巨大変身ヒロインのオリジナル小説を書いている草宗の独り言をつぶやくブログです。

草宗の書斎

「ウルトラ戦姫物語 ~ターゲット・α~ 中編」サンプル | main | ウルトラレディ・レオナ&メリム①「誇り継ぐ者」前編
ウルトラレディ・レオナ&メリム②「誇り継ぐ者」後編
 
 6、
 
 
 ズズッ・・・ズズズ・・・
 
 主であるメフィラスのもとへ、古代怪獣ゴモラは茶色の荒野を悠然と歩く。
 力感あるゴツイ手には、金色のロープが握られていた。赤い生地に包まれた物体が、その先に繋がっている。
 物体はウルトラレディ・レオナであり、ロープと見えたものはツインテールの髪だった。
 仰向けに寝たレオナは、ぐったりと四肢を投げ出して怪獣に引きずられていた。深紅のスーツも鍛えられた肢体も、土埃をかぶって汚れている。
 

「わざわざこちらに連れてきたのか、ゴモラよ」

 己の強さを誇示したい気分なのだろう。配下の怪獣の心理を、メフィラスはそのように判断した。
 動物の本能だけで行動していると思いがちだが、この古代怪獣には戦士のようなプライドもある。〝知将”と呼ばれた異星人は、そんな部分も含めてゴモラを精鋭部隊に選んでいた。
 
「お前の強さは私が一番理解している。レオナごときを歯牙にもかけないのは、先刻承知済みだ」

 誇らしげな悪質宇宙人の上半身は、血の雨を浴びて真っ赤に染まっていた。
 頭上に掲げたウルトラレディ・メリムの返り血。
 メフィラスから伸びた10本の蒼い爪が、メリムの全身を串刺しにしていた。霧となって噴き出した鮮血が、漆黒の宇宙人に降り注いだのだ。
 
「あがア”・・・ア”ァ”っ・・・!! はァぐっ・・・!!」

「フン。ふたり揃ってブザマなヤツらだ・・・」

 激痛に呻くことしかできない新世代戦姫を、メフィラスは大地に叩き付けた。
 10本の爪が抜けた、と思った瞬間には背中を強い衝撃が襲った。ムチムチとした血染めの肢体が、バウンドして高く跳ね上がる。
 
「ガハァっ――ッ!!・・・ふぎゃア”っ・・・!!」

「見えるか、メリム? 頼りない貴様の先輩も、すでに負けたようだぞ」

 仰向けに転がったメリムの顏を、メフィラスは踏みつけた。
 靴底に付着した泥でも拭うように、グリグリと踏みにじる。
 
「満足に光線すら放てないレオナと、むやみに光線に頼ったメリム・・・だからこそ貴様らはハンパ者だというのだッ! ウルトラ戦姫との闘いで我が状態を100%に仕上げるつもりだったが・・・これでは調整相手にもならんわ」

 パシリ、と乾いた音がした。
 メリムの両手が、〝知将”の足首を掴んでいた。踏みつける足を、震える腕で引き離していく。
 
「メリムも・・・レオナさんもっ・・・! まだ、負けてないのですっ・・・!!」

「ほう。少しはいい眼になったな」

「メリウムっ・・・ブレード!」

 左腕に装着されたメリウムブレスから、光の剣が延びる。
 斬りつけてくる剣戟を、メフィラスは跳び避ける。屈辱的な態勢から解放されたメリムは、血染めの肢体を懸命に立ち上がらせた。
 
「はあっ・・・はあっ・・・はあっ・・・!」

「まだそんなものを出せる力が残っていたか。10個もの穴を柔肉に開けられ、泣き叫びたいほどの苦痛に襲われているはずだが・・・少しだけ褒めてやろう」

「これくらいっ・・・メリムは少しも、諦めてないのですっ・・・!」

「フン。減らず口だけは一人前のようだ。だが、先輩戦姫の方は、貴様とは違うようだぞ?」

 クイ、と悪質宇宙人が顎を背後に向ける。
 ツインテールの片側を掴まれ、レオナはゴモラの怪力によって吊り上げられていた。
 
「っ!! ・・・レオナ・・・さんっ!?」

 ぐったりと垂れ下がった四肢からは、まるで力を感じられなかった。
 瞳は開いている。光芒も確認できた。だが、その光はひどく濁っている。
 意識はあるが、意志はない。武人と称えられる戦姫の瞳は、そう見えるほどに虚ろだった。
 
「・・・そ・・・んな・・・っ!? ・・・レオナさんっ、しっかりしてください!」

 敗北そのものより、覇気が消滅している事実。
 そちらの方が、本来の獅子座の戦姫を知るメリムにはショックであった。
 
「フッ・・・まあ、そう責めてやるな。レオナが心折れたとしても無理からぬわ」

 失笑、ともいうべき調子をメフィラスはあからさまに見せた。
 
「自慢の格闘技術も、必殺のキックも、なにひとつゴモラには通じないのだからな。同じく徒手空拳で闘う者として、実力の差を嫌というほど思い知ったことだろう」

「・・・メ・・・リム・・・なぜ・・・だ・・・? ・・・」

 ゴモラに吊り上げられたまま、脱力したレオナが声を搾り出す。
 
「この・・・狡猾な、メフィラスを・・・相手に・・・最初から、力を・・・全開にする、とはッ・・・! ・・・なぜ・・・私の、忠告を・・・聞かなかった・・・? ・・・」

「そ、それは・・・っ・・・」

 メリム・ブレイブの爆発的な力をもってすれば、あるいはメフィラス打倒も可能であったかもしれなかった。
 しかしメリムは、切り札ともいうべきブレイブ化をすぐに使ってしまい・・・大量のエネルギーを浪費してしまった。メフィラスの思うツボにみすみす嵌ってしまったのだ。
 
「お前の・・・ブレイブ化がなければ・・・・・・もう我々に・・・勝ち目は・・・」

「フン。レオナよ、この愚かな小娘には、私が身体に教えてやろう。バカは身を滅ぼすという事実をな」

 蒼の光がメフィラスの全身を包んでいく。まるで鎧を装着するかのように。
 『アーマー・ド・クルーェル』。冷酷な破壊エネルギーをまとった〝知将”は、血濡れたメリムに一気に迫る。
 
「牙の抜けた腑抜けは・・・そこで後輩が滅ぶのを眺めているといい」

 メリウムブレードと蒼き鎧とが、激しく衝突の火花を散らした。
 
「くっ!! ・・・ううぅ・・・!」

 10箇所も指ドリルで抉られた身体で、メリムは必死に光の剣を振るった。
 だが、破壊エネルギーを硬質化させて纏ったメフィラスには、刃が当たってもその本体にまでは届かない。
 蒼き光を打ち破るだけの、大量のエネルギーが必要だった。すでにブレイブ化をしてしまった後のメリムに、そのような力を望めるはずもない。
 
「貴様の勝算はすでに潰えていることが、ようやく理解できてきたか?」

 メフィラスの右フックが、メリムの左脇腹にめり込む。
 不快な音を響かせ、戦姫のアバラの骨が折れていく。
 
「んぐう”っ!! ・・・ぐはァ”っ――ッ!!」

「よく見ておけ、腑抜けた獅子よ」

 一気にメリムの懐へと飛び込んだメフィラスは、フラつく戦姫の右足を踏みつけた。
 ステップでかわす、という逃げが、メリムには許されなくなる。否応でも、鎧をまとったメフィラスと、至近距離で殴り合わねばならない。
 
「次世代のホープと呼ばれるこの小娘が・・・いかに取るに足らぬカスかをな」



 7、
 
 
 メフィラスの渾身のアッパーが、メリムの鳩尾に深々と埋まる。
 
「ごぼおああ”ア”っ!! ・・・うぶう”ゥ”っ――ッ!!」

 折れ曲がった新世代戦姫の口から、大量の吐血が噴き出す。
 右足の甲を踏まれているメリムは、動きを封じられている。よろけることもできずに、メフィラスと殴り合いを続けねばならない。
 左腕を振り、光のブレードで斬りかかる。身を沈めたメフィラスは、あっさり戦姫の反撃をかわしていた。
 すぐに左のフックが、カウンターとなって豊かな乳房に突き刺さった。
 
「きゃはア”っ!! グアアア”~~っ!!」

 さながら、脚をとめてのボクシング。
 だが、ウルトラレディ・シャインとも互角の格闘戦を繰り広げるメフィラスは、肉弾戦のテクニックにおいてもメリムを上回っていた。しかも悪質宇宙人が鎧を装着しているのも同然であるのに対し、メリムは生身なのだ。
 闘いは一方的となった。
 メリムの攻撃は空回りし、対照的に面白いようにメフィラスの拳が埋まる。
 
 ドボオッ!! ズボッ!! ドボッ!! グシャアッ!!
 
「げぶう”っ!! ぎゃひィ”っ!! くあア”っ・・・!! んあああ”っ~~っ!!」

 鳩尾を抉り、乳房を潰し、顎を跳ね上げる。
 瑞々しく、ハリのある戦姫のボディに、蒼い拳が突き刺さる。メフィラスの殴打の嵐に、メリムは踊り続けた。
 
「・・・もう、いいッ・・・やめろ・・・やめて・・・くれッ!!」

 ゴモラにツインテールを掴まれ、ぶらぶらと垂れ下がるレオナが懇願を漏らす。
 嘲笑うように、悪質宇宙人の右ストレートがメリムの顏の中心に打ち込まれた。
 
 グシャアアアッ・・・!!
 
「ぷぎゅウ”ウ”ッ!! ぶっ・・・!! ァ”ッ・・・アア”ッ・・・!!」

 愛らしい戦姫の顏は、鮮血で真っ赤に濡れていた。
 純白だったスーツは血に汚れ、全身には蒼黒い痣が浮かんでいる。華々しかったメリムの姿は、無惨に変わり果てていた。
 それでも震える身体で、メリムは左腕のブレードを振る。
 
「コイツが向かってくるというのに・・・やめることなど、できんな」

 メリウムブレードは、蒼き光を纏ったメフィラスの掌に容易く受け止められていた。
 もう一方の拳が、伸びきったメリムの左肘を砕く。
 
 ボギイイイィィッ!!
 
「んぎィ”っ!? きゃあああア”ア”ア”っ――ッ!!」

 メリムの左腕は、逆方向に90度曲がっていた。
 奇妙に折れた左腕がぐったりと垂れ下がる。もはや、メリウムブレードを振ることすら新世代戦姫には不可能だった。
 それでもメリムは、残る右腕を必死にメフィラスへと伸ばす。
 
「メリ・・・ムッ・・・!! もういいッ・・・これ以上は・・・ッ!!」

「ア”・・・アア”っ・・・まだ・・・まだなの・・・ですっ・・・!!」

「・・・いいだろう。その根性だけは認めてやるぞ」

 愛しげに、〝知将”が両腕をメリムの腰に回す。
 
「だが、この私の相手を務めるには、貴様は未熟過ぎた」

 バキィッ!! ベギボギベギィッ!!
 
 左右の肋骨ごと、新世代戦姫の背骨はメフィラスのサバ折りによって砕かれた。
 
「ブシュッ!! ・・・」

 鮮血の塊が、メリムの口から高々と噴き上がる。
 ようやくメフィラスは、踏みつけからメリムの足を解放した。立ち尽くしたまま、ビクビクと血染めの戦姫は痙攣を続ける。
 立ってはいるものの、事実上メリムはK.O.されたも同然だった。
 血に染まり、青痣だらけとなり、腕も背骨もアバラも折られる・・・次世代のエースと期待され、活躍し続けてきたメリムのこれほど無惨な姿を、かつてレオナは見たことがなかった。
 
「メリム・・・ッ・・・!! なぜ・・・なぜだ・・・ッ? ・・・」

 ブレイブ化によるエネルギーの大量消費の時点で、メリムの勝ち目などなかったのだ。
 いかにメリムが戦術眼に長けたとは言い難くても・・・メフィラスに敵わぬことはわかっていたはずなのに。
 
「・・・メリムは・・・頭よくない・・・からっ・・・」

 腰の背骨を折られているというのに、それでもメリムは〝知将”に向かおうとしていた。
 ジリジリと、わずかにふたつの脚が前へと進む。
 
「一生懸命っ・・・闘うことしか・・・できないの・・・です・・・」

 抗う若き戦姫を嘲笑うように、メフィラスは背後へと回る。
 立っているだけで精一杯のメリムは、何もすることができなかった。ヒクヒクと震えるグラマラスボディを、漆黒の異星人が両腕で抱き締める。
 
「ごめんな・・・さいっ・・・レオナ、さん・・・わかってても・・・メリムは、全力を出すことしか・・・ぶきっちょな闘い方しか・・・できないのです・・・」

 そうか。だからお前は・・・すぐにブレイブ化してしまうのか。
 
 そばにいながら、ようやくレオナは後輩戦姫が抱える、闘いの事情を知った。
 私には到底できぬであろう、ブレイブ化。その輝きに、羨望の眼差しを向けたのは・・・否定できない。
 
 だがメリムにとってはブレイブ化「してしまう」ことが、コンプレックスになっていたとは。
 
「メリムッ・・・すまなかった・・・ッ!!」

 悔しさを噛み締めるレオナの瞳に、涙が浮かぶ。
 自分ひとり悩んでいると、思い込んでいたのが悔しかった。
 懸命に闘い続ける後輩に対し、無力な自分が悔しかった。
 
「愚かな。本当に泣きたくなるのは、これからだ。レオナ」

 メフィラスの全身から、蒼の光が細く伸びる。
 『アーマー・ド・クルーェル』の破壊エネルギーが、変形しているのだ。針金のような細い光が、無数に飛び出す。背後からメリムを抱き締めたメフィラスのシルエットは、数えきれぬ棘を伸ばしたウニか栗のようでもあった。
 メリムの身体に開いた傷穴に、ブスブスと蒼の針金が侵入する。
 
「んう”う”っ――ッ!? ギャアアアアア”ア”っ――ッ!!」

 ズブブ・・・ズブズブズブッ!!
 
「メッ、メリムッ――ッ!!」

「傷口から侵入した蒼き光を、血管中に張り巡らせていくぞ。メリムにとっては地獄の苦痛であろうな。だが、まだ終わらん」

 新たな蒼の針金は、巨乳の頂点。ぷくりと浮き上がった突起に突き刺さる。
 グリグリと、乳腺を抉って突き進む。焼けるような激痛とともに、仄かな悦楽が乳房に湧きあがった。
 
「ガアアア”ア”っ~~っ!! イ”っ、イイィ”っ・・・!!」

「貴様の体内にある管という管を・・・破壊の蒼きエネルギーで埋め尽くしてくれる。当然、腸管も、膣の道も針金が埋めることになるな」

 ドシュドシュドシュッ!!
 
 何十本という単位で、蒼の針金が股間の陰部とアナルとに埋まる。
 
「ギュアアアア”ア”ッ――ッ!! ギャアアア”ア”ア”ッ~~~ッ!!! おかひッ、おかひくなるゥ”ッ――っ!! 抜いてェっ~~、抜いっ・・・ギャアアア”ア”っ~~ッ!!」
 
 クリトリスにも、お臍の穴にも針金は刺さった。
 鋭すぎる激痛と、わずかな愉悦。体内のいたるところに針金を埋められ、新世代戦姫の脳裏が白くなっていく。
 
「わかるか、メリム? これで貴様は・・・本当の意味で私の操り人形というわけだ」

 瑞々しく、肉感的な戦姫のボディは、指の先まで内部から蒼の針金に支配された。
 あまりの苦痛に立ったまま全身を突っ張らせ、白目を剥くウルトラレディ・メリム。
 
「ェ”ア”っ!! ・・・ィ”っ・・・!! ァ”っ・・・!!」

「このボディだけは・・・シャインに劣らぬ極上品だな。せめて愉しませてもらうぞ」

 涎をこぼし、喘ぎ続けるメリムの口を、メフィラスの舌が塞ぐ。
 ぶちゅぶちゅと、粘液の絡まる音がする。咽喉奥まで、悪質宇宙人の黒いベロは侵入した。
 
「・・・うおッ・・・!! オオオッ――ッ!!」

 獅子の咆哮が、轟いた。
 ゴモラの腕を振り払ったウルトラレディ・レオナは、凛とした光を瞳に戻して大地に還ってきた。
 
 
 
 8、
 
 
「くそッ・・・クソォッ!! 私は・・・私はッ!!」

 ファイティングポーズを取ったレオナは、素早く瞳に浮かんだ雫を拭った。
 残虐行為を繰り返すメフィラスにではなく、その怒りは自分自身に向けられているようだった。
 
「フン。ようやくゴモラと闘う勇気を取り戻した、というだけでもないようだな」

 メリムの口腔を貪っていた舌を引き抜く。ドブリと、大量の唾液がメリムの口から溢れる。
 そのわずかな震動だけで、新世代戦姫の全身を鋭い苦痛が襲っていた。血管にも腸管にも乳腺にも膣穴にも・・・破壊エネルギーの針金が埋められているのだ。生きているだけでメリムには地獄だった。
 白目を剥いたまま、ヒクヒクと痙攣するのが次世代のホープと呼ばれた戦姫にできる全てだった。
 
「瀕死のメリムの姿を見て、いてもたってもいられなくなったか?」

「わからぬッ!! 私は・・・ただッ・・・!!」

 力強く拳を握りつつも、レオナの悩みは完全に吹っ切れたわけではなかった。
 コンプレックスを抱えているのが、自分だけではないと知った。メリムの無惨な姿に、次世代のエースとされる戦姫も、決して恵まれたわけではない事実も悟った。
 だが、それでレオナの惨めさが晴れるわけではない。
 ただひとつ、痛切に悔恨させる想いが、一度は心折れた戦姫を闘いに向かわせていた。
 
「一生懸命にッ・・・私も闘うだけだッ!! こんな私でもッ・・・ウルトラレディ・レオナなのだからッ!!」

 惨めであろうと、なかろうと。
 未熟であろうと、なかろうと。
 L77星雲の出身であろうと。光線技がなかろうと。
 関係なかった。悩んでいる場合では、なかった。
 
 ただひたすらに、懸命に、闘う。
 それをメリムが教えてくれた。メリムにとって全力を尽くして闘うことは、欠点に繋がることかもしれないけれど・・・やらねばならないことだった。
 
 レオナはウルトラ戦姫なのだから。
 それがクイーンやマザー、あるいはセレスやシャインたちから・・・誇りを継ぐ者の使命。
 
「いくぞッ、ゴモラッ!! もう一度、私はお前に・・・挑むッ!!」

 敢えて、「挑む」という言葉をレオナは使った。
 力の差はわかっている。事実そのままを、レオナは受け入れた。
 だが実力の差が必ずしも勝敗に直結しないことは、これまで多くの闘いで戦姫たちが見せてきたことではないか。

「グモオオオオッ――ッ!!」

 古代怪獣の咆哮は猛々しかった。仕留めたと思っていた獲物の復活が許せないのか。あるいは、再び闘えることに喜びを覚えているのか。
 巨体が一直線に襲い掛かる。三日月型のツノを、レオナに突きつけ。
 ゴモラの恐ろしさは、そのパワーとサイズ、尋常ならざるタフネスぶりだけにあるのではない。スピードもまた、巨体とは思えぬものを持っている。
 
 かわして逃げる、などと容易にできる相手ではなかった。
 まして、この至近距離の闘いでは。
 
(パワーと頑丈さで劣る私には・・・一撃でコイツを倒す方法はない。ならば・・・打って打って、打ちまくるのみッ!!)

「獅子ッ・・・十六連撃ッ!!」

 ドドドドドドドドオオオオオオオオッ!!!
 
 一瞬にして16発もの突きと蹴りが、ゴモラの厚い皮膚に撃ち込まれていた。
 表皮から、煙が昇る。16か所。
 突進した巨体が、打撃の猛爆によって止まっていた。
 
「効いた・・・かッ!?」

 ブオオオンンッッ!!
 
 ゴモラの太く長い尻尾が、唸りをあげて横薙ぎに払う。
 虚を突かれたレオナの左の脇腹に、極太の鞭が吸い込まれる。
 
 ブッパアアアンンッッ!! ・・・ベギッボギィッバギィッ!!
 
「げほお”お”ッ――ッ!! ・・・ゴビュッ!!」

 胸骨に続き、獅子戦姫の左の肋骨も粉砕された。
 16発の連撃は、効いたというより、機先を制していた。ボクシングでいえばジャブだ。敵の出足を止めるのに有効だが、ノックアウトできるほどの威力はない。
 だから、突進は止めたが、尻尾というまるで別方向からの追撃は抑えられなかった。
 
「い、一撃で・・・この威力とは、な」

「グモオオオオッ――ッ!!」

 牙を剥き出して、再びゴモラが突進する。動きの止まったレオナに、トドメを刺すべく襲い掛かる。
 脇腹を痛めたレオナに、獅子十六連撃を放つ余裕はなかった。といってまともに古代怪獣の一撃を喰らえば、全ては終わる。
 逃げるか――。背を向けて、逃げ出すか。横に飛び避けるか。
 
「逃げッ・・・ないッ!!」

 ツインテールの戦姫は、真正面からゴモラに特攻した。
 巨大な衝撃に飲み込まれれば、レオナの身体はバラバラになるかもしれない。だが、真っ向から、同じように強い衝撃を撃ち返せば。
 ベクトルの勢いは相殺され、理論上衝撃は減るはずだった。
 
 グッシャアアアアッ!!
 
 カウンターの膝蹴りが、ゴモラの鼻柱に叩き込まれた。
 衝撃の余波を受け、吹っ飛ぶレオナ。だが、反動が己にも返ってきたゴモラもたまらなかった。
 古代怪獣の片膝が、レオナとの闘いで初めて大地に崩れる。
 
「オオオッ・・・ウオオオオオッ――ッ!!」

 ここしかない。実戦で鍛えた直感が語る。万に一つの勝機は、ここだと。
 ツインテールの戦姫が、獲物に飛び掛かる百獣の王と重なった。
 打つ。撃つ。討つ。
 打撃の嵐を、獅子戦姫はゴモラに浴びせる。凄まじい速さの連撃だった。恐らく、他のウルトラ戦姫ではここまでの連打は撃ち込めまい。
 
 そうだ。
 私には、これがある。光線技はなくても・・・格闘の技術が。打撃のスピードが。
 光線の練習など・・・やる必要はなかった。
 血の滲む鍛錬で身につけたこの力を、なぜもっと信じてやることが・・・
 
「なッ!?」

 ラッシュをかけるレオナの瞳が、驚愕に見開かれた。
 片膝をついてうずくまるゴモラに、異変が起きている。三日月型のツノと、肘の骨が飛び出したかのような、三角形の突起。
 それらがビカビカと・・・白く光り輝いているのだ。
 
「まさかッ・・・!? ゴモラが光線技だとッ!!」

 レオナは思い出す。このゴモラが、メフィラスによって改造を受けていることを。
 ならば・・・光線技を放てるよう、改良が施されていてもなんら不思議ではない。
 
「あッ・・・ああ”ッ・・・!?」

 打撃を止めたレオナは、無意識のうちにじりじりと下がっていた。
 両腕でガードを固める。レオナが放てない光線を、このゴモラは撃つことができるというのか。ならば、ただでさえ強力すぎる古代怪獣に、獅子戦姫が勝つ可能性はない。
 
 ゴモラですら、光線を持つ――そのショックが、レオナの脚を硬直させていた。
 地中に潜り込んだゴモラの尻尾が、レオナの真下の地面から不意をついて急襲する。
 
「えッ?」

 ドボオオオオオオッ!!
 
 輝くツノと肘突起に気を取られた戦姫は、気付けなかった。知らぬうちに地中を潜り、迫ってくる長大な尻尾のことを。
 獅子の陰唇を割り裂き、尻尾の先端が膣奥までレオナの内部に挿し込まれた。
 
「へア”ガッ!! ア”ッ・・・ア”ア”ッ・・・ッ!!!」

 動きの止まったレオナの腰を、ゴモラが両腕で抱き締める。
 細身の戦姫を、パワー自慢の怪獣が締め付ける。メリメリと、腰を圧迫していく。
 
「ゴボオオオッ――ッ!! うああ”ッ、ウアアア”ア”ッ~~~ッ!!!」

 事実上、勝負は決していた。
 ゴモラの三日月型のツノがレオナの乳房に押し当てられる。ジュウジュウと胸を焼きながら、強烈に押す。
 ベアハッグに捉えられ、腰骨を締められるレオナに、前方からの圧力を逃がれる方法はなかった。
 
 ボギイイイイイッッ!!
 
 獅子戦姫の背骨が、直角に折れた。
 引き裂くようなレオナの絶叫が、小さな惑星全体に響き渡った。
 
 
 
 9、
 
 
「ゴモラのツノが光ったのは・・・貴様のレオナキックのようなものだ」

 冷たい大地に横たわる、ツインテールの戦姫に向かってメフィラスは言った。
 レオナの肢体は、仰向けで大の字になっていた。強化スーツがワンピース型のため、幼い体型と錯覚しがちだが・・・実際にはL77星雲の皇女は見事なプロポーションの持ち主だった。メリムほどのバストサイズでないにせよ、十二分にボリュームを感じさせる乳房が、横臥しても形を崩さない。
 レオナの背骨は、腰のやや上で完全にボキリと折れていた。
 立つことさえ、ままならなくなった戦姫。その開いた両脚の間には古代怪獣が居座っている。
 
 ゴモラの猛々しいペニスは、レオナの秘部に根本まで埋まっていた。
 ズブズブと、艶めかしい音色を漏らしながら肉茎は抜き差しを繰り返している。女蜜の雫が、トロトロと剥き出しの陰唇から垂れていた。
 
 敗者レオナは、勝者ゴモラに犯されていた。
 背骨の砕けた戦姫は、逃げることもできずに獣姦を受け続けている。もう何時間、肉剣で衝かれているのか、わからなかった。
 
 熱いザーメンを、6度は内部に放出された。それから先は、数えていない。数えていられるほど、余裕はなかった。
 何度目かの絶頂を迎えたあと、ようやくメフィラスの語る言葉が、脳に理解できるようになった。
 
「はふッ・・・へあ”あ”ッ・・・ぐ、ああ”ッ・・・!!」

「高密度のエネルギーを集め、破壊力を増すというわけだ。光線技とは違う。そもそも、ゴモラに光線など必要ない。必要と考えるのは・・・浅慮の輩の発想だ」

 レオナを言葉で嘲りつつ、メフィラスの手は突っ立ったままのメリムを愛撫していた。
 背後から抱き締めた姿は、恋人同士が見せる姿にも似ている。しかしメフィラスのそれは、メリムのはち切れんばかりの肢体を独占している、というアピールに過ぎない。
 
 蒼き破壊エネルギーの針金を、全身に張り巡らされたメリム。激痛によって次世代のエースは、メフィラスのされるがままの人形に堕していた。
 白のスーツに包まれた乳房を、ぐにぐにと揉み潰す。先端の蕾を指先で転がす。
 乳腺に針金を埋められているメリムには、神経を削られるような激痛だった。だが、それだけではない。愛撫による桃色の愉悦も、紛れもなく乳房に広がっている。
 
「もし貴様が、わずかでもゴモラに光線があると思ったのなら・・・その時点でレオナ、お前は負けだ。私がゴモラに授けたのは、より強靭な肉体と純粋なパワー。それだけだ」

「んああ”ッ、あ”ふッ・・・!! あああ”ッ、ああ――ッ!!」

 武人を気取る戦姫が、少女のような悲鳴をあげた。
 膣内の肉襞を擦りあげられる快感と、子宮底を突く怪獣の巨根。
 ビン、と屹立したふたつの乳首が震える。駆けあがる絶頂に、レオナの頬は紅潮した。
 涎を撒き散らし、瞳を蕩かせて、ウルトラレディ・レオナは呆気なく達していた。
 
「あはあ”ッ!! ・・・ああ”・・・んくっ! ・・・ひくっ・・・う”ぅッ・・・ん”ぐ・・・」

 振り乱したツインテールが、レオナの顏を隠している。その奥で、キラキラと雫が光っていた。
 丸いふたつの肩が、震えていた。かすかに嗚咽が漏れてくる。
 
 闘いに敗れ、凌辱を受けるのは初めてのことではないが・・・涙がこれほどにこみ上げてくるのは、記憶になかった。
 泣き顔を隠すレオナに、極太ペニスを引き抜いたゴモラが跨る。怒張したままのイチモツを、端整な美貌に向ける。
 
 ドピュウッ!! ドピュッ!! ぶぴゅるッ! ドピュドクドクッ・・・!!
 
 バケツの水を浴びせる勢いで、白濁が獅子座の戦姫に放射される。顏に、胸に、お腹に・・・。
 何十度となくぶっかけられたザーメンで、レオナの肢体は白く塗り固められていた。
 
「も・・・う・・・やめて・・・これ、以上は・・・耐えられ・・・ない・・・」

 かすれた声で、レオナは言った。
 胸のカラータイマーが、消え入りそうに点滅している。ゴモラに完膚無きまで叩き潰され、獣姦の昇天地獄を休みなく浴びたのだ。
 心身ともにボロボロの戦姫が、エネルギーを喪失するのは時間の問題だった。
 
「ほう。それはこのメフィラスに屈服すると捉えていいのか? 獅子座の戦姫レオナ」

 二本の指を揃えて、胸の内に抱いたメリムの股間に伸ばす。
 白のスーツにぷくりと浮かんだ恥丘。その縦筋に沿って、二本指がすりすりと摩擦する。繊細なタッチが、官能の刺激をウブな戦姫に送る。
 蒼の針金を膣いっぱいに埋められたメリムは、その刺激だけで苦痛に襲われた。子宮にジクジクと激痛が走る。
 それでいて悪質宇宙人の愛撫は、むず痒い快感を女の芯に注ぐ。ヒクヒクと腰が震えるのを、メリムは止められなかった。
 
「あふう”っ・・・くふっ!! ・・・んふう”っ――っ、ふああ”っ・・・!!」

「ッ!! ちが・・・うッ!! ・・・私たちは・・・貴様ら、なぞに・・・決して、屈しは・・・んはあ”ッ!? くはあああ”あ”ッ~~んん”!!」

 台詞の途中で、レオナの下の唇をゴモラの巨根が塞いだ。
 メリメリと膣に埋まる肉の感触に、上の口まで閉ざされる。代わりにレオナが発したのは、牝獣のような嬌声だった。
 
「そうか。屈しない、というならばゴモラを慰めているんだな。どうやら貴様のことが気に入ったようだ。好敵手としてなのか・・・メスとしてなのか、は知らぬがな」
 
「んはあ”あ”ッ、はああ”ッ~~ッ!! やめ、やめてッ・・・!! もう、こんなッ・・・殺しッ・・・殺してくれえ”ェ”ッ――ッ!!」

「いや、貴様らは殺さん」

 メフィラスの蒼い瞳が、冷酷な光を放った。
 メリムの陰唇と乳首とに、指を埋めていく。すでに乳房も秘部も光の針金でいっぱいになっているメリムにとっては、それだけでも裂かれるような激痛だった。
 
「ィ”ッ・・・!! ィア”っ・・・!! ェう”ッ・・・!!」

「未熟なる者どもは、この私が手を下すに値しない。シャインやシルフィーたちと・・・貴様らを同列に扱うと、思ったのか」

 メリムの乳房と肉壺に埋まった左右の指が、蒼の光を輝かせる。
 血管をはじめとする、管という管に埋まった蒼い針金が、指の光にあわせて激しく震動した。
 
「ギャアア”ッ・・・ウアア”っ・・・あああ”ア”ア”っ――ッ!!! ウギャアアア”ア”っ~~ッ!!」

「だが調整相手としては・・・それなりに楽しませてもらったぞ。ウルトラ戦姫としての、敗北はくれてやる」

 ピコン、ピコン、ピコン、ピコン・・・
 
 レオナとメリム、ふたつのカラータイマーが激しい点滅音を重ねる。
 ゴモラの肉茎がレオナを突き上げ、メフィラスの指がメリムを蹂躙した。次世代を担うと期待される戦姫たちの絶叫と悲鳴が、タイマーの音色をバックに轟く。
 
 ピコンッ、ピコッ、ピコピコピコ・・・ピー・・・・・・―――。
 
 ふたつの点滅音が、消え入るのは同時だった。
 
 ツインテールの戦姫が、ガクリと首を揺らした。
 ピンク髪の戦姫が、天を仰いだまま、動きを止めた。
 
 ぷしゅッ・・・シュシュシュッ・・・しゅわあああッ・・・
 
 ふたりの戦姫の股間から、愛蜜の飛沫が噴き出す。
 レオナとメリム。若き戦姫たちは、光エネルギーの残滓を搾り出すかのように、女の潮を噴射した――。
 
 
 
 10、
 
 
「・・・カラータイマーが、消えたか」

 いくら揉みしごいても、反応のなくなったメリムから、メフィラスは離れた。
 大の字で立ったままの股間からは、ボタボタと半濁の飛沫が垂れている。半開きになった口から赤い舌が垂れ、先からトロトロと涎が糸を伸ばしている。
 
「ウルトラ戦姫としては死んだが・・・命自体は残しておいてやる。我が脅威となり得ぬ存在は・・・殺す価値もないのでな」

 地面に横たわるレオナを見詰め、その傍らへとメフィラスは近づいた。
 ピクリとも動かなくなったレオナを、ゴモラはいまだに肉棒で貫き続けていた。獣の本能は、いまだ極上のボディを貪ることに飽きていないらしい。
 
「ゴモラよ、そろそろいくぞ。我らの調整は済んだ。レオナの肉体がそれほどまでに気に入ったのか?」

 ならばゴモラ用の肉玩具として、レオナを冷凍保存して持ち帰るか?
 状態を確認しようとして、メフィラスは蒼い光の眼を凝らす。
 
「・・・むう」

 カラータイマーにわずかな灯を見たような気がして、悪質宇宙人は不用意に顏を近づけた。
 戦闘不能となったはずのレオナが、瞳を見開いたのはその瞬間だった。
 
 ゴキャアアアアッ!!
 
「があッ!? ぐああッ、き、貴様ッ!?」

 至近距離からの、ヘッドバット。
 だが、レオナの頭突きはただでは済まない。なぜなら、その銀色のヘッドギアには角のごとき装飾が施されているから。
 凶器そのものと化した角が、油断したメフィラスの顔面に叩き込まれたのだ。顏を抑える漆黒の両手から、血がじっとりと漏れ出ている。
 
「・・・意外だ。お前のような悪魔にも・・・赤い血が流れているのだな」

「レオナァッ、貴様ッ・・・!! 死んだフリとは、随分と姑息な手を!!」

「狡猾な貴様に非難されたくない。今の私にできる、精一杯がこれだ・・・これも懸命な闘い方のひとつと知れ」

 右の拳を握ったレオナが、視界を失ったメフィラスへと撃ち込む。
 寝ころんだ姿勢からでは、拳の届く距離は限られていた。悪質宇宙人の、膝へ。右脚の膝頭の上から、渾身の正拳を叩き込む。
 
 ゴギイイィィッッ!!
 
「うぎいィ”ッ!? グギャアアアッ~~ッ!!」

「フッ、骨が折れる痛みはどうだ? 一箇所くらいで、宇宙の覇者を気取る者がそう喚くな」

「グモオオオオッ――ッ!!」

 事態の急変を察したゴモラが、怒りに任せて獅子の戦姫に噛みつく。
 右の乳房から脇腹にかけて。
 鋭い牙が無数に食い込み、皮膚も筋肉も骨も、丸ごと噛み砕いていく。
 
 ブヂイ”ッ!! ベキバキバキッ!! ビリィッ―ッ!! ブチブチィッ!!
 
「ゴモラ、よッ・・・お前と闘えたことを・・・私は幸運に思うッ・・・!!」

 乳房を抉られ、アバラの骨を粉砕されながらも。
 レオナの口から飛び出したのは、古代怪獣への感謝の言葉だった。
 
「お前のおかげで私はッ・・・光線を持たぬ者の、矜持を思い出したッ!! 力と技と、肉体を磨き上げればッ・・・どんな強敵とも闘えるッ! 私の道を、お前が教えてくれたのだッ!」

 真正面から叩き潰されたことで、レオナのなかで芽生えた感情があった。
 実力で及ばなかったことは認めざるを得ない。しかし、強敵から得たものは・・・レオナにとって決して軽いものではなかった。
 
「メリッ・・・ムッ・・・!! 聞こえて・・・いる、かッ!!」

 ゴモラに噛み砕かれながら、レオナは悲鳴よりも後輩の名を叫んだ。
 
「これがッ・・・私の闘い方、だッ!! お前とは逆ッ・・・耐えて・・・耐えて、耐え忍んでッ!! 肉を斬らせて、骨を断つッ!! こういう闘いもあるとッ・・・知るんだッ!!」

「ゴモラッ!! その忌々しい戦姫をッ・・・上空に放り上げろッ!! 我が肉体を傷つけた罪、死をもって償えィッ、レオナ!!」

 指示通りに、古代怪獣がツインテールの戦姫を放り投げる。
 背骨の折れたレオナに、立つことは不可能だった。力無く、落下する。メフィラスとゴモラとが待つ、処刑の大地へ。
 
 眩い閃光が煌めき、一直線にゴモラの胸へと吸い込まれた。
 火花が噴き、爆発が起こる。強靭な肉体を持つゴモラといえど、高出力の光線を浴びればノーダメージでは済まなかった。
 煙を噴きながら、古代怪獣の巨体が大地に沈んでいく・・・
 
「・・・メリウム・・・シュートっ・・・!!」

 光線の飛来した方向に立っていたのは、次世代のホープとされる戦姫だった。
 激痛に震えながらも、ウルトラレディ・メリムの両手は十字を組んでいた。
 
「バカなッ!? 貴様もッ・・・生きて!!」

「へ、えへへ・・・レオナさん・・・こういう・・・こと、ですかぁ?」

「・・・そうだ、メリム。いい仕事だ」

「そんなわけがないッ!! エネルギーが残っているのはともかくッ・・・蒼の針金を埋められ、満足に動けるわけがッ・・・」

「メフィラス星人・・・いいこと・・・教えてあげるのです・・・」

 両腕を十字に組んだまま、メリムはニコリと笑って見せた。
 
「メリムの根性・・・だけは・・・シャインさんと、同等なのです・・・ふふっ・・・悪質宇宙人の・・・お墨付きなのです・・・」

「喰らえッ、メフィラスッ!! これが私の・・・最後の技だッ!!」

 自然落下するレオナが、上空より〝知将”に迫る。
 咄嗟に逃げようとして、メフィラスの右脚は動かなかった。
 先程のレオナの一撃で、その膝は粉砕されていたのだった。
 
「錐揉みッ・・・レオナキィ――ック!!」

 蒼き光の鎧を、旋回する獅子の飛び蹴りがぶち破る。
 レオナ必殺のキックが、メフィラス星人の胸元に撃ち込まれた――。
 
 
 
「メフィラスさま。お迎えにあがりました」

 怪獣墓場近くの、小さな惑星。
 悪質宇宙人の優秀なる参謀レディ・バルタンの声が、荒涼とした大地に響く。
 荒野に刻まれたクレーターの数々が、ついしばらく前まで、激闘がこの星で行われていたことを示唆している。
 
「・・・激しい戦闘だったようですね。お怪我はありませんか?」

「大したことはない。ただ・・・こやつらを仕留めるのに、少しばかりアツくなってしまっただけのことだ」

 メフィラス星人の足元には、ふたりのウルトラ戦姫が冷たくなって転がっていた。
 ウルトラレディ・レオナと、メリム。
 次世代のエースと噂される戦姫たちは、カラータイマーを砕かれ、無数の傷を負って息絶えていた。
 
「・・・殺したのですね?」

 弱き者には、敢えて手を下さない――。
 相手にとってはもっとも屈辱的であろう、メフィラスの信念を、側近であるバルタンは知っていた。
 
「そうだ。殺した。大事な戦力であるゴモラに、深手を負ってもらっても困るのでな」

 獰猛な古代怪獣は、じっと静かに死んだふたりの戦姫を見下ろしている。
 狂暴性を剥き出しにしたようなこの怪獣が、落ち着いた表情をするのを、レディ・バルタンは初めて見た。
 
「急ぎましょう。ウルトラクイーンが、救援の戦姫をこの地に差し向けたようです。今、奴らとことを構えるのは得策ではありません」

「わかっている。フンッ・・・クイーンめ・・・まるで全ての決着がつくのを、見計らっていたようではないか」

 バルタンが用意した宇宙船へと、異星人と一匹の怪獣は向かった。
 
「それで・・・戦姫相手の調整は、無事うまくいきましたか? メフィラスさまの全力を、あのような未熟なる者どもが、引き出せたのかどうか・・・」

「・・・案ずるな。我が状態は・・・100%、復活した」

 右脚を軽く引きずりながら、メフィラスは宇宙船へと歩みを進めた。
 
「・・・いや。訂正する。状態は・・・90%だ」
 
 胸の中央に刻まれた陥没の痕を、メフィラスはバルタンの眼から隠した。
 
 
 
 レオナとメリム。駆け付けた銀十字軍のサポートチームが、ふたりの戦姫に緊急の蘇生施術を行ったのは、それから数時間後のことだった。
 
 
 
 《了》
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| ウルトラ戦姫物語 | 00:00 | トラックバック:0コメント:1
コメント
レオナ&メリムの後編、一気に書き上げました。
時間をかけずに書いたので、サービスシーンなどにちょっと影響がでたかもしれません・・・その点は申し訳ありません。
特別篇は思い立ったら書く、というものなので、粗さはでちゃうところがあります・・・

とはいえ、久しぶりにレオナ&メリムをたくさん書けたのは個人的には楽しかったですw

これでしばらくは、DL頒布用作品の制作に取り組むことになりそうです。
オメガや新作など、もうしばらく発表には時間がかかりそうですが・・・ご容赦のほど、よろしくお願いしますm(__)m
2015.01.27 Tue 00:08 | URL | 草宗
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