「・・・まさか、まだ・・・動けたとはな」
重く、低いゲドゥーの呟きが、秋の風に流されていく。
濃紺のひとつ眼に映るのは、両手を広げて立ち塞がった銀と紫の女神と、その背後で座り込んだ青いショートカットの少女。
数秒が、永遠に感じられた。ゲドゥーのみでなく、傍らのギャンジョーも口を開かなかった。
右腕から伝わる感触は、本物だった。紛れもなく、ファントムガールのリーダー・・・サトミの腹部を“最凶の右手”とギャンジョーの槍腕は貫通していた。
手応え以上に、ナナの表情が語っている。
サトミにとって、致命的な一撃になったはずだ、と。
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