巨大変身ヒロインのオリジナル小説を書いている草宗の独り言をつぶやくブログです。

草宗の書斎

最終話 東京終末戦 5章―5 (完結)
 
「ッッ!!! ・・・・・・」
 
 魔人の般若面は、不思議そうな表情を浮かべていた。
 引き離された、己の胴体。その、首の断面図を眺める。
 
 プシュッ・・・ププッ・・・プシューッ!! ・・・
 
 飛び散る赤い液体が、噴水のようだった。
 ゆっくりと、青銅の肉体が傾いていく。メフェレスの頭部からは、とっくに血の気が失せていた。
 崩れ落ちる己の身体を確認することなく、魔人の意識は途絶えていた。
 
 それが、闇の王たらんとした男の、最期だった。
 
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| ファントムガール | 22:37 | トラックバック:0コメント:27
最終話 東京終末戦 5章―4
 
「ッッ・・・!!!」
 
「ゥッッ!!! ・・・きィッ・・・きさッ・・・まァッ!!!」

 麗しき令嬢戦士も、青銅の魔人も動きを止めた。
 止まらざるを得なかった。硬直せざるを得なかった。誰もがそうなる。喧嘩の最中に拳銃を持った暴漢が出現したら、誰もが固まらざるを得ない。
 
 逆三角形の筋肉の塊が、東京タワーを背にして立っていた。
 赤い肉体から、さらに赤い液体が垂れ落ちている。遠目からでもハッキリわかるほど、分厚い胸と肩は、激しく波打っていた。
 
「・・・闘鬼・・・ガオウッッ・・・!!」
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| ファントムガール | 10:06 | トラックバック:0コメント:8
最終話 東京終末戦 5章―3
 
「・・・しっかり・・・歩きなさいよ・・・足元フラフラじゃない・・・ったく、あんたは頑張りすぎなのよ」

「しっかりするのは、アリスの方でしょ・・・もう、血まみれのボロボロじゃん・・・いっつも自分を犠牲にしすぎなんだってば」

 悪態をついているのか、讃えあっているのか。
 仲がいいのか悪いのか、独特のコミュニケーションを取りながら、ふたりの巨大女神は互いを支えあっていた。ファントムガール・ナナとアリス。同い年の守護天使は、肩を組んで歩を進めている。
 凶獣ギャンジョーを斃した後、眠りについたふたりであったが、変身は解けていなかった。
 
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| ファントムガール | 22:30 | トラックバック:0コメント:1
最終話 東京終末戦 5章―2
 スレンダーな銀の肢体に、黄色の紋様。セミロングの緑の髪。
 人形のように可憐な容貌を持ちながら、凛として構える新たな戦士、ファントムガール・エリス。
 儚く散ったユリアと瓜二つの守護天使を、ひとりの男が距離を置いたビル影から見守っていた。
 
「お前が黒幕だったのか。勇樹よ」

 背後から掛けられた声に、隻腕の自衛隊員は、飛燕の速度で振り返った。
 
「ッ!! 玄道さま・・・」

「エリス・・・西条ユリの姉、エリをこの厳戒下の東京に連れてくるには、何者かの協力が必要だと思ってはおったのだ。うぬならば、検問を突破できるのも納得ぞ」
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| ファントムガール | 00:19 | トラックバック:0コメント:5
最終話 東京終末戦 5章―1
 
 5、
 
 皇居前の広場にて、魔人メフェレスは座りこんだままだった。
 
 三日月のごとき目口をした黄金のマスクは砕け、素顔が露わになっている。般若にも似た、歪んだ表情。怨讐に凝り固まった青銅色の顔は、とめどない雫で濡れ光っている。
 
 完膚なき敗北、であった。
 
 表情が硬直するまでに、ファントムガールへの憎悪と怨恨を積もらせたのに・・・メフェレスは敗れた。自らが心底から認めねばならぬほど、守護天使により心折られた。
 それも敗れた相手は、かつては己が「飼っていた」少女だ。
 ファントムガールのなかで、最弱と位置づけられている桃色の戦士、サクラ。恋人というポジションを授け、手駒のひとつとして利用するはずだった少女に、悪の首魁は頭を垂れる結果となった。
 
 屈辱―――。
 憤怒―――。
 怨嗟―――。
 
 あと一歩で新時代の王となるはずだった男の胸には、負の感情が渦巻いている。
 だが、「サクラには敵わない」という敗北の意識は、まとめてそれらを圧していた。
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| ファントムガール | 01:44 | トラックバック:0コメント:6
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