなにかが弾け・・・砕け折れたように、郁美には見えた。
 美しく、凛々しく、気高く、優しかった、大好きな姉。オメガヴィーナス。
 光女神の勇姿が、汚辱と鮮血にまみれて破滅する光景を、郁美は生涯背負うこととなった。
 
 大量に注がれた妖化屍どものザーメンが、天音の体内から逆流する。
 剥き出しになった陰唇からドボドボと白濁がこぼれ、眼と鼻から泡立った精液がブジュブジュと噴き出す。
 
 穴という穴から、混合された妖魔の精子が、ドロドロと溢れ出た。右目の空洞からも。右胸の抉り痕からも。アナルからも、腹部の傷穴からも。
 
 ガクンッ・・・と全ての力を失って、大の字になったオメガヴィーナスの肢体が、だらりと垂れさがる。
 
 グシャアアアアアッッ・・・!! ブジュウウッ――ッ!!!
 
 〝オーヴ”製の巨大十字架が、ギリギリで支えられていた命綱を切られたように、深く沈みこんだ。
 オメガヴィーナスの腹部が、台座との間に潰され・・・鮮血の火花を撒き散らした。
 
 ビグンッ・・・!! ビググッ・・・!! ヒグッ・・・!! ピク、ピクッ・・・!! ・・・――。
 
 かすかに震えていた、オメガヴィーナスの指が痙攣を止めた。
 
 白目を剥き、ゴボゴボと精液を垂れ流し、抉られた肉穴から鮮血を噴いて・・・
 ついに四乃宮天音こと、白銀の光女神オメガヴィーナスは、動かなくなった。
 
 六道妖の高笑いが、凄惨な現場となった教会を揺るがす。
 赤い血と白いスペルマに塗りつぶされ、なぜここまで、というほど酷い姿でオメガヴィーナスは破壊されていた。右目も、右の乳房も抉られ、腹部は捻じられた挙句に潰されている。
 
 類稀な美貌と理想的なスタイルを誇る白銀の女神は、幾重もの妖化屍の罠に嵌まって無惨に変わり果てた。
 狂ったように泣き叫ぶ妹の目の前で、最強のオメガスレイヤーは壮絶に散った――。
 
 
 
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| オメガスレイヤーズ | 01:58 | トラックバック:0コメント:8
コメント
本編の前日譚、という位置づけで始まったこの「カウント5」も、いよいよゴールが見えてきました。最終話「始まりの終わり」の第五弾です。予定では、というかまず間違いなく、次回でこの前日譚は最終回となります。

いやあー、ここまで思った以上に長かった・・・という感慨に浸る前に。

本来ならば、作者という立場にありながら、作品内容に触れるのはいかがなものかと思うのですが・・・それでも、今回はちょっとだけ、言い訳させてもらいたいというか・・・一言添えさせていただければと思います。

この業界(^^ゞ、ヒロピンやらリョナやらといった業界ですが、同じ嗜好の同志が集っているはず、にも関わらず、微妙な好みで多種多様に好みが分かれているのは、多くの方が実感されているかと思います。エロ自体が、十人十色ですしねえ。

一口にリョナやらヒロピンやらといっても、ハードなものからソフトなものまで好みは様々で・・・
作り手としては、自分の好みに忠実でありつつ、なるべく多くの方が楽しんでもらえるような内容(範囲)を手探りで探っていくわけですが、業界全体の範囲が広範なものですから、どうしてもカバーできない部分があるのも事実だったりしまして。

・・・というわけで、今回は、前日譚という特殊な状況ならではの内容に取り組むのが、この「カウント5」の目的のひとつでした。
ですので必ずしも、「一般受けする(あくまでこの業界のなかで、ですがw)内容」ではなく・・・もうちょっと尖った内容になっているかと思います。

あくまで本当の物語は、これ以降になるつもりです。特殊な状況にしかできないことを、今回はやっちゃおうと・・・

なんのことやら意味がわからない、と無視していただいても大丈夫です(^^ゞ ちょっと言い訳させてもらえば、と思っただけですので・・・(;^ω^)

では、できれば最後までお付き合いのほど、よろしくお願いします。
2016.06.14 Tue 02:00 | URL | 草宗
いろいろな意見があるのかもしれませんが、わたしはこの展開、読みたかったので大満足です。待っていてよかった。さて、これを受けて、次回カルラはどんな活躍をみせるのか。楽しみしにております。
2016.06.19 Sun 00:08 | URL | オメガ好き
>オメガ好きさま
今回は、前日譚という特別な状況ではないとなかなかできないものをやりたかったので・・・多くの方が望むものでなかったとしても、満足できる方がいらしたらボクとしても本望ですw そのように仰っていただければありがたい限りで(^O^)

次回は最終回になりますので、もちろんカルラにもなんらかの形で登場してもらうことになる・・・はずですw
最後まで楽しんでいただければ幸いです。
2016.06.19 Sun 20:48 | URL | 草宗
天音ちゃーん!
敵キャラより先に昇天してしまわれた、、、
草宗先生のキャラはどれも不死身キャラだと思って油断していると突然逝ってしまうので呆然としてしまいます。
だがそれがいい。
この業界と縁遠いオラですが楽しませて貰っています。



2016.06.20 Mon 01:27 | URL | ニックジャガリコ
>ニックジャガリコさま
本来はリョナ業界の人ではないのに、恐縮ですw
不死身と思えるほどしぶとい・・・のは、ボクの作品の特徴ですからねえ~。ヒロインというか主人公はなかなか死なない、という感覚が身に着いちゃってるので(^^ゞ

ただ実は天音ちゃん、まだ生きてたりしまして・・・戦闘不能に陥ってはいますが、命は繋がってたりします(^^ゞ
そのあたりがどうなるかが、最終回のテーマですね。
賛否わかれそうですが、最後まで楽しんでもらえると嬉しいですねえ(∩´∀`)∩
2016.06.20 Mon 07:51 | URL | 草宗
>拍手コメントくださった方
ぎっくり腰ですか、それは災難でしたねえ。ボクも腰の調子が悪いときがあるので、辛さはある程度は理解できます。どうぞお大事になさってください。

ぶっちゃけた本音を申しますと、「あれ、こういった感じは好みではなかったかな?」と思っておりました(^^ゞ なんだかプレッシャーをかけてしまうようですみませんw
どストライクと聞いて、すごくホッとしたというか・・・嬉しかったですw おかげさまで俄然やる気がでてきましたw

ただ、実をいいますと、本当に賛否わかれそうなのは次回の最終回でして・・・そちらに関しては「あり」じゃないことも覚悟してます(^^ゞ
ここまで来たら評価や評判を気にすることなく、やっちゃいたいと思ってますのでw、それでもよろしければ最後までお付き合いのほど、よろしくお願いします。
2016.06.20 Mon 08:05 | URL | 草宗
更新、お疲れ様です。

まさかのラストで、本当にびっくりしました。
あの邪魔者wの助けを借りて、窮地を脱出かな?、
と勝手に思っていたのですが、大外れでしたねw

純血を奪うシーンも、本当に搾り出すとは思わなかったよw
今回はリョナ多めでしたし、終盤の耳姦&眼姦は行くところまで行った感じで、
突き抜けていましたねw
このシーンを絵で見ると、若干キツイ感じかなとか思いましたが、
文字で読むと大興奮展開でした!!

全てが想像の上を行く展開ばかりで、ドキドキの連続でしたよ。
期待して待っていたオメガ粒子の消失シーンも想像以上でしたし、
まさに終盤でのヒロピンの極致、という所ですね。

にしても、最後の時まで決して諦めないオメガヴィーナスは、
本当に強いスーパーヒロインでした・・・
と思ったら、やっぱりまだ生きているようでw
まだ本編の前日譚ですからね。

最終回に何か有るようで、どんな締めをしてくれるのか、
期待と不安がごちゃ混ぜの状態で、待っていますねw
2016.06.26 Sun 03:17 | URL | さとや
>さとやさま
ある意味本当のラストは次回になりますので、今回はこんな感じになりました(^^ゞ
実際に邪魔者wがどうなるかは・・・次回のお楽しみということで(;^ω^)

はい、そうなんです。今回はリョナレベルが、恐らく過去最強ではないかと・・・耳はやったことありますが、眼に関してはいくとこまでいったなーと自分でも思いました(^^ゞ
ハードすぎるので大丈夫かな? と心配してたんですが・・・思った以上に好評のようでホッとしてます。

仰るようにヒロピンの極致みたいなものを書くのが、このカウント5の狙いですので・・・
それがちゃんとできていれば、前日譚を手掛けた甲斐がありましたね(^O^)

来月には最終回を発表できると思うので、なんとかキレイな形で終わりたいですね。
ご期待に添えられるかはともかく(^^ゞ、頑張りますw
2016.06.26 Sun 22:44 | URL | 草宗
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